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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
冒険への足掛かり
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これも旅の準備

 宿に帰ってからも俺は寝る前にやることがある。

 別になんかやましいことじゃないですよ?


 それは寝てる間も何か自分を鍛えることが出来ないかという事だ。

 折角スキルを色々と持ってるし、使って身に付けることが出来たらスキルを外しても使えるスキルが色々あるかもしれない。その実験をこれからしていこうと思う。


 とりあえず俺は【八百万のスキル(アルティメットスキル)】のスキルを使いどうしようか考える。

 そしていくつかのスキルをピックアップして使うことにする。

 そのスキルはまずは【並列思考(マルチタスク)】。これを使えば寝てる間でも色々とスキルを使ったままにできるかもしれない。そして実際に使っておこうと思うスキルが【気配察知】と【MP高速回復 LV.10】、それと【魔素吸収 LV.10】だ。

 【気配察知】を使っていたら襲撃されたら分るだろう。細かく周りの様子を確認できる様に設定する。敵意を持ったり怪しい感じの動きをしたら俺にわかるようにだ。まぁ今いきなり襲われたりすることないと思ってるけどね。そして寝てる間常時展開して減ったMPを【MP高速回復 LV.10】と【魔素吸収 LV.10】で回復する。そうしたらそれらのスキルを外しても体が使えるようになっているかもしれない。そんなことを思った。物は試しだしデメリットもないからやってみよう。それで上手くいくようなら他のスキルも寝る時にずっと使っておこう。

 睡眠学習だ。後【スキル習得度アップ LV.10】ってのも一応付けておこう。もしかしたら効果を発揮してくれるかもしれない。



 とりえずスキルを付け替えてベットに横になる。

 【並列思考(マルチタスク)】が勝手にスキルを使ってくれてるみたいだ。これだったら寝れるかな。慣れたら【並列思考(マルチタスク)】を外しても寝ながら使えるのかもしれない。そんなことを思いながら眠りに落ちた。



 朝起きると問題なくスキルは全部使われているままの様だ。寝たからって【並列思考(マルチタスク)】が止まることはないらしい。考えたらスキルを身に付けられたかどうか元々の基準がないからわからないかもしれない。そう思って今日色々また試そうと決めた。



 今日もギルドに行って依頼を受けよう。

 そう思って適当に朝食を済ませてギルドに向かう。

 ギルドではブランに確認取って俺のやりたいことが試せる依頼がどれか確認してそれを受ける。

 Fランク1つとEランク2つの依頼を受けた。


 

 ギルドから出ると少しばかり買い物をする。買ったものはいつも通り店を出てから裏路地で【倉庫持ち(アイテムボックス)】に入れた。

 準備が整ったので街から出発した。



---------------------



 俺達は昨日と同じ森に来た。その森の中で少し開けたところに来た。

 昨日使ったスキルのセット【索敵(レーダー)】を使って周りにモンスターがいないことを確認する。どこか落ち着ける場所を作っておきたかったからだ。

 でもこのままだとモンスターとか来たらやだな、何とかならないかと思ってスキルを探す。

 

 スキルの中で【支援魔法】というスキルを見付ける。

 【支援魔法】は相手に直接的に攻撃したりしない魔法を色々使うことが出来る。使える魔法は他の人の筋力を上げたりスピードを上げたり、後状態異常攻撃を防ぐバリアを張るような魔法もあった。

 

 俺はその魔法の中で今回は2つ使うことにした。

 

 1つが【退魔陣(アンチサークル)】という魔法だ。ある一定のスペースに魔獣とかを寄り付かなくさせることが出来る魔法だった。魔獣以外にも普通のモンスターにも効果があるみたいで近寄りたくなくなる何かを発生させるみたい。だからこの魔法を使うとある一定時間はそこにモンスターが寄り付かなくなる。ただ設置型だからその場でしか効果がないけどね。後スキルレベルに応じて効果も増減したりするらしいから低レベルの人間が使っても強いモンスターは近づいてきたりするらしい。俺はレベル高いから問題ないけど。

 

 もう1つが【目隠し(ブラインドカーテン)】というスキル。これも設置型のスキルでその場所に何もない様に見せることが出来る。音や匂いもその範囲内なら気付かせなく出来るらしい。さっきの【退魔陣(アンチサークル)】のスキルはモンスターだけは避けれるけど人には効果がないみたいだしな。万が一でも冒険者がここに来て見付けられると面倒なことになりそうだし他から見えなくした。

 思いっきり大量ののMPを2つの魔法に込めて発動する。俺を中心に直径20mくらいの光の円が出来、それが地面に落ち留まる。これでこの場所にモンスターが寄ってくることはないだろう。こちらからは普通に見えるけど20m以上離れたらここには何もない様に見えてるだろうしな。


 そこまでやってから俺はブランに頼んで土魔法で大きな岩の台を作ってもらった。台は俺の腰の高さ位で直径3mくらいの円形の台だ。

 その台に俺は【浄化(クリーン)】の魔法をかけて綺麗にしてから道具を【倉庫持ち(アイテムボックス)】の中から出して並べていく。そして最後に昨日狩ったブル・ボアの死体を出した。

 俺達が今から行うのはブル・ボアの解体とその肉をつかった料理だった。



 俺達はこれから旅に出ようと思ってる。

 旅に出てる間は野宿をしなければいけない状況が多々あるとのこと。その時の食事は大体が携帯食料になる。ただ携帯食料は一様にそんなに美味しくないらしい。調理器具を持って行って現地で食い物を探すこともできなくはないが時間が掛かったり、必ず獲物が取れる訳でもない。ただ俺には【倉庫持ち】のスキルがあり、中に入れておけば時間経過もないから食べ物を入れておいて旅先でそれを食べることもできるだろう。今は折角ブル・ボアの肉も1匹分あるし、これから旅をしていて狩った獲物を食べる可能性があるので試しに解体して料理してみようと思ったんだ。

 街で本を読んで解体の仕方も学んだし、どう料理したらいいかも勉強した。そう言うことも試すことは必要だと思った。



 さてじゃあ始めますか。

 そう思って街を出る前に買ってきたデカい包丁を握る。

 

 【解体技術 LV.10】と【調理技術 LV.10】のスキルを付け替えて初めての作業に挑む。ブランも補助してくれる。ブル・ボアの腹に包丁を入れて斬っていき内臓を取り出す。結構えぐいな~。でも慣れないとな。そのまま皮を剝いだり捌いたりを本で憶えた記憶をたどりながら進めていく。スキルのおかげかどんどんブル・ボアの身体は切り分けられ小さくなっていく。あの巨体が肉と骨が分かれた姿で目の前にあった。

 

 骨はブランが埋めてくれて、その間に俺は野菜とか購入していたものを【倉庫持ち(アイテムボックス)】から出して切っていく。全部の材料がそろったのでいよいよ料理をしていく。

 ブランに土魔法でかまどの様なものを作ってもらってその上に鍋やフライパンみたいなものを乗せる。俺が炎魔法を使いかまどに火を入れる。それから鍋には水魔法で水を張り沸かしていく。フライパンがいい温度になったみたいなのでブル・ボアの肉を焼いていく。肉を焼きながら野菜を沸騰した鍋に入れ煮込んでいく。いい色になった肉を鍋に放り込み一緒に煮込む。シチューもどきを作っている。香草の様なものも一緒に入れてた。このまま灰汁を取りながら煮込んでいけば上手く出来上がるだろう。本を読んで知識を付けといて良かった。スキルもあるし美味しいのが出来るだろう。

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