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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
いざ世界へ
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タイガーキングクラブ

久し振りの戦闘?です

 さて依頼を受けて俺達はギルドの一階でギルドカードの更新をして貰った。

 それからギルドの外に出てどうしようか少し話をした。



「さて、どうしようか。とっとと討伐に行く?」



 何となく答えはわかっていたがガイとブランに聞いてみる。



「任せる。」

「うむ、わしらはいつでも大丈夫じゃよ。」



 二人は当然の様に答える。

 どうしようかな、今から行って昼飯に戻ってこれるだろうか?

 それとも買い物をとかをしてから昼めし食って討伐に向かった方がいいのか。悩むところだ。



「いやいやいや、兄貴それはないでしょ!」



 どうしようか悩んでいたらキースが声を上げた。そう言えばいたな。



「Cランクの魔獣っすよ、【タイガーキングクラブ】っすよ。俺達四人じゃ勝ち目ないっすよ。」



 キースはそう言う。

 4人ってキースも一緒に行くつもりか?

 キースは今のところまだ俺達のパーティには入っていないことになっている。だからこの依頼は受けていない。ギルドカードに依頼と登録があるのは俺達3人だけだ。



「キースも行くつもりなの?依頼を受けたのは俺達だけだよ。危険だと思ってるなら一緒に来ない方がいいよ。」


「兄貴そんな~。俺だって一緒に行きたいっす。俺が少しは信用出来るやつなんだって思ってもらいたいっす。」



 でもな~、正直キースが一緒に行ってもとても戦闘の役に立つとは思えない。



「キースってギルドランクは何?」


「Dっす。」



 Dか~、ランクEの俺が言うなって思われるかもしれないけど。

 【鑑定眼(アナライズ・アイ)】を使って改めてキースのステータスを見る。



名前:キース・ブルーマン

年齢:31

種族:人族

性別:男

レベル:27

HP:482/482

MP:56/56

STR:284

INT:243

AGI:267

DEX:387


スキル:

倉庫持ち(アイテムボックス)(最小)】

【短剣術 LV.3】

【投擲 LV.3】

【体術 LV.2】

【気配察知 LV.1】

【馬術 LV.2】

【逃げ足】

【挑発 LV.3】



 なんだよね。

 それなりにレベルは高い。

 そう言えば俺達が相手にした野盗を1人で懲らしめたんだったっけ。それなりの強さは持ってるってことだよな。だからと言ってCランクの魔獣と戦えるかというと無理だろうな。一撃くらって死ぬってこともあり得る。



「はっきり言うね。俺達3人でこの依頼は達成できると思ってる。

 キースは危険だと思うならついてこない方がいい。一緒に来ないからって、それで俺はキースを信用できる出来ないとは判断したりしない。」



 わざわざキースの身を危険にさらすことはない。

 キースには俺達の実力は伝えてないし、出来れば一緒にきて欲しくなかったんだ。



「いや、俺は兄貴のことを信じてるっす。兄貴が倒せるっていうんだったら信じます。

 だから俺も一緒に行きます。」



 う~ん、ついてくるなって言えばよかったかな。

 でもまた勝手に付いていきますとか言われても同じことだしな。

 1人戦えなくても何とかなるだろうとこの時は思ってた。

 ただそれが後で失敗だったと思った。


 結局俺達はそのまま街を出て【タイガーキングクラブ】を探しに出ることにした。



---------------------



 街を出てから北に進む。

 ギルドで聞いた情報では街の北にある川の付近でよく姿がみられたという事だった。



「北の川の方に行ってみようか。」



 俺はそう言って先導する。

 【索敵(レーダ―)】を使ってるから【タイガーキングクラブ】の居場所はとっくの昔にわかってる。でもキースが一緒だからこっちだとか言ってその場所までスタスタ行けない。

 一応探しているフリをしながら【タイガーキングクラブ】一直線に向かった。


 街から離れ結構進むと大き目の川が見えてきた。

 平野部にある川で周りは草原で川幅は20mくらいだろうか。

 おっ、なんか動いてるのがいる。

 もう少し近づいてみると川原にでっかいカニがいた。

 ひし形の様な体をしてそこから左右合わせて10本の足が生えてる。体の上にはかなり大きな2本のハサミがあった。甲羅は黄色と黒が入り混じった色をして所々からトゲを生やしている。

