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 女神達に、まとわり付いて居た靄が消えると、そこには神だった頃の輝きを失った、冴えない女3人が座り込んでいた。

 ビフォーアフターの逆を行く見た目。そして、雰囲気。

 神力がある時は、無能な女神だとしても、其れこそ自信に満ち溢れ、キラキラ輝いていたものが、神力を失った途端、疲れ果てたオーラも何もない鬱々とした感じになっている。



「自分たちの責務から何百年と離れ、挙げ句の果てに黒曜を魔王に仕立て上げようとした事で生み出された歪み。その身を持って償って下さいね。」



 私の言葉を聞き、青ざめる女3人。自身の神力が消え、ただの人間に墜ちた気分はどうなのだろうか? 


 今更後悔をしているのだろうか?


「黒曜、白曜、この者たちに相応しい世界は在ります?私が元々居た世界、ジーク達の世界も候補から外した上で答えて。」


 私は、この3人に罪を償って欲しいとか、最早思わない。

 この3人じゃ償えない。救えない。


 自分達の罪すら分からない者に、何が救えるのだろう?



「ふむ、俺達が最期に創った世界は、今進化の過渡期で、人が3人増えた所で問題は無いだろう。文明もこれからだしな。」



 白曜は、力を失った冴えない女が生きていける世界を選んでくれた。

 過渡期であれば、知識さえあれば生きては行ける。これが、成熟した高度な世界であれば、知識だけでは生きていけない。

 常識も何もかもが違うと想定されるからだ。


 何だかんだ言っても、白曜は神様らしい神様だ。慈悲がある。

 それに比べ…馬鹿女神達…いや、元女神達の愚かな事よ…。


「嫌です!嫌です創世神様!」


「私達が何をしたと言うの…こんな風に人に墜ちる程の事をしたと…?」


「創世神様、私達はその黒い龍より役に立ちますのよ!」


 人に墜ちた身で在りながらも、必死に訴えて来る3人。うん、ガッツはあるよね。ガッツはね。


 そのガッツで、世界の管理をしていれば今よりマシだったんじゃないかな?



「何度も言ってるでしょ?優しい私はもう一度教えてあげるわね。あなた達3人の罪は、何もしなかった…からよ。あなた達は、敬愛して止まない創世神様に与えられた世界一つまともに管理出来ず、歪みを生じさせた。そして、黒龍を魔王に仕立て上げようとした事で、生まれなくて良かった魔王が生まれようとしている。コレがどういう事か分かる…?」



 私は、ゆっくり落ち着いて一人一人の目を見て伝える。

 馬鹿でも理解出来るよう、細心の注意を払って。


「あなた達はね、あなた達が、敬愛して止まない創世神様が創り出した世界を壊したの。正直、一度無にして創り直す方が楽な位壊れてるの。星が自身で助けを求めるくらい病んでるの。分かるかしら?」


「っ…!だからって人に墜とす事は無いでしょう!」


「私達3人で元に戻せるわよ!」


「そうよ!私達は其処の魔王より役に立ちますわよ!」



 うん。コイツ等やっぱり馬鹿確定。人の話理解してない。



「私は、あなた達が侮り、馬鹿にした人間風情ですけどね、あなた達より役に立つわよ?実績もある。行動力もある。何より、有言実行、言ったことは全て叶えてきた。あなた達を人間にしたりね。」



 馬鹿3人は、真っ青になったり真っ赤になったり忙しそうだ。 


 何より、人間である私と比べられた事がプライドを傷付けたらしい。知るか。



「もう、懺悔の時間は過ぎたわ。創世神の慈悲すらあなた達には過ぎたモノだったわ。さぁ、残りの人生をもって、今迄の自分達の振る舞いを償いなさい!」


 

 黒曜は、私の言葉に合わせ人化し、白曜と手を合わせ、白と黒の美しい扉らしきモノを顕現させる。それは、とても尊い力なんだろうと感じさせるに相応しい、豪奢でありながら繊細な扉だった。

 


「女神達よ、扉は準備した。此処を潜れば俺達が創った世界にいける。嫁御が言っていた通り、この先でお前等は生きろ。俺は、お前等の振る舞いをずっと見ているからな。」


 

 白曜は、馬鹿3人組に告げると、正に神!と云う慈悲深き微笑みを向けていた。

 それはまるで、地球で見た絵画の如く、神聖で近寄りがたくけれど、温かいものだった。


「創世神様…かしこまりました…。」


「「「申し訳ありませんでした…。それでも私達は創世神様を敬愛しております…。お元気で…。」」」



 女神達は、最後まで仲良く声を揃え、白曜に別れを告げると、重い足取りで扉を潜っていった。


 潜り終わると、黒曜と白曜が扉を消し、其処には何も無かったかのような空間だけが残っていた。


 うん。取り敢えず、元凶の成敗は終わったのね…。


 これで、次に進める…。


 と、考えていたら、激しい目眩に襲われた。

 きっと緊張か何か疲れでも溜まってたんだろうなぁ…と、思いつつ、きっと黒曜が私を守ってくれると信じ、私はまた意識を手放した。












「死にたくない…死にたくないよ…」


 馴染みのない女性とも男性とも言い難い声が響く。


「助けて…黒龍の花嫁…」


 悲痛な叫びが、私に求めてくる。



 あぁ…



 これは、私を呼んだ



 星の叫びだ…



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