やり直しを要求します。天界の消費者庁はいったいどこ?
まじ?
詐欺だったのあれ?
昔、爺さんが言っていたなぁ。
『笑顔で近寄ってくる美女は10割罠じゃ』と。
「・・・」
無言でよく女神様の発言を思い起こしていると天使様が声をかけてきた。
「よろしいですか?」
天使様、真顔なんですが。
「第一、自分でスキル選択されなかったんですか?」
「全部、女神様が操作して、決めました・・・・。」
「えぇ・・・」
天使様、顔引きつってますよ。
「いやいやいやいや、まだ騙されたと決まったわけじゃないし!!」
確かに美人だったけど!女神って付いているんですよ!?善神じゃないの!?
「スキル詳細は見なかったんですか?」
「え、見れないんじゃないんですか?転生したら最初に詳細見てねって言われたんですけど・・・」
「・・・・・・」
天使様の・・・そんな顔見たくなかった。
「やり直しに!振りなおし!無効に!!・・・ならないんですか?」
「・・・昔、門の前でやっぱりやめるという人がとても多かったので・・・もうここに来たら引き返せません。」
天使様の泣き顔が見れるとは思わなかった。
「うそでしょ・・・」
がっくしっ
俺は全身の力が抜けて立っていられなくなり、ひざから崩れ落ちて、四つん這いに。
「まぁ落ち込まないでください!ミラ様は確かに道楽家ですが!人でなしではありません!ど、努力さえすればきっと異世界を生き延びることができますよ!」
天使様・・・!そんな優しい言葉かけられたら、38才も恋に落ちてまうやろ・・・!
「ほ、ほら、ガチャチケット引きましょうよ!きっといいものが出ますって!」
手元のチケットを見る。
ガチャチケットもよく見ると、とても小さな字で注意書きが書いている。
こんなものすらチェックしないで俺は舞い上がっていたのか。
どうせよくないことが書いているんだ。
SSRの封入率も天文学的な数字になっている可能性が高い。
どれどれ・・・
「早くしないと!天界でなければそのチケットは!門が開いてしまったら、それも紙くずになっちゃいますよ!」
えっ
顔を上げてみると、門が光を放っている。
おいおいおいおい演出始まってますけど!
「ガチャチケット!2枚とも使用!!」
ガチャチケットから光が放たれる。
光が減ると、巨大なガチャガチャが空中に現れていた。ゴウンゴウンと壮大な煙を吐いている。
ゆっくりとガチャガチャのレバーが下がっていく、ゴゴゴゴという効果音とともに中の機関が作動する。
演出が長い!さっさと排出しろ!
「スキップ!スキップ!早くして!!」
コロン!コロン!急に足元にカプセルが2個転がってきた!
スキップ機能付いていた!
急いで開けなければ!
門のほうも壮大な煙を吐いて、強い風が吹き込んでいる。
カプセルの中には、
カプセルの・・・!カプ・・・!
「かったい!!!!何これ硬すぎ!!!!」
天使様も顔に汗をかいている。
「い、急いでください!」
うおおおおおおおおお
全力でカプセルをねじるが、がっちりは待っているのかぜんぜん開かない!
今度は球体を握りつぶすように、力を込める!
「うごごごご!」
カチョッ!
1つあいた!
中に入った紙が光りだす!
ぱあああと光が俺に吸い込まれた!
(☆3スキル《ポーション生成》を習得しました。)
えっ!?しょぼくない????どこにでもありそうなスキルだけど???!?
もうひとつ!も!
「ごごごごごご!!!!」
雄叫びはどうやら俺のもののようだ。前世でもここまで全力を振り絞ったことはない。
門のほうもゴゴゴゴゴ!と重低音が鳴り出した。扉が、開く!
ごごごごごご!!
ゴゴゴゴゴゴ!!
うおおおおおフルパワーー!
ぱかっ!
中にあった紙が俺に吸い込まれたのを確認した!
(☆3《前世の経験倍増(強)》を習得しました。)
次の瞬間俺の体は空中に浮いて門に吸い込まれた。
☆3だけど!当たりなのかこれ??チケットの内容しっかり読んでないけど!!!?
わかんねぇええええええ!!!!!
そして俺の異世界転生が始まった。
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■天使様と呼ばれていた天使視点
「行ってしまいましたか。」
異世界門の間に残された、私は唖然としていた。
あんな忙しく転生した人間は初めてだ。
本当にミラ様は変じn・・・変わった人間を好まれる。
今のもどこかで見ていて、笑い転げているのでしょうか。
きっと、あの人間の異世界人生は、さぞ面白可笑しいものになるだろう。
「しかし、☆3・・・が2回とは」
あのチケットのことは我ら天使の間でも有名だ。
主に悪い方向で。
中身はほとんどが☆1。転生ポイント1~200の間の中身となっている。
☆2を見たのは私が600年生きてきて、1回だけ。200~800のテーブルと説明にある。
☆3は転生ポイント、およそ1000以上からのテーブルという噂だ。
詳しくはわからないが、ガチャからしか出ないスキルも多く、神々も愛用するスキルが多いらしい。
「さすがミラ様です・・・」
私も、毎日スクワットを始めることにしましょう。しゅっしゅ
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
読みきっていただけたことが何よりもうれしいです。
なかなか勇気の要る感想機能。
私も使ったことがありません。
1クリックとかでOKな、最後まで読んだよ!ボタンとか欲しい。
本日の投稿はここまでで。
次回、主人公異世界に立つ!