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月を染めゆく緋色のベルベット  作者: 藍スミレ
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家屋

「……着いたぞ、ここだ」


 年季を感じる古い建物。

 ヒビの入った壁と、長い年月の末に黒くなった柱、黒々と立ち昇る黒い煙り。

 そして、槌が金属を打つ音が聞こえる。


「……お仕事中でしょうか」


「かもなぁ」


 言って、ヴァルドレッドは建物の入り口へと歩いていく。

 仕事中だからといって、ヴァルドレッドの用件もないがしろにできる物でもない。

 せめて依頼の内容だけでも、先に伝えておくべきだと判断したのだろう。


 ロウもヴァルドレッドへ続いて足を運ぶ。

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