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閑話〜精霊〜


 僕達は創世神様に愛されてる黒龍神様の色で生まれた。


 黒曜石に宿る精霊の僕とルビーに宿る精霊は、創世神様と黒龍神様がこの世界を創造された時に生み出された。

 創世神様が、黒龍神様の色を石にして生み出してくれたのだ。


 創世神様は、黒龍神様はきっと恥ずかしがるから内緒だよと僕達にそっと告げてくれた。







 

 それから、長い長い時の中、僕達は色々な事を学んだ。


 創世神様からは、好きに生きなさいと言われていたが、創世神様が一番大切だという黒龍神様の色を頂いたのだ。ならば、いつか僕達は黒龍神様の役に立とう!と、決めていた。



 そんな中、この世界が徐々に壊れて行くのを感じた。


 僕達は、自然そのものだ。今迄と変化があれば気がつく。

 真っ先におかしくなったのは魔物だ。本来、魔物は魔力を持つ生物が変異してなる物だったのに、今では魔物が魔物を生み出して、魔物という種族を作ってしまった。


 創世神様が決めたルールでは、魔物は繁殖はしない。

 元来魔物は、異業種ではなく魔力を持つ動植物であり、生来の姿との差異は然程ない。


 その筈だった。


 その秩序が壊れて来ている。


 この世界が壊れ始めている、そう確信しても…ただの精霊である自分たちだけでは何も出来ない。


 





 時間が経ち、人々は本来の魔物と云うものを忘れ、異形に成り果て繁殖をする化け物を魔物と称する様になった。


 だが、それに違和感を感じるのは、精霊である自分たちだけではない。


 ドワーフや、エルフといった長命種も、精霊より遅れてではあるが危機感を感じる様になったらしい。


 だから僕達は、一人のドワーフに頼んだのだ。


『僕達を、装飾品に加工して。街に連れて行って。』


 それ以上は伝えない。けど、人の良いドワーフはそれを聞き入れてくれた。


 僕達の宿る石を加工し、ピアスとブレスレットにしてくれたり、時折他愛のない話をする仲になっていった。






 長い時の中、僕達は一つの希望も持つ事になる。

 創世神様に並び立つ、黒龍神様が創世神様から離れ、一柱で終焉の地に過ごされているとの譲歩を得たのだ。


 それにより、僕達は黒龍神様の夢を介し先を知る事が出来た。


『黒龍神様は、ひとりぼっちだ…』



 強くてカッコイイ黒龍神様を、怖い気持ち悪いと虐める神様がいる。

 それを憂いている創世神様。何も出来ない僕達。


 いつか、黒龍神様を受け入れてくれる人が出来たら、僕達はその人に仕えよう。

 そして、ひとりぼっちだった黒龍神様を癒やしてくれた人を、僕達が守ろう。








 沢山の夢渡りをした。

 この世界の為、僕達の大好きな創世神様と、黒龍神様の為に。

 そこで知ったこの世界に来るであろう女性を。誰よりも慈愛深く、誰よりも浄化の力の強い姫巫女様。


 そして、奇跡的に黒龍神様と夫婦になった姫巫女様に出会った。

 これは創世神様のお導きだろうか。


 必ず僕達は、お力になると誓い、姫巫女様の真琴に好かれるよう、姿形に合うよう言葉使いも変える事を検討した。



『僕達はラッキーだった』


『真琴は凄いね。黒龍神様に愛されてる!』


『それに、浄化の力も強い』


『『着いていこう!着いていこう!ガルバ!!!僕達は真琴に着いていく!!!』』


 僕達を連れて来てくれて、百何十年も一緒にいたガルバに告げる。


『ガルバありがとう!』









 「君達は、私の為に出て来たの?」


 姫巫女様はそう聞いてきた。


『真琴、やっと私達を見てくれた!真琴、真琴、私達見えるニャ?』


「君達2人?共見えてるよ。君は、羽根の生えた黒猫で、君は手の平サイズの鳳凰だね。」


『その通り、私達はずっと真琴を待ってたよ。全ての民を慈しむ慈愛の巫女。』


『私達、夢渡りで知ってたの、近い未来真琴がこの世界に来るのをニャ』


『私達は待ってたの、この世界を救うために。』


『ねぇ真琴、この世界の魔王を救ってニャ…。』


 真琴と喋れる事が嬉しくて、どんどん要望を伝えてしまった。そしたら、真琴は現実逃避を始めてしまった…。


「疲れたし、寝ましょう。おやすみなさい。」



 ねぇ姫巫女様、僕達はずっとずっと待ってたの。

 本当は誰よりも優しい黒龍神様の孤独を癒やしてくれた貴女を。 


 ねぇ真琴…。ありがとう、沢山沢山ありがとう。それから…この世界も救って…。黒龍神様を孤独から救ったみたいに。この世界の変異を浄化して…。


 僕達は、自分達が出来る事は全部やろうと、真琴の力になろうと、真琴の寝顔に誓った。


 その横で、人型の黒龍神様が真っ赤になったりモジモジしたりしてるのが面白くて、暫く眺めてしまったのは内緒。


 真琴が夢を見るくらい深く眠ったら、僕達は夢の中でお話しよう。


 真琴に沢山沢山この世界を教えてあげる。きっと、真琴のちからになるから。




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