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青野さん  作者: 高野 ユウジ
1/2

始まり

青野さんは



短気で

涙もろくて

ギャンブルとオカルトが好きで

裏表が無く

20歳年下にも頭が下げれる

何事にも一生懸命で熱い人でした




「おい、上地」

「なんすか?」

「明日から新人来るぞ、いきなりだよ面倒臭ぇよ」

現場長の田山が、相変わらずのウザい笑顔で。昼休憩終わりの事務所前、タバコを吸いながら話し掛けて来た。


「どんな人なんすか?」

「食肉の現場で現場長やってた、40近いオッサンらしいぞ」

「そうなんすか、人足りてないから良いんじゃないすか」

「いや、面倒臭ぇだろ」

俺より4歳上の田山は、面倒臭そうにタバコを吹かしながら。ため息混じりに、煙を吐き出した。


「お前、明日から面倒見ろよ」

「はぁ?嫌っすよ。フォークは乗れるんですか?」

「監督の話だと外フォークで乗ってるらしいよ」

「なら、大丈夫じゃないすか。何階やらせるんすか?」

「1階で良いんじゃねぇの?そうすりゃ俺、フリーに動けるだろ」

面倒な事はすぐ人に押し付ける田山の提案に、自分は楽なポジションに行くつもりだと。直感的に感じた。


「いきなり1階はキツイんじゃないすか?田山さんが1階入ってまだ半年位っすよね?」

「だって、佐藤さんと上田さんは動かせねぇし。前川さんに階代われって言ったら、あの人また休むぞ」

一番キャリアがありながら、自分の仕事しかせず。文句ばかり言って何事も正当化する前川さんの顔が浮かんだ。


「あぁ、確かに。うーん、あの人は無いすね」

「だろ!?」

田山がムカつくどや顔で同調を求めて来た。

「じゃぁ、1階で良いんじゃないすか?田山さん、頑張って下さい」

「なんだよそれ、皆で面倒みんだよ!」

田山の甲高い声にイライラしつつ、自分の受け持つ2階に向かうエレベーターに乗り込んだ。

「良いか!明日から来るかんな!」


これから始まる午後の仕事の憂鬱さと、明日から来る年上の新人に少し興味を抱きつつ。俺はエレベーターのボタンを押した。


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