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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
冒険への足掛かり
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俺はお前を忘れない

 ブランがヴィオラバイトの部位を回収してくれてる。今回は確か眼だったか、薬の材料になるみたいだけどくり抜くのとかちょっと勇気がいるな。そんなことを考えていたら足元でぴょこぴょことジャンプしているダイゴJr.がいた。ご苦労様と声を掛け頭の上に掲げていたモフモフ・ラビットを受け取った。



(あるじ)の作った土人形(ゴーレム)は凄い出来じゃな。」



 部位の回収を終えたブランがこちらに来て俺とダイゴJr.を見比べて言った。

 そうだな。

 

 土人形(ゴーレム)を作るだけなら低レベルの土魔法のスキルを持っていれば作れる。ただそうして作った土人形は作られた時に与えられた単純な命令しかきかない。土人形を作る時に命令を魔力に込めて流し込むからだ。使用者のレベルが上がれば与えられる命令が増えていく。それと共に作り上げてからも命令を追加したり変更したりすることが出来る。土人形に魔力を送って命令内容を書き換える感じ、感覚的には無線操作かな。そして最高ランクのレベル位に到達すると自立制御できる、AIを搭載したよな土人形を作れるようになる。疑似人格を作るようなものなのでかなりの技量が求められる。

 俺の足元にいるダイゴJr.はある程度考えて動くように作った。複雑な動きは出来ないので進む、戻る、方向とかスピードとかを考えるくらいなのでそこまで凝った作りではないけどね。それでもそこら辺の土魔術師が作れるものではないとは思う。

 しかしブランに褒められたのが分かったのかダイゴJr.は嬉しそうにブランの周りをグルグルと両手を上げて走った。そこら辺は俺の意志が少し介在しているような気がするんだが。


 でも俺達はこれから街に戻る。ダイゴJr.は持って帰れないな。こんな高性能な土人形持っていたら怪しまれることこの上ない。それにあんまりMPを込めて作ってないからそんなに長い時間活動できない、時間が来たら元の土に戻るだろう。でも他の冒険者が万が一にでも見付けると厄介なので元に戻すか。

 

 そう思って俺はダイゴJr.を元の土に戻す為に魔力操作をした。するとダイゴJr.は足元から少しずつ土に戻っていく。ダイゴJr.は右腕を上げて左右に大きく振ってバイバイをしていた。


 

 いやいやいや、駄目やん。これあかん奴やん。

 

 腰ぐらいまで土に戻ってもダイゴJr.は腕を振るのをやめなかった。


 ヤバい、なんか泣きそう。なんでこんな戻し方にしたんだ俺。

 

 肩まで土に戻り、とうとう大きく振っていた腕もトサッと地面の上に落ちて土に戻っていく。


 これあれやん。地面に膝ついて拳で地面を殴って「ダイゴJr.-----っ」って叫ぶ奴やん。

 

 ダイゴJr.、君の勇姿は俺の心に刻んだ。だからゆっくり眠れ。


 

 そんなことを真剣な表情で考えていたらガイから変なものを見るような目で見られた。

 まぁその気になったらダイゴJr.αとかスーパーダイゴJr.とかダイゴJr.DXとかいくらでも作れるんだけどね。

 街に帰ろう。


 その後にちゃんとヴィオラバイトの胴体も回収した。結構美味しいらしい。元の世界でも蛇を食べるって聞いたことあったし物は挑戦だ。




---------------------

 


 街へ戻ってきてギルドにやってきた。



 報酬を受け取るカウンターには以前もいたおっちゃんがいた。



「よう、お帰り。」



 男前な笑みを浮かべて迎えてくれた。



「依頼の達成確認をお願いします。」


「あいよ、じゃあ取ってきたもん見せてもらってもいいか?後カードもな。」



 そう言われて以前と同じように受け付けてもらう。

 おっちゃんがカードや取ってきたものを持って奥に去っていた時に酒場の方が賑やかなのに気づいた。ふとそちらを見ると大きな声を上げて騒いでる一団がいた。よくよく見るとさっき森で俺が助けてやったパーティだった。その4人は何やら楽しそうに酒を片手に近くの他の冒険者たちに話してるみたいだ。



「ほら、報酬とカードだ。うん?あぁ、あいつらか。」



 戻ってきたおっちゃんが俺の視線の先に気付いた。



「さっき戻ってきたパーティでな。Fランクのパーティだが自力でブル・ボアを狩ったと騒いでるんだ。罠にもかけず正面から倒したって言ってるけど誰も信じちゃいないけどな。」



 そうだな、俺が倒したしな。そう思ったけど口には出せない。しかしこのことで調子乗ってまた正面からブル・ボアに挑んでいかなかったらいいけどな。今度は多分全滅するだろう。そこまで心配する義理もないか。そう思ってたらギルドカードを受け取ったガイとブランが眉をひそめてカードを見てるのに気づいた。



「なんかあった?」


「あぁ、だたここではちょっと。宿に帰ってから話す。」



 ガイにそう言われ何があったんだろうと少し心配になる。ともあれ報酬も受け取ったし宿に戻るか。


多分その内5体のダイゴJr.が変形、合体するパーフェクトダイゴJr.が登場します。


販売価格はメーカー小売り希望価格¥19800です。 


そんなことが頭をよぎりました。

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