神様になった日6
なんとなく見えてきた。この作品とにかく悪く言おうとする人たちのせいでおかしな状況になってる。そのせいで逆にまともに批判が言いにくくなってる。この作品根本的には好みだと思う。シャーロットと同じ問題と多くの人は突っ込むが違う。これABと同じ問題の極端なケースだと見てる。
それは何だ?と言うと急展開にってキーに近いのだが、それは単純に悪い点じゃない。多分超展開に近い。ただ超展開ではない。エロゲ出身者はは伝統的に超展開に多分鈍感。冴えカノって作品で超展開のストーリーを出してくる売れっ子ラノベ作家のヒロインに私は大きく疑問を抱くのだがこれを人気素人批評家として有名な主人公が大絶賛だ。
は?となった。これ笑いを誘うものだよね?と思っていたら、YUNO見てすべてそれが解けた。初期のエロゲの大傑作と言われるこの作品が典型的な超展開だった。今の異世界転生転移のブームの前にこんな作品があったとはと驚きもあった作品。こてこての超展開。伏線としてそれを匂わせてはいるが、まさかそんな展開になろうとは思うような驚きの異世界ファンタンジーになってしまう。
そんなには悪くない。元々匂わせていたのと、ファンの話を聞いてみるとゲームシステムの味と言うべきものが良くて評価されてるものらしくて、アニメ化が雑過ぎてと言う批判もあったが、根本的にゲームだとすごく面白く感じてしまうストーリーの典型。ただこの超展開無批判に傑作としての特徴か?と言うと逆に危ない橋渡ったが上手くいった稀有な例と見た方がいい。
どうもエロゲ作家って超展開をやってしまう気質がある。
何度も言うが超展開ではない。ただシャーロットもまあ起承転結の転がしっかりしてる作品だが、リトバスもそうなる。クラナドは現実的な内容なのにアフターとそれ以前では別の作品ぐらい方向性が違う。その中でも似た例としてエンジェルビート=ABだと見ている。ABは批判も多かった最初の視聴の方向性としてみていたら、突然そんなのどうでも良いとして話が転換してくる。
確か天使が敵でそれを打倒するみたいな流れが、そういう話じゃないからと急展開する。いつもの麻枝氏じゃないかとなるが、これには視聴の方向性ってのが絡んでいて、この点の意識が多分麻枝氏は全くない。ABは好みだと断言できる。だからこそこの作品でそれが悪い方向に如実に出たと見ている。
全く違うストーリーを組み合わせたようになってる。そんな事言ったら刺激のある展開させるのが無理じゃないか?となる。そうじゃないんだ、方向性を決めてしまうような流れってのを作ってしまうと難しいとなる。まどマギはこれベタに利用した作品なのでエロゲ作家って本当に似た性質を持つと分かる。
虚渕氏はそれをすべて計算でやってるのに対して、麻枝氏は多分もう作り方として染みついちゃってるんだろうなと思う。これは失敗すると批判されてもしゃないと見た方がいい。
誰も指摘しないがこのストーリー、アルジャーノンに花束をに本当に良く似ている。多分誰も指摘しないので、パクりじゃないだろう。パクりってのはそれがすぐ分かるんだ。古いからじゃない?なら麻枝氏のファンは古い人ばかりだ。多分知ってる人が多い。話の流れ自体は名作と同じものを持ってるから単純につまらないとは言えない。
一点大きな違いはあるが、決定的じゃない。ただいくつかそれでつまらなくなってるのは間違いない。アルジャーノンはIQ高くなる主人公視点でそれに絡む面白い部分がかなりある。それに対してこれはヒロインを見る主人公って立場なので面白い部分がかなり削られている。そのためアルジャーノンに似ているという人が皆無なのはわかる。
ただ悲劇の質は全く同じそれ以外が全く違う。問題は、カタストロフィが訪れてからが長いんだ…。そこからのハッピーエンドこそが描きたい部分で、この点からもパクリじゃないとすぐわかる部分。パクりなら壊れたヒナで終わるのが望ましいんだ。その後の流れが長い事こそ、この作品が2つの方向性の違うストーリーを持つことなってる部分だと思う。
批判も多いけど、ヒナが機械的に補助された頭脳の持ち主だったって展開自体はそこまでつまらなくはなかったんだけどな。読みやすかったとか言う人も多いが、そこもこの作品の問題点だよな。以前から書いてるが、SFなどで多用されるが世界の謎って部分を軸にする場合、そこだけに比重をかけるとポキンと実際見せたとき作品が折れてしまう。
期待に大体の謎の答えは答えられない。一番の理由は王道展開なので大量に衝撃の世界の謎は出されてしまってるから。これは世界じゃないでしょ?ですが、そこも上手くやってる部分だと思う。本来は世界滅亡の話だったけど、個人の世界の破壊=世界全体の滅亡と勘違いしたって答えだけど、これ自体は詐欺的だとは思わない。
謎が明かされた後の話が何かエッセンスをすべて絞り出してしまったような搾りかすみたいな流れになっていたのがな。上手く閉じてしまえなかったのか?と思う。
方向性を変えるのがストーリーの目的だからそれにけちをつけるっておかしいのかもしれないが、初期から持っていた楽しんでいた流れががらっと変わってしまった後長いのがな…。
展開されるとき、大きく動かすってのがどうも麻枝氏の強みもであり同時にこれかなり欠陥を含んだものだと思う。超展開や展開の速さが早すぎて受け手が置いてけぼりになるなど危険性もとにかく多い。多分デメリットの事について全く考えてないと思うし、かつ虚渕氏のようにコントロールが上手い作家でもないと思う。
ちなみに虚渕氏のガルガンティアも似た批判をされてるが、これは2クールだった作品が急遽1クールにされたらしい。まあ分かると思う。ゆっくり動かすはずだったものが勝手に急展開になってしまっただけなので。こっちは結果論でガルガンティアは欠点が出た作品じゃない。逆に良くそんなものまとめたと思う。話によると後から変更になって別の人が手を入れたとも聞いてる。監督の意向の強い作品なので監督かなと思う。
何度も書くがABは好みの問題だが、これはあかんと思う。その差はただの結果論だと思う。ABは根本的には苦手な人はいるが、展開の早いのを好む人には話が良く動く良い作品に映ると思う。その程度の差だと思う。何度も作っていれば絶対この人はこの癖が出る。それが良い方になるか?悪い方になるか?はすべて結果論。
ただ傾向として何度も作る人は大体後から出た作品は悪い。ネタ切れワンパターンなどが原因になる。だからこれから創ることがあっても多分この悪い方がまた出てしまうんだろうなと見ている。創る機会があればだけど。