開墾
「いや、まぁ色々とお話ししましたが俺の考えやどうやって商会をやっていこうと思ってるかは大体こんな感じです。」
俺はとりあえず話をまとめようと言った。
「そうですね、色々と興味深い話が聞けました。これからが一層楽しみになってきます。」
ケビンさんが笑顔でそう言ってくれた。
「私もです。確かにこれからどんなことになるか楽しみでしょうがありませんね。」
ヒューイさんも笑顔だ。
「そうだな。なんかギルドマスター辞めて俺も旅に出たくなったな。」
ロイドさんそれはまずいでしょう。
「ただまぁまだまだ細かい話をしていかないといけないと思います。生産ラインをどうするかとか、行商隊の人をどう募集してどう鍛えるとか。
それでとりあえず今回集まって頂いたのは街の外に畑を作ろうと思ってその許可を貰おうと思ったんです。」
「そう言えばそうでしたね。でも昨日言ったように、この辺の土地は自由にして頂いていいと思います。私達3人は異を唱えたりしないでしょう。」
ケビンさんがそう言ってくれる。他の二人も頷いていた。
「費用なども、もしかして色々なスキルを使えるから問題ないとおっしゃったんですか?」
ヒューイさんが聞いてきた。
「そうですね、そのつもりです。魔法で作ってしまおうかと思ってます。
でも一応問題ないか見て貰った方が良いかと思ったんです。」
「具体的にはどう言う感じになるんでしょうか?」
「土魔法でドーンと壁を作ってから中を人形を作って開墾しようかと考えてます。」
「えっと、それだけでは何とも分かり辛いですね。」
「そうなんです、俺の中のイメージをそのまま魔法で再現するので言葉で説明するのが難しいんです、すいません。」
「いえ、でしたらやっぱり私達もその場に行って見せて貰った方が良さそうですね。今から向かいますか?」
「そうですね、可能であればお付き合い頂きたいと思います。」
ヒューイさんの言葉にケビンさんとロイドさんも同意してくれた。
じゃあさっそくという事でこの場にいる全員で街の外に出ることにした。
しかし街中を歩いていると物凄く注目された。まぁこの街の長である3人が一緒に歩いてるんだから何事かと思うよな。
俺達は驚く門番の人を後にして街の外に出て西側に回った。街の西側の方が木が少なく、平坦な地面が広がっているので畑として作りやすいかと思ったんだ。
街から少し離れたところまで歩いてきた。
「じゃあちょっと壁を作りますね。」
それはそう言って集中した。【索敵】で確認して近くに人やモンスターの気配はない、そのまま【探索】に切り替えて周りの木の生え方なんかも確認する。その間にも俺は体の中で魔力を練り上げている。確認も終わったし、やるか。
「【岩の城壁】」
俺が唱えると俺達がいる少し向こう側の土が盛り上がる。それから盛り上がった土が地響きを立てて高くなっていく。見ているうちに土の壁の高さはどんどん高くなり最終的に10mぐらいの高さになる。高さが止まると土の壁に見えていたものが硬質化していき、岩の様になった。
俺のオリジナル魔法で【土の壁】の上位版みたいな感じだ。土を魔力で圧縮して硬質化している為防御力がかなり上がる。それを俺達の周り1kmぐらいを3mの厚さでぐるっと囲むように作ってみた。これだったら魔物でもそうそう入ってこれないだろう。しかしホントは国境にあった岩の壁みたいなのを作りたかったんだけどな。ずっと魔力を帯びさせるとかのやり方が分からないんだよな~。俺もまだまだ勉強が足りない。
ふとケビンさん達を見ると口をあんぐりと開けて止まっていた。
何となく予想はしていたよ。普通はこんなこと出来ないもんな。でもまだまだやることがあるから放置しておこう。
「ブラン、人形作って壁の中の木を抜いてどっか一か所に集める様に命令してくれ。」
「あい、分かった。」
ブランにそう言って俺も岩の人形を十数体作る。
「この岩の壁の中を全部畑にするんだ。」
岩の人形に命令する。俺の岩の人形はある程度自分の意志で考える様に作った。俺の考えを反映してここを掘り起こしたりしていくだろう。今回の岩の人形の手はクワのような形をしたやつもいる。
ドカドカと人形達が動き出した。
「えっとこれで任せておけば明日くらいには種を植えて育てていけるとは思います。」
放置しておいたケビンさん達に向き直ってそう言った。
「いや~、一応いろんなスキルを使えるから凄いことになるんだろうなとは予想していたんですが、その予想を大きく上回りましたよ。」
「勇者ってこんなことが出来るんですね。」
ケビンさんとヒューイさんにそんなことを言われた。
「どうでしょうね、他の勇者は別の特別なスキルを持ってみたいなのでこんな感じじゃないかもしれません。」
「ともかく、これなら直ぐにでも商売になりそうですね。」
「種を植えても育つまでには一月かかりますからね。その間に行商隊の人を鍛えるとかをしないといけませんね。」
「そうですね、まずは人員の確保も必要ですね。」
「えぇ、木を育てるくらいまでなら、人形でも何とかなりますけど収穫だったりは不向きですから。」
「なるほど、ではまた街に戻って色々と相談をしましょうか。」
俺は頷き、みんなで話し合いをする為に街に戻ることにした。
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