キャロル&チューズデー
この先どうなるか?さっぱり分からないが、これアニメ的だ。SFの上手さがある。最初はまた実写系アニメしか創れないアニオリの欠点かと見てた。ならお前らドラマでもやってろとなる。朝ドラみたいな脚本やコメディばっか。非現実的な要素なんて溢れてるから希少価値で多くの人が絶賛しやすい。でもそれ実写をベースに見るならアニメで実写見たいのやっても希少価値にならない。
日本のアニメのこれ問題だと思う。だから私は非現実要素を軸としたストーリーのなろうが好きなんだ。非現実要素を軸としたストーリーと実写的人間ドラマを軸としたストーリーって必要とされるストーリーテイラーとしての能力が全く違う。そのあたりが分からずにどいつもこいつも脚本がストーリーがと一本化して良し悪しを語る。
こういった評価する側のセンスのなさ作り手の能力の判別出来なさがアニオリのストーリーを駄目にしてる。快か?不快か?の単純な判断。結果として快ならよしで考える大雑把な作家脚本家ってやつの能力。こういうのがアカン。これは分けるベキなんだ。必要とされる能力が違うから。
じゃこの作品のSFのツボは?SFはある非現実的要素を加えることによる社会構造すべての変化。これを描くのもSF的なんだ。今回のキーはAIと創作=音楽産業になる。これらに作曲作詞人間のアーティストが向っていく。歌自体はどちらも人間なので作曲、作詞あたりに偏ったものになる。そこをどう描くか?多分小手先で上手くないと見ている。
根本は実写系の音楽系アニメだという点、その点TARITARIは違う。あれは会話とかやり取り、仲間内のグループ的な掛け合いにあり、ちと違う。まあ音楽もそれなりにやってるが、がっつりそこで勝負ならラブライブの方がふさわしいと思う。もっと音だけなら4月は君の嘘あたりになる。ピアノの森は漫画が面白くてアニメ見なかったので分からない。無音音楽漫画としてTOY以来の傑作であり、音が生かされるか?が怪しいので見なかった。
ノダメはどうか?作詞作曲って意味でクラシックはふさわしくない。演奏技術や指揮は作曲って点でずれたテーマになる。その点はアイドルって点での統一感からライライブがやっぱふさわしい。ようはシンガーソングライターの二人組みをテーマにしている。そういったアニメが思いつかないし、漫画もちと浮かばない。
アイドルアニメが大きなジャンルとなってて気がつきにくいが、そもそもが意外とニッチ的なものがある。
1話で火星設定馬鹿にして居たが、音楽産業とAIの社会の構築って視点に2話で気がついた。これらをベースにするのに未来観を見せるのに火星という架空の舞台は悪くない。何故なら隔離されたAIによる音楽産業の町を作りやすいってのがあるためだ。
ただどこまでそういった部分刺激を創れるか?でありがちな二人組みの青春アニメになってしまうと惜しいなとは思う。いやそれはそれで頑張ってほしい。そういった部分とマニアが好むようなSF部分が融合できていればすごく良いと見てる。だからそっちは”いつも”の実写ドラマストーリーしか作れないアニオリで良い。
ようは多数派には全く受けないが、SFマニアという少数派も満足できるようなつくりにして欲しいんだ。表層とコア。それらがかみ合った無駄なつくり。タイタニックで無意味な船内をこりまくって作りこむあのキャメロンのような作りが欲しい。まさにこの作品はSFオタクのキャメロンが恋愛物を手がけたタイタニック的であれば理想的だと思う。
ただ一点、絵的に実写でこれ創れない?そこだけ新海アニメとしての刺激があれば良いとは思う。絵的にアニメ的なデザインされた絵になってる。その点新海アニメの方向性とは違う。まるでFMSTATIONの表紙の「鈴木英人」のような絵世界と見れば良いのかもしれない。アンディウォーホールのポップアートの様な。