異世界最初の食事。ポーション生成魔法の成長。
俺は冒険者の死体さんから、物資をいただいた。
ポーチ
解体用ナイフ
その鞘
固形食糧×1個
兜
貨幣と思われるもの。をいくつか
を失敬した。
崖から落ちたときに壊れたのだろうか、武器は、折れた長剣になっていたので、放置。
防具は、サイズが合わなくて、装備できなさそうだった。
この体は、前世と同じく、細身である。
冒険者さんは身長180cmはあろうかという大男だ。靴もサイズが違いすぎて、履けなかった。
布はぼろぼろに引き裂かれていたし、血がついて泥まみれ。包帯などにも使えなさそうだ。
そのため、兜だけ回収した。
固形食糧は、木のブロックかなと思うほど、硬かった。
スープにふやかす事で食べる、という物のようだ。
お湯でふやかした方が早いだろうが、あいにく用意できるのは
「水のポーション生成!」
じょばああああああ
常温水だけである。
俺は、手に入れた兜を逆さにして水を受けた。
目の部分だけ開いたタイプの兜を、目の部分から水がこぼれないように、注意して持ち、固形食糧を漬けた。
この兜、視界がかなり悪いよな。足元なんて特に見えない。
落ちるべくして崖から落ちた、のかなぁ・・・。頭にかぶって進もうと思っていたけど、ちょっと考えさせられる。
冒険者さんのほうを見てみる。
冒険者さんは、ブサ・・・個性的な顔立ちだ。いけないいけない、死者を悪く言わない日本人だぞ、俺。
きっと魔物との形で傷を負ってしまい、整形失敗したんだろうな。
俺は、数分も待てずに、水につけた固形食糧を齧った。
表面部分しか、齧れなかったが、口いっぱいに広がる、濃い塩分。そして動物性たんぱく質!
うますぎる!!!
俺は、水を塗りつけて、少しやわらかくなったと思ったら、齧り、あっという間に、こぶし大の大きさの、それをぺろりと食べ終えた。
塩分の出た水もうまい。
思っていた以上に、空腹だったようだ。
体中に活力が満ちていくのを感じる。
この冒険者さんを放置していたら、死の運命だったということを、ようやく理解できた。
改めて、体の不調がないかを確認する。
そういえば、徹夜していたし、
走り、歩き、木の上で休んで、無理をしていたんだろう。
足が細かく痙攣している事に気がついた。
腰掛けた岩場の岩から、まるで根が生えたかのように立ち上がれない。
すこし休むか・・・
獣よけにと、冒険者さんの血の臭いを消すため、
周りに汚水ポーションを2発はなった。
・・・・
あれ!?寝てた!?
びくっと体が跳ねて、飛び起きる。
疲れたときに筋肉が寝ているときにびくってするあれだ。
一気に意識が覚醒する。
日の光が真上に差し掛かった。少し寝てしまったらしい。
獣に止めを刺されているとはいえ、死体が残っているのだ。
比較的、生き物が立ち寄りづらい安全な場所だったようだ。
時間にして十分も寝ていないが、眠れたことにより、だいぶ、体調がよくなったと思う。
深夜にもコンビニバイトもしていたから、昼間に寝れる体質になっていたからな。
(《短眠術》lv2を手に入れました。)
(《どこでも寝れる》を手に入れました。)
それぞれ、少ない睡眠でも、十分に休める。回復量が上がる。と、寝ようとするだけで寝れる。起きる時間を調整できる。という便利スキルを手に入れた。
戦闘はてんで駄目だが、サバイバル力がドンドン高まっていく。
コンビニは、実質サバイバルだった?
寝起きに、少し余裕ができたMPを消費し、水ポーションを発動すると、
(新しいポーションを覚えました)とアナウンスが
経験値が溜まったんだ!
きました新しいポーション!
兜で受けて、のどを潤し、
わくわく顔でステータスを見ると、
・水:消費MP5 熟練度11
・汚水:消費MP10 熟練度9/10
・回復ポーション初級:消費MP15 熟練度0/25
・魔力ポーション初級:消費MP15 熟練度0/25
おお、新しく増えている!
そして水の消費が半分に、ありがたい。かなり使い勝手があがるぞ。
いまはMPがないので、後回しだが、これは汚水もあと1回鍛えるべきだな。
念願のポーション!詳細見れるので確認すると
回復ポーション初級 =HPを10回復する。傷口にかけても効果がある。この世界のものとは効果が異なる。
魔力ポーション初級 =MPを10回復する。放置していると魔力が霧散し、効果がなくなる。この世界世界のものとは効果が異なる。
効果が違うのかぁ。効果の差異によっては、物流に乗せることはできないなぁ。まぁ劣化の可能性もあるからなんともいえない。早く人里にたどり着きたいなぁ。
消費が15に増えたので、不用意に使えないのがネックだな。
MP回復量が増えないが、休憩前などにMPを使い果たすためには魔力ポーションが消費5で飲める。
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よし、
冒険者さん、ありがとうございました。
燃やしたり、埋めてあげたいけど、ほかの転生者なら何かしてもらえたんだろうな。そんな便利な魔法は俺にはない。ごめんなさい。
最後に死体に振り返って、顔を覚えようとしたところで、胸元に、ドッグタグのようなものを見つけた。
これが、冒険者の身分証明票なのだろうか。
最寄の人里にたどりついたときには彼の知り合いに、俺が見た姿を伝えることができれば、この徳はプラスにと傾くのではないだろうか。
そんな打算を抜きにしても、彼に感謝もあるので、実行しようと思う。
翻訳魔法をドッグタグに使う。
彼の名前は、「ドッジ」
ドッジさん、ありがとうございました。
彼のドッグタグを抜き取って、ポーチにしまった。
出発だ!
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名前:ラック
種族:人間
性別:男
職業:無職
年齢:25
レベル:1
HP:50/50
MP:18/50
攻撃:2
防御:2
魔力:6
敏捷:8
器用さ:15
賢さ:20
魔法スキル:《翻訳魔法》(1/5)《ポーション生成》(1)
起動スキル:《観察》(4/5)《暗算》(4/5)《算術》(4/5)
《達筆》(1/5)《歩行術》(1/5)《忍び足》(1/5)
《隠密行動》(2/5)《暗闇慣れ》(4/5)《ステータス閲覧》
《重量運搬》(3/5)《清掃》(2/5)《投擲》(1/5)
《大声》(1/5)《挨拶》(3/5)《敬語》(2/5)
《誘引》(3/5)《短眠術(2/5)》
常時スキル:《魔法知識》(4/5)《冷静》(3/5)《思考強化》(4/5)
《長距離移動》(1/5)《威嚇耐性》(3/5)《徹夜耐性》(3/5)
《疲労耐性》☆《ストレス耐性》☆《運命神ミラ様の祝福》(3/5)
《神の吐息》《投擲センス》《好印象》
《マルチタスク》(1/5)《どこでも寝れる》
転生特典:(非表示)
称号:《記憶喪失》《スラム生まれ》
徳(-1)
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