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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
【商業国家 エルバドス】編
75/237

新しい契約

「え~っとですね、それを説明するのに私の事を少しお話した方がいいと思うんです。

 ただ色々な事情がありまして、出来ればここだけの話にしておいて欲しいんです。

 それを了承して頂けるんであればお話しします。いかがでしょう?」


「えぇ、商人は信用第一でやってますから、私はお約束します。」



 ケビンさんが答えてくれた。



「私も商業ギルドのマスターとしてお約束しましょう。」

 


 ヒューイさんもそう言ってくれた。



「俺もだ。どうやるのかが気になってるだけで他の事は別に気にしねぇし。

 それにお前にはなんかあると思ってるしな。普通じゃねぇってな。だから言ったりしねぇよ。

 後わざわざ丁寧に話さなくてもいいぞ。俺達は別に気にしないからな、なぁ。」



 ロイドさんがそう言うとケビンさんもヒューイさんも頷いた。



「ありがとうございます。じゃあ普通に話しますね。

 まず俺の事なんですが、俺実は勇者なんです。」



「はぁ?勇者ってあの伝説とかになってる?」



 ケビンさんがそう言う。



「そう言えば、グラントの国でついこの間召喚されたんでしたっけ?」



 ヒューイさんも聞いてくる。

 しかし二人共驚いたりしないな。やっぱり勇者って言っても皆驚かないもんなんだ。



「伝説どうかは他の世界から来たので知らないんです。

 先日3人の勇者がグラントに召喚され、その内の1人が俺なんです。」


「なんだ、グラントの国に言われてこの国に潜り込んだのか?」



 ロイドさんが疑いの目をして言う。



「いや、そうじゃないんです。なんというか、グラントの国王が気に入らなかったので国から逃げ出したんです。なんかあそこにいると道具の様に扱われるので、それが嫌で城では勇者ではないことにしてました。そして城を出て冒険者になってこの国まで逃げてきたって感じですね。」



 俺の言葉に3人共ふ~んと言った感じで聞いてる。



「それで勇者だからどうだっていうんだ?」



 ロイドさんが聞いてくる。



「俺は勇者なんでこの世界にあるほとんどのスキルを使うことが出来るんです。」



「「「何!?」」」



 俺の言葉に3人が立ち上がって驚いた。あれ?やっぱりこっちの方が驚く事なの?



「だから結構強かったりするんです。後他の人を育てるっていうのも色々とスキルや称号を組み合わせて使うと普通に鍛えるより簡単に強くなれるんです。」



「そうか、あの植物は色々なスキルを使えるから作れたんですね?」



 ケビンさんが合点がいったようで、納得した顔をして聞いてきた。



「そうですね、かなりの数のスキルを使いました。だから多分他の人には作れないと思います。」



「それで結局どうやって簡単に鍛えられるようになるっていうんだ?」



 ロイドさんが聞いてくる。その事がどうしても早く聞きたいんだろう。



「色んなスキルを使って試していて気付いたんですけど、【刻印術(ルールメイカー)】のスキルを使って【師弟】と言う契約を結ぶんです。」



「【師弟】ですか?私の所にも売買の契約などをする為に刻印師はいますが、そんな契約は聞いたことがありませんね。」



 ヒューイさんがそう言った。商業ギルドには刻印師がいるんだ。



「もしかすれば俺が勝手に作ったのかもしれません。」


「作る?そんなことが可能なんですか?」


「そうですね、俺はスキルでオリジナルの魔法を作ったりもできるので、多分その応用で新しい契約を作ったのかもしれません。」


「そんな事よりもだ、その【師弟】と言う契約を結べばいいんだな?」


「いや、その契約にも色々と細かいルールがあるんです。順番に説明していきます。」


「まず、師匠になる人とその弟子になる人で【師弟】と言う契約を結びます。

 契約する内容は師匠は弟子に好きに命令が出来ます。弟子は命令を聞かなければいけません、もしその命令を守らなければ師匠から教わったことは全てなかったことになります。」


「なかったことになる?」


「えぇ、師匠は自分の持ってるスキルの中で一番得意とするものを弟子に教えます。そして弟子はそのスキルを習得し、レベルを上げていきます。例えば剣術のスキルが得意な師匠だったらその剣術を弟子に教えます。弟子は教わった事をかなりのスピードで習得できます。ただもし師匠の命令を破れば折角教わって剣術のスキルのレベルが上がっていても教わる前のレベルに戻ったり、師匠に教わって習得したのであれば剣術のスキル自体が無くなります。」


