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特訓3



 ナーガに会った後、スカビオサに詳しく話してもらった。



 この森にはそれぞれのエリアにエリアボスのような存在がいるらしく。谷エリアのボスがあのナーガらしい。


 だが、ナーガは「我々エリアボスの中でも最弱」的なポジションらしく、1つでも傷を入れられない様ではこの森で生き抜くことは出来ないわよ〜?と煽られた。



 正直人間だった時は煽りなんてスっと流していたのに何故だか無性に腹が立った。


 この体は生まれて数日程しか経ってないし、少なからず精神もその若さに引っ張られているのかもしれない。



 ちなみにナーガに傷を入れることが出来れば【地獄の実践練習24時】は終了するという。



 ちなみにナーガのステータスはこんな感じだった



-----------

名前:神蛇ナーガ

種族:三又蛇(トリプルヘッドスネーク)

Lv252

体力:124000/124000

魔力:8000/8000

物攻:53800

物防:88000

魔攻:26800

速度:10200

精神:16200

スキル

魔法:闇魔法Lv9

武術:爪牙術LvMAX

特殊:鑑定眼[体・スキル]LvMAX

魔眼[石化・呪]Lv9

エクストラスキル

ティーンブレス(火・毒・雷)

称号

崇められし者 玉の主[青] 多重人格

-----------



 既にレベルの桁が違う。


 てことであの日以来俺の目標はあの蛇を倒すことになった訳だ。

 ただし【地獄の実践練習24時】のラスト1時間で。

 きつくね?消耗した状態であいつと戦うの?ステータスの桁が違うよ?桁が。




 初めて遭遇してから3ヶ月ぐらいは、放たれる殺気によってろくに近づけも出来なかった。



 それをレベルを上げたり、自分からも殺気を放つことで何とか相殺したものの、次は傷すら付けれないという有様である。

 ダメージを与えれないままさらに2ヶ月経っていた。




 そして今日も、生死を分けた戦いの真っ最中である




「SHURARARARARAAAAAAAAAA!!!!」



 3つの顔それぞれから異なる種類のブレスが吐かれる。


 火・毒・雷の順に避けるが、後方でファイヤブレスがポイズンブレスに引火し爆発を起こした。



「う゛っ!」



 俺は後方からの爆風によって吹き飛ばされ崖に叩きつけられる。クリスタルボディによって衝突する部位を保護していたが衝撃を吸収しきれなかった様で変な声が出てしまった。



「くっそ4重でも無理か!」



 実は戦闘が開始してからブレスを避けている間まで4回程爪牙術による重複斬撃を放っていた。


 何十回にも渡る試行錯誤の結果、重複攻撃が最も相手の装甲を破壊する可能性が高いと判断したからだ。




 しかし、重複攻撃を成功させるには全ての攻撃が全く同じ位置に全く同じタイミングでなくてはならない。

 人族の剣術の達人でも2重複が出来るかどうか、という程の難易度である。



 今の俺では確実に成功させられるのは4重までである。それを同じ箇所に4回ほどあてているが、ナーガの鱗にはヒビ1つ入らない。



「どうするか…なっ!!」



 俺が次の手を考えたその隙を狙い、魔物は衝撃波を撃ち込む。間一髪直撃は避けることに成功するが、尻尾の先を掠めてしまった。


 掠めただけにも関わらず体を覆うクリスタルに亀裂が入る。



「ほんと、桁外れな威力だ…」



 何故か1番厄介であろう魔眼を使ってこないのは幸いだが、ただの攻撃でも回避が難しい上に高威力。ステータスの暴力だな。



 1発でダメでも何回も撃ち込めばビビぐらい入るだろうと思っていたが、これじゃ埒が明かない


 とは言っても、今のステータスじゃ攻撃モーションににかかる時間を考慮すると4重以上は物理的に間に合わないんだよな…



 次の策を考えながら魔物の攻撃を躱していく。戦闘を始めてから1時間ほど経った頃だ



「SHRARAAAAAAAA!!」



 自分の攻撃を躱し続けるため痺れを切らしたのか、蛇の魔物は3つの頭を円状にすると俺に照準を合わせ、ブレスをためる。


