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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
冒険への足掛かり
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成長の証

 とりあえず2人が疑問に思ったことは解決した。また旅の間に確認していけばいいだろう。しかし仲間も強く出来るってホントにチートだよな。まぁ奴隷契約を結んだ相手じゃないといけないから、この世界にきて普通にギルドで仲間を見付けていたらわからなかっただろう。最初にガイとブランに出会えてよかった。


 でも強くなるってことは俺も一緒に剣で戦ったりして行かないといけないってことか。なんか3人共前衛なんだけどな。こうなってくると後衛の弓とか魔法使う人が仲間に欲しい。

 あっ、でも奴隷契約を結ばないと意味ないのか。

 だったら無理だよな、魔法とか使える人間がなかなか奴隷になってることはほとんどない。有用なスキルだからどこでも活躍出来るからお金に困ってってこともないし、もし魔法を使って犯罪を犯すと奴隷にならずそのまま死刑になるのが殆どだ。武器持ってなくても普通に強いしな奴隷にしても反逆されそうだ。


 だから魔法使う、強い仲間を作るとなると



「僕と(奴隷)契約して、(最強の)魔法使いになってよ。」



 って声かけないといけないのか。

 無理だろ、それは。いきなりそんなこと言われて信用されるわけがない。

 銃で撃たれて殺される。

 しかし俺はひょっこり2人目、3人目のダイゴは現れたりしない。

 訳が分からないよ。


 駄目だ、頭の中が暴走している。自重しよう。



 とりあえずこの国から出て行くまで仲間を増やすつもりはない。行先も決まってるし、今から新しい人と関係を作っていくのも大変だ。しかしこの2人を強く出来るのか。しかも方向性を決めたりもできるんだよな、俺と一緒にスキルを鍛えていったらいいんだから。でもそれを決めるのは2人自身だろう。



「それでなんだけど、2人って強くなりたい?

 具体的には色んなスキルを憶えてそれをレベルアップさせたい?

 俺が一緒のスキルを使っていったら普通では考えられないくらいのスピードで習得できると思う。」



 2人の意志を確かめる。



「そう、だな。強くなりたいな。旅を続けることに必要な事だろうし、きっといつか自分の為になると思う。」



「わしは(あるじ)の役に立つ為ならいくらでもスキルを憶えて強くなりますぞ。」



「わかった。じゃあこれからはどんどんスキルを憶えて強くなっていこう。」



 そう3人で決めた。



---------------------



 3人で強くなると決めてからは毎日が大忙しだった。

 朝起きてからギルドに行って依頼を受ける。それから買い物をして街の外へ。

 旅の間に食べるご飯を作りながら訓練する。とりあえず先に持ってるスキルを伸ばそうという事でガイは剣術を、ブランは土魔法のスキルを俺と一緒に組手や訓練をした。そしてそのままモンスターを討伐する。すると2人のスキルのレベルは数日の間で跳ね上がっていった。

 しかしそうなると問題が出てくる。ギルドカードにはスキルの詳細が載ってしまう。Fランクの冒険者が数日で剣術レベルが10になってるとか絶対におかしいことに気付く。何とか誤魔化せないかなと思っていたら妙案が浮かんだので実行してみたら何とかなった。

 【偽装(イミテーション)】のスキルだ。俺は【奴隷の(あるじ)】の称号を持っている。その称号は俺が持ってるスキルの恩恵を2人にも与えることが出来る。だったら何とか2人にも少しぐらいは偽装出来ないかと思ったんだ。すると上手くいった、姿形とかを変えるのは無理だったがギルドカードのスキル表示ぐらいはいじることが出来た。これで心置きなくレベルが上がっても周りにバレることが無くなった。


 最初の街でレベルを上げまくって雑魚モンスターに奥義を放つくらいまで成長するとかどれだけのチートがないと出来ない所業なのか。こんなことしてるって他の冒険者が知ったら泣くな。

 だがこのスキルの上げ方は俺のチートを使って無理やり引き上げてるに過ぎない。本当であればスキルのレベルを上げるためには相当の努力と鍛錬、時間を使わないと出来ない事だ。その過程をすっ飛ばしてしまっているので技量だけ最高の物になっても地力がついて行ってないので100%の力は発揮できない。いくら剣の使い方だけが上手くなっても本当に強いとは言えないんだ。それは俺が最初の戦闘をした時に気付いた。結局はその後も鍛えないといけなんだけどね。

