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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
冒険への足掛かり
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更なる秘密

 とりあえず2人からは名前も聞けた。

 そう言えばなぜ俺がこの2人を仲間にしようと決めたのは何も戦闘スキルが優秀だったからだけではない。



 2人共俺のタイプのど真ん中だったからだ。



 俺はいうところのゲイ、同性愛者である。


 好きなタイプは割と幅広い。

 年齢は下は18から上は60ぐらいまでだろうか。

 少年の様な可愛い感じも好きだし、男っぽいワイルドな感じも好きだ。

 明るく陽気な感じも好きだし、無口で無骨な感じも良い。

 体格は良い方が好きだが顔がタイプなら多少細くても大丈夫。



 そしてガイとブランはその俺のタイプの中でもほぼど真ん中だった。



 ブランの方はガッチリムッチリとした感じだが目が可愛いので印象的には可愛い寄りだ。

 ガイの方はどこか張り詰めた雰囲気を持っていて顔と相まってクールなカッコ良さがある。


 そんなタイプど真ん中の2人が奴隷として売られていたのなら絶対に買うだろう。

 いや、ね、スキルは考慮してるよ。ちゃんと戦えるんだろうなっとは思ったよ。

 でもやっぱり一緒に旅するんだったらタイプと旅したいと思うよね。

 よくファンタジーもので主人公がハーレム作ったりするのがあるけど、俺だって期待持てないけど夢見たりしてもいいじゃないか。

 夢は持つことが大事。

 だからあれだよ、一緒に旅をしてるうちにもしかしたら・・・なんて理由で2人を選んだのなんて、比率としたら2割・・・いや、5割・・・7割ぐらいしか思ってないんだよ。



 正直奴隷なんだから命令して無理やりってことは出来るだろう。しかし俺は信用できる仲間が欲しいんだ。

 命令して無理やり手籠めにされた人間なんて絶対に信用出来ないだろう。

 俺が欲しいのはそういう関係ではない。

 だから2人に無理やりどうのこうのっていうのは全く考えていない。



 まぁ2人が俺のことを好きになってくれたりしてとかは別だよ。

 そこはありがたく受け入れるよ。


 ブランの方は命令関係とか受け入れそうだけど。でもそれも何か違う気がする。

 恩があるとかじゃなくて俺自身を気に入ってもらいたい。



 2人とは知り合ったばかりだしこれからどうなるか分からないが良好な関係を結んでいけたらいいと心から願う。




 そんなことを考えていると大分間が開いてしまった。



「ガイさんとブランさんですね、よろしくお願いします。」



 そう言って俺は手を差し出す。



「ガイでいい。」



 ガイと握手を交わすとそう言ってきた。



「わしもブランと呼んで下され。」



 ブランの方も握手をするとそう言った。



「じゃあ俺もダイゴと呼んでください。」



「いや、勇者様を呼び捨てには出来ん。」



ブランが答えた。



「でも勇者ってことは他には知られたくないので別の呼び名がいいんですが。」



「じゃああるじと呼ばせてもらおう。」



 う~ん、仕方ないか。

 その内名前で呼んでもらえるようになるかもしれないし。俺はそれでと了承する。



「俺達に対して敬語は必要ない、俺も普通に話させても貰う。」



 ガイがそう提案する。



「わしはこんな話し方なんじゃが問題ありませんかの?」



 ブランが続いて聞いてくる。



「わかった、それで構わない。」



 俺は笑顔で答える。



「さて、一応挨拶も済んだしこれからの事を伝えたい。

 今日はこの宿に泊まって明日冒険者ギルドに登録しに行こうと思う。それ以外に2人の装備も揃えたいから買い物へも行く。

 冒険者登録が終わったら依頼をこなす。ちょっと確かめたいことがあるんだ。ある程度目途が経ったらこの国を出て旅をしようと思う。

 俺自身の目でこの世界を色々と見て回りたい。

 そういう予定をしているが問題ないか?」



 俺がそう言うと2人に異論はないようで頷き返してくれた。



「じゃあ少し早いけど今日はゆっくりする為に飯でも食べに行くか?

 でもその前に身体を綺麗にしておこうか。」



 俺はそう促した。



 そう、イベントだよ、イベント。

 この宿には風呂なんてものはない。

 身体を綺麗にすると言ってもお湯で濡らした布で体を拭いたりする位しかない。しかし身体を拭くのであれば当然服は脱がないといけない。

 そして部屋は当然一部屋、この場で行うしかない。


 俺得イベント開催だ。


 いや、あれですよ奥さん。

 地下の牢屋みたいなとこにいた2人の体は少し汚れている様子だし、これからご飯食べに行って他の人から奇異な目で見られると嫌な気持ちになるかもしれないからだよ。

 他意はない(はず)、そう2人の為なんだ(と思う)。

 それに俺の活力は大いに上がること間違いなし。



「さっそく下に行ってお湯を貰ってこようか。」



 少し鼻息を荒くして俺は2人に同意を求める。



「しかし主は【生活魔術デイリーマジック】が使えるんじゃないかの?」



 ぐふっ。

 ブランからカウンターが飛んできた。



 そうこの世界には【生活魔術デイリーマジック】と言う魔法が存在する。

 他の魔法に比べて格段に消費MPが少なく、習得しやすい。

しかし出来ることは水を浄化して飲み水にしたり、小さな明かりを作ったりあまり大したことはできない。

 でもその中に身体を清潔にする【浄化クリーン】と言う魔法がある。

 この魔法を使うと体や服の汚れを取り綺麗にしてくれるものだ。どういう理屈かは分からないが旅をする冒険者には使える人間が多いと聞いた。

 ブランも冒険者をやっていたからその魔法があるのを知っているんだろう。


 当然スキルを付け替えれば俺にも生活魔術は使える。

 しかしそうなるとイベントが・・・俺の大事なイベントが。

 嘘はつけないし仕方がない。

 ダメージは大きいが何とか乗り切る。



「そう言えばそんな魔法あったな。この世界にきて間もないから気づかなかったよ。」



 俺はそう言って泣く泣く上級治療術のスキルを生活魔術のスキルに付け替えた。



「【浄化クリーン】」



 俺がそう唱えると柔らかな風がガイとブランを包んだ。風が収まると2人の髪や肌は綺麗になっていた。

 便利だなこの魔法。


 しかしイベントを叩き潰された俺は絶対にこの世界で温泉を見付けようと心に誓ったのだった。


ここら辺から主人公のエンジンがかかってきます。

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