 それは幾度も戦ってきた俺すら見たことのない程長いためであったため、より一層警戒を高める。




 これは不味いな。恐らく避けきれない。


 かつてないほどの危機にも関わらず、俺の頭は冷静に考えていた。



 何とかしてブレスを止めるか方向を逸らすしかない。


 そのためにはやはりダメージを入れて怯ませる必要があるが、体術系ではどうしてもこれ以上インターバルは縮めれない……



 考えろ、考えろ。今出来る最善策を




 インターバルを縮める以外の改良策は…


 まてよ?

 "体術系"ならインターバルが必要だ。

 なら、インターバルの要らない魔法系だったら?




 可能か?確かに魔法ならインターバルはないが、そもそも同時に魔法を短時間で大量に発動するなんて自殺行為だ。


 いや、そんなことを言っていられる場合じゃないんだった。




 幸い魔力なら腐るほどあるんだ


 やるしか…ない!




「うおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」




今、自分が撃てる限りの魔法を!!


【ファイヤストーム】【ファイヤランス】【ヘルファイヤ】……!



遅い、これでは間に合わない!もっと早く!!



--スキル:並行思考を獲得しました--



【アイスストーム】【アイスランス】【ヘルアイス】【ウィンドストーム】【ウィンドランス】【ヘルウィンド】【ウォーターストーム】【ウォーターランス】【ヘルウォーター】【プラズマストーム】【プラズマランス】【ヘルボルト】【グランドストーム】【グランドランス】【ヘルアース】………!!



「ぐっっ!」



 頭が焼けるように痛い…!


 だが、まだ、まだだ。こいつを止めるためにはまだ足りない…!

 もっと多く!もっと強力な魔法を!




--称号《限界を超えるもの》を獲得しました--




 発動した数十、数百を超える魔法は徐々に融合していき輝き始める



「GRAAA?!」



--称号《魔を極めし者》を獲得しました--


--称号《究極魔法をつくりし者》を獲得しました--


--称号獲得ボーナスが発生します--


--スキル:究極魔法を獲得しました--


--スキル:火・風・水・土・雷・光・闇・無魔法のレベルが上限に達しましたので統合します--


--スキル:八色魔法Lv5を獲得しました--


--称号《魔を極めし者》を獲得したので、"玉"の獲得及び"魔の先"を進む権利が与えられます--




…………いろいろツッコミたい所だが、今はこれを使うしかない!!



 輝きはいっそう強くなり遂に全ての魔法がひとつになった。



 狙いは中央の頭にある青い玉!




「究極魔法!!!【破壊の光(ラヴェイジングライト)】!!」





 刹那、光が魔物へと放たれる





「いっけええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」













 魔物は冷静に考えた。


 この光は自身の命を脅かしうるものだ。全力でいかなければ自らの足を掬われてしまう。


 魔物はそう悟ると即座にブレスの照準をその光へと変更し、発射した。



 元々放つつもりであった()()()魔力を込めて











 衝突する力と力



 それは周辺の空間を歪めながら、無慈悲の森中に音を轟かせた。



 獲物を追うものも、群れの中で頂点に立つものも、常に捕食者として君臨してきたものすらも。

 この無慈悲の森の全ての生き物が動きを止め、そして、身を竦めた。



 そう、彼らは一瞬にして被食者となったのだ。




 絶対的な力によって




 僅か数秒後。決着がついた。





















 

 ある者がいた。痛みすら感じない体で己が信じた道を歩み続けていた。

 それが最善であることを願いながら、押し潰されそうな心を閉じながら。


 その者は歩き続ける。繋ぎ止めるためのものが無くなるまで。



 1つの例外はその者の未来を少しだけ、変えた。


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