46/101
嫌な顔
多少の贅沢をしても、生活になんら支障は無い。
ならば、今日はなるべく控えている酒に溺れよう。
普段の溜まった鬱憤程度ならばいざ知らず、今日は最も見たくない人種の顔を見てしまった。
歪んだ騎士道の道に殉ずる者の顔を。
「……ふん、小娘が」
言って、ガインの足がピタリと止まった。
どうやら、あれこれと思考錯誤している内に、行きつけの定食屋の前に着いていたらしい。
「ちっ、ねぇ頭で考えたってしゃあねぇ。 飯食ってさっさと忘れちまおう」
ガインは角張った太い指で、頭の髪をわしゃわしゃと掻きながら、店へ足を踏み入れた。