 大きさを見ると離れているからちょっと分かりにくいが周りの物と対比して7mくらいはあるんじゃないかと思った。

 今は何か食べてるのか大きな2つのハサミを器用に動かし、地面と口を往復させている。



 見付けたは見付けたんだけどどうしようかな。

 ここは平野部で周りには障害物はない。身を隠す様な物が一切ないんだ。

 普通だったら森とか山で罠を仕掛けながら戦うよな。

 ここでもし戦闘になったらガチで戦うしかない。

 幸いにも周りに人の気配はない。巻き込んだり、戦ってるところを見られることはないだろう。

 しかし問題もある。キースだ。

 俺達の戦い方をどこまで見せていいのかを考えてしまう。

 全力を出したら多分簡単に倒せる。しかしどう考えてもEやCランクの冒険者じゃないことはバレるだろう。まだ俺はキースの事信じてないしな~。

 そんなことを考えてキースの顔を見るとキースは青い顔をしていた。いきなりホントに【タイガーキングクラブ】が見付かるとは思ってなかったのかもしれない。

 ガイとブランの方を見ると俺と同じような顔をしてキースを見ていた。二人も考えることは同じか。


 ふと【タイガーキングクラブ】の方を見ると目が合ったように感じた。

 気付かれた?結構距離があるから大丈夫かと思ってたけど周りには遮蔽物もないからな。

 俺達がどうするか決めていないまま戦闘になりそうだ。

 いや、それとも一度引いて逃げるべきか。

 そんなことを考えていると【タイガーキングクラブ】が凄い勢いで俺達の方に向かってきた。

 結構速い。

 俺達だけなら逃げ切れるけどキースは多分無理だろう。

 しょうがない戦うしかないかと思った。



「俺が時間を稼ぐんで、兄貴たちはその隙に逃げて下さい。」



 何を思ったかキースがそう言いながら【タイガーキングクラブ】へ向かって走った。

 俺達がキースの顔を複雑そうな顔で見てたのを「お前、囮になれよ」とでも思ってると考えたのか。


 俺達が呆気に取られてる間にキースと【タイガーキングクラブ】は距離を詰めていた。

 キースは懐からナイフを出し【タイガーキングクラブ】へ投げつける。しかしそんな物が通じる訳がなく硬い甲羅に当たり弾かれ地に落ちる。それからキースは俺達とは違う方向に走り出した。さっきのナイフは【タイガーキングクラブ】の気を引くために投げただけの様だった。


 俺達も思い出したかの様にその場から走り出す。

 本気を出せばすぐにでも【タイガーキングクラブ】を追い越してキースの横にでも行けるだろう。

 ただ頭のどこかでそれをしたらキースに実力がバレると思ってしまって行動に移せなかった。


 戦場では一瞬の躊躇(ちゅうちょ)が命取りになる。

 次に俺が見た光景は【タイガーキングクラブ】のハサミにキースが捕まえられるところだった。

 

 【タイガーキングクラブ】のハサミがキースの胴体を挟み、上に持ち上げる。

 キースが「がぁっ」と叫んだ瞬間に俺の中で何かが弾けた。



「【烈風の死神(ゲイル・デスサイス)】」



 俺がそう唱えると風の大きな刃がキースを挟んでいる【タイガーキングクラブ】のハサミを根元から切り落とした。風魔法の上位魔法だ、多少魔法に強かろうが関係ない。

 俺は足に全力を込めて跳ぶ。

 一瞬でまだハサミに囚われているキースの所へ辿り着く。

 そして俺は【タイガーキングクラブ】のハサミを両手で掴む。その瞬間にはスキルで力と手の防御力は上げれるだけ上げている。

 掴んだハサミを閉じてる方向とは逆に力任せに開く、バキッと音がしてハサミは折れ、キースの身体が解放される。

 キースを抱え地面に着地する。お姫様抱っこをしている状態だ。だが俺は体全身を強化しているので足も痛くないし重くだってない。そのまま走り出す。



「そいつは任せる。」



 俺はガイとブランに向けて大声を張り上げる。

 少しの距離を離しキースを地面に下ろした。


 キースの身体を見ると腹と背中のところが大きく切り裂かれていた。

 もう少しでも遅ければ胴体で真っ二つになっていたかもしれない。



「兄貴、すいません。大したお役に立てずに・・・。」


「何勝手なことしてんだ!」


「少しでも役に立てればと思ったんすけど。俺に構わず逃げて下さい。」



 怪我のせいで自分の置かれてる状況が分かってないのか?



