クリスマス、後輩と。
クリスマスなのでどうでしょう?若干、クリスマス関係なさそうになっている
あらすじにもあるように
「クリスマス、センパイと。」はこの作品の後輩視点で書いてあります
ぜひ読んでください
クリスマス、後輩と。
「こんなクリスマスまで部活だなんて…」
まぁ、部活といっても文芸部だし。
それに家に居ても1人だから、まだ部活の方が気が楽だ。
「私とじゃ、嫌なんですか?センパイ」
この文芸部はこの一年下の後輩と俺の2人だけだ。
「嫌じゃないよ」
そういって、俺は微笑む。
「そ…そうですか」
「どした?」
「別に!」
後輩はそう言うとそっぽを向いた。
「それにしても、寒いなぁ」
「そうですね」
俺らの吐く白い息は冬を感じさせられる。
すると、俺の目の前に座っていた後輩は立ち上がり俺の横の席に座ってきた。
「この方があったかくないですか?」
後輩は上目遣いで訊いてくる。
可愛すぎだろ!
俺はすぐに目を背ける。
温かいというより暑い。主に顔が。
「どうしたんですか?」
「いや、大丈夫」
一旦呼吸を整える。
「それよりもお前大丈夫なのか?」
「何がですか?」
「今日は予定ないのか?クリスマスなんだし」
「ありませんよ。それに…」
その後の言葉はごにょごにょと聞こえなくなった。
「それに?」
俺は聞き返した。
「なんでも…ありません」
「そうか…」
「それでも、一緒に過ごしたい人とかいるのか?」
俺はつい訊いてしまった。
これで全く知らない男子の名前出てきたらショックだな…。
割と立ち直れないかもしれない。
「……バカ」
「え?」
「そんな人いませんよーだ!」
急に後輩が声を大きくした。
その言葉にホッとする俺がいた。
最悪だな…。
「ねぇ、センパイは誰か一緒にいたい人っているんですか?」
「えっ…あぁ、まぁな」
「そうですか、ならその子のところ行ってあげたらどうですか?」
「いや、でもその子とはまだ何もないから」
本当に何もない。ただの先輩と後輩。
それ以上でもそれ以下でもない。
俺が卒業したら彼女との関係も終わるのだ。
「何もないですか…」
「どうして、君が俯くの?」
「乙女心は複雑なんですよ」
「そうなの…?」
「センパイは本当に乙女心がわからないんですね、勉強した方がいいですよ」
「はは…」
後輩にここまで言われると結構傷つくもんなんだよな。
「だから、私が教えてあげましょうか?」
「え!?」
急に後輩は体を近づけてくる。
「もう限界ですよ。いいこと教えてあげます」
急に後輩が色っぽく見える。それも体が近くて、囁き声でも聞こえてしまうからかもしれない。
「私、センパイのこと好きなんです」
後輩が色っぽく、可愛らしい声で俺に囁く。
「俺は…」
俺は後輩に言葉を返した。
その言葉を聞くと後輩はポロポロ涙をこぼし出した。
「ごめんな。」
一年が経ち、再びクリスマスの日がやってきた。
そして、俺は去年と同じく部室にいる。
去年と同じく、後輩と2人きりで。
一つだけ、去年と違う点がある。
それは、後輩が俺の大切な彼女だということだ。
大好きで愛おしくて大切でずっと守ってあげたいこの世界で1番の女の子ということ。それは去年のクリスマスにはなかったものだ。
「センパイ、あれから一年ですね」
「そうだな、あの時は急に泣くから驚いたんだぞ」
本当に驚いた。俺はあの時、後輩の返事に俺も好きと自分の気持ちを伝えた。
すると、後輩は涙をこぼしたのだ。
「だって、嬉しかったんですよ。私の願いが叶って」
「いい子にしてたからサンタさんがくれたんだよ」
「馬鹿言わないでください。この鈍感センパイ!」
すると、後輩は頰を膨らます。
「だから、謝っただろ。気づいてやらなくてごめんって」
「それがいけないんですよ、謝らないでくださいよ」
「そ、そうなのか?」
「そうです!センパイはまだまだ乙女心がわかりませんね」
「あぁ、そうだな。だから、お前が教えてくれるんだろ?」
俺がそう訊くと、後輩は真っ赤になる。
「はい、教えてあげますよ」
「なんでそこまでしてくれるの?」
俺は少しイジワルをしてしまう。
「好きだからです」
「聞こえないよ」
嘘、聞こえてる。
「大好きだからです」
「ありがとう」
俺は微笑む。
「お返しです」
そう言うと、後輩は俺にキスをした。
急に顔が熱くなってきた。
「可愛いですね、センパイ」
すると、後輩は猫のように俺にすりつく。
俺は時計に目をやる。
「そろそろだ、行こうか」
「はい」
俺らはこの後クリスマスツリーを見ることになっている。
俺は今幸せだ。愛しい彼女とのこの時間が。この関係が永遠と続いて欲しい。
「なぁ、後輩」
「はい、センパイ」
俺と後輩は見つめ合い、微笑む。
「「大好きだ(です)」」
どうでしたか?
こんなことしてる人が今日いると思うと…
では、ぜひ後輩視点を←酷すぎる催促すみません
お幸せに