表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/39

5 返答なし

 龍現目掛けて風が吹き付ける。

 龍現は金色の瞳を思わず閉じた。風が過ぎ去るのを待って龍現が目を開けたときには神の気配、つまりはスイの気配は完全に消えていた。

 随分と気ままな神様なことだ、と龍現は零した。

 龍現は常日頃、神主見習いとして和花の社で働いている。その時からちょいちょい、水読尊と呼ばれる村の土地神の気配を感じていたのだ。

 境内の池の近くだったり、社の屋根の上だったり。

 それが今日、唐突に掻き消えた。何かあったのかと思えば、今度は和花に寄り添うようにして帰ってきた。

 龍現は正直、関わりたくないと思った。

 和花が昔、神を視ていた子だと知っていたし、その力が不意に戻ってくることもあるのだろう、とも思った。

 久しぶりの邂逅を邪魔するほど、野暮な男にはなりたくなかった。

 だが。

 泣かすのは駄目だ。龍現は一人で思う。

 和花は龍現の妹にとても良く似ている。そのせいか、時折過保護になってしまうのだが、龍現自身はそれに気が付いてはいない。

 とにかく、そういう理由で、龍現はスイに釘を刺したのだった。

 スイが龍現の言葉をまともに聞き入れてくれたかどうかは龍現には確かめる術が無いが。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