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プロローグ

私生活が忙しいため、何も考えずに書けるものを同時進行致します。

もう少し時間に余裕が出来たら、捨て人更新します。

 雲一つない青い空!澄んだ空気!見渡す限りの険しい山!断崖絶壁に貼り付いた私!なんて素敵な社員旅行日和!

本日、私「日下部 真琴」24歳花も恥じらう乙女は、会社の社員旅行と称した地獄の強化訓練の為、日本から結構離れた国のそこそこ険しい山に来ております。

そして、このスンバらしい天気のもと強化訓練もとい、社員旅行で登山兼サバイバル訓練と相成りました。

もっとも、この社員旅行に今現在ついて行けてるのは私だけで、他はリタイアしているし、そもそも社員旅行だっつってんのに某電波なテレビ番組や世界の果的なノリで企画を通す我社のトップが頭おかしいと思ってる訳なんですけどね。

大体、集合場所に着いた途端、チケットとしおりだけ渡されて「レッツ エンジョーイ」じゃないわ。なんだよそのノリ。

そんな訳で、この社員旅行を無事クリアして帰国したら、弁護士探して社長の顔面に退職届を拳と共に贈呈してやるわ!と、思ってる次第でこざいます。


「しっかし、この断崖絶壁…登山じゃなくてロッククライミングでしょ…か弱い乙女がする事じゃないわ…」


飛行機から降り、荷物を受取って全員がロビーに揃った途端、部長が良い笑顔で登山グッズと装備の使い方を説明し始めるもんだからゴマすりスリしながら最後まで聞いてたのが悪かった…。気が付いたら先頭で歩くことになるし…。


肝心のゴマすり対象の部長は、仕事残ってるから!とコレまた良い笑顔で日本にとんぼ返りしましたからね。モチベも下がるってもんでしょ。ゴマすりは大事だけど、査定する人間にやらなきゃ意味がないですからね。

 故に、モチベもマイナスな状態で、現地案内人によく分からない山の麓に連れて行かれた訳ですよ。で、登山。この社員旅行で頂上まで到達した人は次期部長補佐確定、頂上まで行けなくても良い所まで行けたらソコソコのランクアップと昇給は約束するよー!って、社長からの有難いビデオメッセージ。こりゃやるっきゃ無いでしょ!と、下がりきったモチベも上昇した所で冒頭です。断崖絶壁に張り付いてます。


「ここ、結構風強いから危険かも…」


そう思わず呟いたら、強風ですよ…フラグ回収ですね!弾丸みたいな風が襲ってきてます。

あまりの強風に絶壁の壁が剥がれてるのがわかる。ロープが風で軋み、千切れる感覚がする。


「えぇ~…昇給どころか命の危機じゃない…」


最後だというのに、危機感のない言葉しか浮かばない。それに、あと少しで頂上だというのに、昇給もなしかよ…と思うと憤りしかない。

社長の昇給という言葉と、グットラック♪の軽い言葉が繰り返される。


「グットラックじゃない!!!私は、生きる!!!だって昇給目前なんだから!!!」


私の咆哮と同時にとんでもない風が吹いてロープが岩とこすれ合い千切れる感覚。

私は、強い風と重力に逆らえず下降していく。あぁ、これ即死系の何かだわ。


「生きる!って言ってんでしょ!!!神様とか居るなら何とかしてよー!!!」


私の咆哮は青い空に吸い込まれていった。そして、私は…





________________________________________________




「…ん?」


強い衝撃を待ち構えている私に、いくら待っても来ない衝撃にしびれを切らし、目を開けてみた。


「って、ここどこよ!!!!私の昇給どころか、帰れるかも分からないじゃない!!!」


目の前に広がる荒地。その荒地は見渡す限り続いている様で、とりあえず目に入る範囲では何もない。

何もないよねぇ…。あの黒い塊以外。

とりあえず、何もない訳で。黒い塊が何か検分しないといけませんよねー。


こう見えて私、結構なエリートなんですよ。

性格は結構いいし、身体能力は高いし、見た目も大和撫子な美女、そんでもって国の諜報的な機関の期待のルーキーってやつね。

なので、未知の物体の検分はお手の物!ちょちょいのちょいでやってやんよ!って事で、黒い塊に向って歩くことに。

うん、足も大丈夫ね。身体も痛いところはないし、頭も大丈夫。あの風には参ったし、こんな荒野まで吹っ飛ばされたけど五体満足。

ちゃっちゃか検分して、こんな荒野から抜けて、昇給よ!昇給!


「しかし、大きいわね。なんか、鱗?みたいにも見えるわね」


黒い塊に近づくにつれ、その大きさにビックリ。軽く7階建てのビル位はある。それに、なんか上下してる…?


「生き物…?」


私の声に反応してか、黒い塊がビクンっと動いた。やっぱり大きいわぁ~

黒い塊は、丸まってたのか動き始めると、高層ビルと言っても良いぐらいの大きさになっていった。

あまりの大きさに、私はあんぐりですよ。美女のあんぐりとか、ご褒美でしょ?と、ふざける位には余裕はあるけど、この大きさで襲われたら私もぺしゃんこですよねぇ。


「黒は黒でも、黒曜石みたいな深いけど綺麗な色した鱗なのねぇ」


もう、ぺしゃんこならぺしゃんこで仕方ないかと思いながら黒い塊が動くのを見ていた。

その巨体には、黒い鱗がびっしり付いていて、1つ1つが光を反射しているのか、宝石の様に輝いている。それは、幻想的で思わず見惚れる程だった。


これ、1つ位貰えないかしら。綺麗だからペンダントとかにしたら、私の黒髪に映えるんじゃない?とか思っちゃう次第で。

そんな私の思惑は何のその、黒い塊がバサって音を立てて翼を広げた。大っきいねー!!


ってか、大き過ぎるよね。翼の付いたドームって言われたら納得するくらいの大きさだわ。

翼の付いたドームって、ヴィジュアル系ねー!昔好きでしたー!わーい!じゃないわ…

こんな大きい生き物、地球では存在してないです!って、事はですよ?私死んだんですかね?ここ冥府?


確か、ビル5階程の高さから落ちると窒素してから叩き付けられる筈…

と、なると窒素→叩き付けられるのコンボ技で私は死んだのかしら?で、今冥府?そうすると、この荒野も、無駄に大きい生き物も説明がつく…


「え…昇給は?昇給、私の昇給!!!!!」


私の魂の叫びが荒野に木霊する。

あ、大きい黒い生き物と目が合いました。あー、終わったね。

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