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ブックマーク、評価ありがとうございます。
感謝です!
女将は、驚いたかと思えば、凄く嬉しそうに微笑ってくれた。
「なら、長期滞在じゃなくて、真琴夫婦の部屋を作らなきゃね」
あれ?なんか凄い待遇じゃない?え?いいの?
「いやいや女将さん、」
「お母さんって呼んで?」
笑いながら私の事をポンポンする、女将、いや「お母さん」はとっても嬉しそうだ。
「これから2人は魔王討伐の為に冒険者やるんでしょ?なら、帰ってくる場所が必要よね!私も頑張る気力が出てきたわ!」
ニコニコ楽しそうなお母さんと、嬉しそうに微笑んでる黒曜が私を見てる…!照れるっ…!
「私は、この世界の覇者になるわ!そして、私に優しくしてくれた人達を幸せにするんだから!」
◇
お、お母さんに、一先ず王都内の散策をしてくる!と、伝えると、買い物リストを良い笑顔で渡されました…。
お釣りはくれるらしいので、取り敢えず商店街的な所に向かう事に。
「活気!活気!活気!凄いわね!」
語学力が家出中の私は、ひたすら興奮!
見たことないような色とりどりの髪色に溢れ、それだけで花畑みたい!はい、そこ、お前の頭が花畑だって?黙らっしゃい!実際見てみれば私の興奮は分かるはずよ!そして、例に漏れず私は誰に話し掛けてるんだろうね?
「真琴、先に母君から託された依頼をこなそうではないか。」
そして、こちらも例に漏れず、行きかう女共の視線を独り占めしたイケメン面な夫、黒曜。
相変わらずマイペース。女将を母君呼びも違和感ないのね…。流石、規格外ドラゴン。
「それもそうね、お買い物さっさか終わらせて情報収集よ!」
お母さんに託され、黒曜にせっつかれた金にがめつい私は、ひたすら値切り交渉と抱合せ交渉で、良いものをより安く!そして量を倍にするという錬金術並の事をして行った。
「かー!!!負けた!姉ちゃんには負けたよ!その籠とあの籠で7鉄貨だ!」
「ありがとうございまーす!流石お兄様!皆様ー、此方のお兄様のお店は新鮮で安いよ!絶対お得!おすすめ!見てって〜!」
気分良く客引きもしつつ、黒曜に今まで購入した品も持たせ私ホクホク♪
「黒曜見てよこれ、この瑞々しさ、この量!これでミッションコンプリートよ♪通常価格より抑えつつ、量も確保したからトータルで見ればかなりのプラスよ!そして、私達二人分のお茶代は残したわ!」
「真琴が今までで1番生き生きとしてたな…」
っちょ!そこで何で遠い目してるのよ!
「我と居るときは、我の事で生き生きとして欲しい…何て少し思ってしまったよ」
ひっさびさの口説き文句きたよー!!!勘弁してよ…鼻がもたないから…。
「だ、だからコレから2人でお茶するんでしょ!?」
すみません、情報収集です。
「そ、そうだな!真琴と2人で向き合ってお茶?するんだったな」
「そ、そうよ!あ、愛し合う夫婦は向き合ってお茶するのよ!」
愛してなくてもお茶は向き合って飲むものです!
って、凄い良い笑顔で嬉しそうにしないで…!良心が痛むからっ。
「なら早く行こう!我は真琴とお茶というものがしたいぞ!」
うん。お茶ってどんな物かイマイチ理解してないのね。了解。
黒曜の知識は偏ってる様な気がするのよね…。まぁ、ドラゴンなんだから当たり前かもしれないけどね。
ワクワクニコニコの黒龍は、大量の荷物をパッと消すと、私の手を握ってきた。
「真琴、我が迷子にならぬ様手を繋いでくれ」
「なっ!何が迷子よ!冒険者の招集でも宿屋探しでも迷子になんか為らなかったじゃない!」
文句を言えば黒曜がションボリしはじめた…。
そのイケメン面でションボリされると、庇護欲をだな…もー、分かりました…。
「…喫茶店までだからね」
「う、うむ!」
ニッコニコになった黒曜を連れて、王都内一の人気店に向かう。ただ値切るだけじゃなく情報収集もバッチリよ!
高貴な方々が通う喫茶とは違い、庶民御用達の庶民の味方の喫茶店。人気店という事は、人が集まるって事。
人が集まる所には情報も集まる。なら、多少混んでても足を運ばない訳にはいかないわけで、ただ単に行きたいだけな訳じゃないのよ。
「ここね。やっぱり混んでるわねぇ…、黒曜少し並ぶみたいなんだけど良いかしら?」
「良いぞ。我は気が長いからな。真琴と手を繋ぎながら並ぼうじゃないか」
あ、手を繋ぐのは決定事項なのね…?そうなのね? なんか黒曜さん宿から出た辺りから積極的なのよね…。どうしたのかしら?
「ま、真琴…、そんなに見つめられると流石に我でも照れるぞ…」
考え事すると一点を見つめちゃうのよね…。で、黒曜照れたと。黒曜も黒曜で忙しいのね。私には理解で…出来るわね。確かに黒曜にずっと見つめられてたら照れるわ。
「お次のお客様どうぞー」
おっと、呼ばれた呼ばれた。さーて、この国のお茶堪能しちゃいますか!
店内は純喫茶風で、決して広くはない。けど、狭くもない。人が落ち着くギリギリの広さって感じで第一印象は悪くない。
兎にも角にも味よ味。良く考えれば私達旅館で頂いたお茶と茶菓子以外に口にしてないのよね…。まぁ、不思議とお腹空かないんだけどね。
「ご注文はお決まりですか?」
エプロンをした可愛らしい男の子が声を掛けてきた。
ふむ、マスターの息子かね?
「オススメのお茶と、オススメのお菓子をお願いします」
「お父の作るのは全部オススメだよ?」
純な男の子の瞳が痛い!
「なら、マスターお任せで。私達王都に来たばかりで何が自分達の口に合うか分からないから、お任せで楽しもうと思うの」
「なら1番人気とか良いかもね!ご注文うけたまわりました!」
あー、癒やされる…。
少年愛なんか無かった筈だけど、黒曜を常日ごろから見てるからか、純な男の子の反応癒やされる。
「真琴…」
はいはい、寂しいんですね。りょーかいでーす




