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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
冒険への足掛かり
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別行動

 そう言えばと思い出したことがあった。

 昨日寝る時に使ってたスキルどうなったかな。少しくらいは身についていたりするんだろうか。


 今は俺もいくつかの魔法を使ってMPを消費した状態だし、ブランもいくつかの魔法を使ってる。見比べたらMPの回復速度の違いが分かるかも知れない。そう思って【鑑定眼(アナライズ・アイ)】を使う。取りあえず俺とブランのMPの部分だけ確認できるようにする。そして休憩するふりしてブランの事をじっと見てた。

 いや、別に愛でるとかじゃないよ。ホントだよ。頑張って鍋をかき回したりしてるのが可愛いとかは思ってるよ。

 

 そんなことで暫くぼーっとしていたら俺のMPが1回復した。ブランの方を見ると回復はまだの様だ。俺の回復から少ししてブランもMPが1回復する。使ったタイミングが分からないから早かったのかどうかわからないな。仕方ないのでもうしばらく様子を見る。その後確認していると俺がMPを3回復する間にブランのMPは2回復していた。

 ん~、MPの回復速度って個人差があったりレベルとか最大MPとかで変わったりはしないんだろか?しないんだったら俺の方が早く回復するみたいだし睡眠学習の効果はあったと思える。今この状況では確実なことは言えないので様子を見ようか。大体の基準が分かったしこれから続けていったら変化があるかも知れない。



 休憩も終わったしそろそろ動こうかな。



「そろそろ行こうか。」



 俺はガイに声を掛ける。



 これから俺とガイでモンスターを狩りに行く。ガイがどれくらい戦えるかの確認も含めての行動だ。ガイはレベルも高くスキルも結構持っているが、近衛兵だったという事で対人戦が主な戦闘だったらしい。国王を守る側近だもんな。その為モンスターとの戦闘はそこまで多くはないとのことだった。それにしばらくの間戦闘行為をしていないので腕が鈍っているかもしれないと言っていた。だから俺とガイの2人で受けた依頼をこなしつつモンスターを狩っていこうと決めたんだ。

 


 ブランにこの場所を任せて俺達はモンスターを探して森の中へ進んでいく。

 この森はほとんどがFかEランクのモンスターしかいない。奥まで進めばCランクモンスターが出るみたいだけどそこまで行く気はない。

 ブランには鍋の番をお願いした。万が一でも冒険者が通りかかっても面倒なことになりそうだし、Cランクのブランだったら何かあっても1人で何とか出来そうだしな。モンスター自体は寄ってこないはずだし。昨日の俺の戦闘を見てるからかブランも俺達のことは心配してないようだった。だから俺は今回はガイと2人で行動すると決めた。



 しばらく進んでから【索敵(レーダ―)】を使ってモンスターを探す。

 本で勉強した為出会ったことのないモンスターでも詳しいことをわかっていたので、直ぐに見つけることが出来るようになっていた。一応モンスターの近くに他の冒険者がいないことも確認する。この森の中にもそれなりの人数の冒険者がいた。こちらの戦い方とか見られて不審に思われたくないから鉢合わせないようにしないとな。



 見付けたモンスターを求めて森を進む。

 もう少し向こうにモンスターが見えるというところまで近づいたので、姿勢を低くして木の影を使いこちらの存在にバレない様に近づく。近づいてから見ると2匹の耳の長いうさぎの様なモンスターが草をモシャモシャ食べていた。

 目の前にいるのは【モフモフ・ラビット】というモンスターだった。こんな名前誰がつけたんだ?外見は耳の長いウサギにしか見えない。大きさもよくいるウサギほどの大きさだが体長より長い耳が特徴みたいだけど。そして身体も長い毛に覆われていて実際にモフモフしているらしい。モンスターと言っても獣だな。Fランクのモンスターで攻撃力もほぼない。こいつの耳を部位として持って帰るのがFランクの依頼だった。ただ割とすばしっこいので罠にはめたり矢で射たりするのがスタンダードな狩り方みたいだ。と言っても俺達は罠も弓も持ってないけど。


 

「とりあえず俺が向こう側に回ってこっちに追い立てるから1匹でもいいので狩ってくれ。」



 俺はそうガイに伝えて静かに移動していく。ちょうど反対側に回りある程度近づけたので行動に移す。ガサガサとわざと木を揺らして音を立てる。すると2匹は気付いたのか顔をこちらに向け警戒している様だった。そして一気に木の影から2匹に向けて飛び出した。

 モフモフ・ラビットのは俺の姿を見た瞬間に逆側に大きく跳んだ。だがそっちには既に抜身のロングソードを構えたガイが走ってきていた。

 大きく跳躍したモフモフ・ラビットにロングソードを一閃。返す刀でもう1匹の方も斬る。淀みのない綺麗な太刀筋だった。2匹は地面に降り立つが体にそれぞれ大きな切り傷があり、着地というよりはドサッ落ちたといった感じだった。体をピクピクと震わせている、傷は完全に致命傷だろう。俺とガイはそれぞれ横たわるモフモフ・ラビットに止めをさした。それから耳を切り落とした。その耳はとりあえず【倉庫持ち(アイテムボックス)】に入れておく。残った体も一緒に入れる。モフモフ・ラビットの肉は食用に向いていて美味しいみたいだ。

 今回のギルドから受けた依頼は全て討伐で、その対象のモンスターは食用に適している。依頼もこなし肉も手に入れる為に今日の依頼を選んで受けたんだ。



「剣の腕もさび付いてないみたいだな。」



 俺は剣を仕舞いつつ言った。



「いや、まだまだだな。もう少し深く斬れると思ったんだがな。」



 ガイも剣を仕舞って言った。



「次に行こうか、まだ2匹も狩らないといけないしな。」



 そう言って【索敵(レーダ―)】を使う。今回はFランクのモンスターで戦闘と言った感じでもなかったけど次からは多分ガチの戦いになるだろう。


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