「そんなことが・・・。」


「師匠が得意なものは別に戦闘スキルに限ったものではないので、勉強や商売に役立つスキルも教えることが出来ます。そのスキルレベルを簡単に引き上げます。」


「しかしえらく理不尽な契約じゃないのか?師匠の命令を聞かないといけないっていうのと、聞かなければそれまでやったことが無駄になるなんて。」


「それはそうなんですけどね。

 ただ弟子が納得できなければ弟子側から契約は破棄できるんで付いていけないと思ったら契約を解除したらいいと思います。弟子から契約を解除したらその瞬間に教えて貰ったことがなかったことになっちゃいますけど。

 無駄になるっていうのはどうやっても仕方がないんですよね。

 【刻印術(ルールメイカー)】で契約を作る時ってある程度のリスクを負わないと、その契約に強い効果が出ないんです。もっと軽い感じの「命令を聞かないとスキルを憶えにくくなる」とかの契約内容にしてしまうと普通に教えて貰ってるのと同じぐらいの効果しかないんです。世間では多分こうした契約をしないで師匠と弟子みたいな関係の人はいるかと思いますけど、その関係ぐらいの効果しかないんじゃないでしょうか。わざわざ契約と言う形にしなくてもいいんじゃないのかって話です。

 

 後他にも注意するところがあります。

 まず師匠になる人は教えるスキルのレベルが高ければ高い程弟子側は早く習得し、レベルも高くなっていきます。スキルの低いレベルの人が師匠になってもほとんど意味はありません。

 それから師匠の教え方によっても弟子の成長の仕方が変わります。ちゃんと教えれる人なら問題ないんですけど、教えるのが下手な場合は弟子の成長は遅くなります。


 だから高いスキルレベルを持った教え方の上手い人が師匠になって弟子を鍛えると、一月の間で魔獣を倒せるくらいまで強くなれるってことです。」



 と俺は説明した。

 今回の【師弟】の契約についてだが、これも旅の間に研究して気が付いたんだ。

 奴隷契約以外で他の人を強く出来ないかなっていうのを考えていた。強くなるために奴隷契約をしようって話をするのが元々気が進まないからな。

 そこで色々と考えた、奴隷契約をしたら(あるじ)から奴隷にスキルの恩恵が行くようになる、それは【刻印術(ルールメイカー)】のスキルを使って契約を結んでいるからだ。という事は他の何かしらの契約でも同じようにスキルの恩恵とかを与えることが出来るんじゃないかと考えたんだ。

 人を鍛える、強くする、スキルを育てるという言葉を考えて一番最初に浮かんだのが師弟関係だった。師匠が弟子に技を伝授するイメージが沸いたのでその線で契約を作ることにしてみた。この世界でのスキルや魔法ってイメージが一番大事だ。頭に思い描いたことを現実に具現化してるみたいなものだから、俺がそう思いついてやろうと思ったことをそのまました方が成功しやすい。

 それで【刻印術(ルールメイカー)】で師弟の契約をガイと作って一緒にどういう契約になったかを試したりした。一旦奴隷の契約を外して師弟の契約だけを付けて【徒手空拳】と言うスキルを試してみた。俺がレベル10のを付けて組手をしたりしてどれくらいレベルが上がるかなどを確認した。ガイは【スキル習得度アップ LV.4】を持ってるから普通の人と一緒とは言えなかったが、師弟の契約だけつけたり、外したり、奴隷の契約を付けて試ししてみたりと色々やってみた。すると師弟契約の方が奴隷契約よりもスキルを習得しやすいみたいだった。それが分かった時にはちょっとびっくりしたけど。だったら師弟契約の方がいいじゃないかと思ったけども色々と劣る点もあった。

 まず一人の師匠に対して基本的には一つのスキルしか対応していない。剣術の師匠と弟子の関係とか、土魔法の師匠と弟子の関係とかを契約を作る時に決めないと契約が出来なかった。奴隷契約はそう言うのが一切ないので俺が使っているスキルであれば、どのスキルでもいくつでも同時に習得できる。

 後はそれに付随してだが、師匠が教えることが出来るスキルしか師弟関係になれない。【スキル習得度アップ】なんかのスキルはどうやって教えたらいいかが分からないし、教えられた方もどう理解したらいいかわからないので師弟関係の契約は出来ない。奴隷契約の方はそう言ったスキルは自動的に憶える様なので問題ない。

 師弟の契約は一点重視って感じの契約だ。一つの事だけ鍛えるのであれば奴隷の契約より適してる。

お読み頂きありがとうございます。

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