「でももう少し早く兄貴と出会ってればもうちょっと長く一緒にいれたかな。

 そう思うと残念っす。」



 なに勝手に死亡フラグ立てようとしてるんだ?そんなの許すわけないだろ。

 フラグは俺が立てるんだよ。そんで俺が回収してハッピーエンドに行くんだ。



「【復活(リヴァイブ)】」



 俺が唱えると光の輪が出来てそこから光の粒が零れ落ち、キースのお腹と背中に集まる。



「俺ちょっとは兄貴に信用される男になったっすかね?

 最後に・・・、出来たら俺の事忘れないで欲しいっす。」



 痛みが無くなったからもう自分は死ぬのかと思ったのかキースがそんな事口にする。



「最後な訳ないだろ。ちゃんと治したさ。

 まさか命を懸けてまで俺達の役に立とうとするとは思わなかったよ。」



 そう言うとキースはキョトンとした顔をして自分の腹を見て触って傷がないことを確認した。



「これっていったい・・・。」


「何勝手な事やってるんだとは思ったけど、俺がもっとキースの事信用してどうやって戦うとかを伝えておけばよかった。そうしたらこんな傷を負うことはなかったはずだ。すまない。」


「こんな傷ってもうないみたいんだですけど?ってそう言えば戦いって、【タイガーキングクラブ】は?」



 キースにそう言われて俺達は【タイガーキングクラブ】の方に目を向けた。

 すると結構衝撃的な光景が繰り広げられていた。



 おそらくブランが作ったであろう大きい岩の人形(ロックゴーレム)に抑えつけらえている【タイガーキングクラブ】。大きさは優に10mくらいの大きさの岩の人形(ロックゴーレム)。形はアニメに出てくるロボットの様だ。人形(ゴーレム)の作り方を俺が教えたし、俺の人形(ゴーレム)の形をブランが気に入ってしまったせいだ。それが甲羅をガッチリ捕まえて【タイガーキングクラブ】を身動きできない様にしている。さっき後ろでおっきな音がするな~と思ったらこういう事か。俺が以前ブラッドグリズリーと戦った時のを参考にしてるんだろう。

 そしてその足元で剣を使ってスパスパと【タイガーキングクラブ】の足を斬っていくガイ。

 あれは多分【気功術】のスキルを使ってるな。そのスキルを使って剣を気で覆い切れ味を良くしている。ガイはもうほぼ【気功術】完璧に使えるようになっていてその気になれば斬撃を飛ばせるようになっている。俺はちょっと苦手で自分の身体は強化できたりするんだけど武器に気を纏わしたりすることが出来ない。相性の問題かなっと思うけど。

 ブランも斧で叩き折る様に【タイガーキングクラブ】の足をぶっ飛ばしていく。ブランも【気功術】で武器の強化は出来るようにはなっている。ただどちらかというと切れ味というよりは硬さ、丈夫さを上げる様に使ってるみたいだけど。

 そんな二人に掛かって【タイガーキングクラブ】は足を全部無くした。

 動く事も出来なくなった【タイガーキングクラブ】をブランの岩の人形(ロックゴーレム)がこれでもかとガンガン殴っていく。あの巨体だと数トンクラスのパンチなんだろうな。【タイガーキングクラブ】は成す術なく殴られ続け、甲羅がひび割れへしゃげ、最後には潰れた。




 終わったな、やっぱり余裕だったみたいだな。

 こうして俺達の【タイガーキングクラブ】の討伐は終わった。

お読み頂きありがとうございます。


2016/10/11 11:14 キースのスキルに【倉庫持ち(アイテムボックス)】を入れるのを忘れていたので追加しました。

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