 それでも2人は剣や魔法が当たり前の世界で生きてきただけあって俺とは違い戦いに慣れている。

 同じスキルレベルで俺の方がステータスが高いはずなのに剣だけで戦うとガイには勝てなくなっていた。俺は自分が卑怯な強さを持ってるなとは思っていたがまだまだの様である。

 だからこんなスキルの上げ方をしても2人なら直ぐに100%の力を使えるようになるだろう。



 ブランの方は俺が斧とかの使い方があんまりわからなかったのと、できれば補助的なことが出来る様にと土魔法を重点的に上げてもらった。やることと言ったら一緒に土人形(ゴーレム)をいっぱい作ることだったんだけどね。2人でいっぱいダイゴJr.やブラン〇号を作った。ブランは飲み込みが早くどんどんスキルが上がって複雑な動きが出来る土人形も作れるようになった。

 ただ他の魔法も憶えてもらおうかと思ったんだが土魔法以外はほぼ使えなかった。ブランは【土精霊の加護】を持っていたし土魔法は特別なのかもしれない。後は人によってのスキルの相性もあるみたいだ。伸び率がいいスキルとそうでないスキルがあった。

 ブランも魔法を使うのなら【魔素吸収】のスキルを憶えてもらおうと思ったがなかなか上手くいかなかった。魔素っていうのがどういうものでこうやって身体の中に取り込んでとか伝えたがあまり理解していなかった。感覚的なスキルって伝えるのって難しいんだよな。

 

 2人のステータスがどうなったかというと



名前:ブラン

年齢:75

種族:ドワーフ族

性別:男

レベル:40

HP:840/840

MP:230/230

STR:678

INT:386

AGI:160

DEX:870


スキル:


【闘斧術 LV.5】

【闘槌術 LV.3】

【体術  LV.8】

【気功術 LV.6】

【鍛冶技術 LV.3】

【細工技術 LV.3】

【土魔法 LV.10】

【解体技術 LV.7】

【調理技術 LV.6】

【MP高速回復 LV.4】

【気配察知 LV.4】

【成長速度アップ LV.2】

【成長値アップ LV.2】

【スキル習得度アップ LV.2】

【剛健】

【剛力】



称号:

蛮勇 職人見習い 守護者 酒飲み 天然 土精霊の加護 奴隷 土魔術師 料理人 捌く者 土人形師(ゴーレムマスター) 



名前:ガイ・インフェリア

年齢:37

種族:人族

性別:男

レベル:35

HP:670/670

MP:122/122

STR:480

INT:380

AGI:311

DEX:489


スキル:

【剣術 LV.10】

【槍術 LV.7】

【体術 LV.10】

【気功術 LV.8】

【馬術 LV.4】

【軍隊指揮 LV.4】

【戦術指揮 LV.3】

【解体技術 LV.3】

【調理技術 LV.2】

【MP高速回復 LV.2】

【気配察知 LV.6】

【成長速度アップ LV.2】

【成長値アップ LV.2】

【スキル習得度アップ LV.2】

【騎士】

【鼓舞】



称号:

元近衛兵団団長 指揮官 頑固 馬鹿真面目 全てを失った者 奴隷 前を見据える者 剣王(ソードマスター)



 と短期間にここまで成長した。

 俺が常時付けたりしているスキルや睡眠学習で使ってるスキルは勝手に会得したみたいだ。


 俺は新たに【気功術】というスキルを教えた。この世界にも気を操るっていう技術があるのをスキルを見ていて気付いた。使い勝手が良さそうだし、前線で戦う2人にはあったスキルだった。魔法と違って詠唱は必要ない。気を練ったものを纏って防御力上げたり、極めると剣撃に気を乗せて放つこともできるらしい。漢が夢見る攻撃だよな、剣を振って遠くの敵を倒すなんて。

 2人に教える為におれがスキルを付けて体内で練った気を2人の手を取って体に流したりして気の流れと存在をわかってもらった。すると魔法より感覚が分かりやすかったのかすぐに2人共気を練ったりすることが出来るようになった。

 そこにきて失敗したと思った。気を流すために服を脱いで体を密着しなければいけないとすればよかった。しかし気付いた時には2人はもう憶えた後だった。最近そういうイベントもなかったし、忙しくて俺からフラグを立てることを失念していた。

 とても悔しい、あぁ非常に悔しい。

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