帰り道
少しだけ2人との絆が出来た気がした。
今はまだ出会ったばかりだしこれから旅に出たらもっと絆が深くなるかもしれない。そう考えると楽しみだ。
この飯屋にきてミラさんに会ったことは良かったんだろ思う。
ガイに行きたい所はないかと聞いたがないと答えていたがやっぱりミラさんのことが気になったんだろう。でも素直に言えなかったんだろうな。ミラさんもガイが奴隷になったことまでは知らなかったみたいだし。そんな姿を家族に見せたくないだろう。
でもこれから旅に出てしまったらもしかしたらもう会えなくなるかもしれない、葛藤があってここに来たんだろう。誰かに話を聞いて貰いたかったんじゃないかな。
そう考えるとガイも甘え下手だな。まぁ30過ぎのおっさんが泣き言なんか言ってるの見せたくないのかもしれないけど、自分の中に溜め込んでばっかりだと潰れるだろう。特にガイは真面目そうだし。
そんなことを思っていたら店の扉が開き客が入ってきた。
飯も食って話も聞けたしそろそろ俺達も宿に帰ろうか。
「そろそろ宿に戻ろうか。また旅に出る前に会いに来たらいいと思う。」
「いや、もう大丈夫だ。
ミラには旅に出ることは伝えれた。後は前に進むだけだ。」
「えぇ、ガイ様はガイ様の道をお進みください。
もう心配はいたしません、今のガイ様なら必ずや悔いなく自らの道を進まれるでしょう。」
2人はにこやかな顔で答えた。
それから俺達はお金を払って店を出た。
ミラさんは受け取れないと言っていたがそれとこれとは別の話だ。
大目のお金を置いて店からダッシュで出た。
いくぞ、ずらかれ~っと言いながら俺が店から出るとガイとブランも笑いながら追っかけてきた。
「しかしダイゴは確か20歳だったよな?」
宿に向かう道すがらにガイが聞いてきた。
「あぁそうだよ。」
「それにしては偉く達観しているよな。」
「そうかな、俺だって20年だけだが生きてくる内に色々と悩むことがあったんだよ。」
そう、性癖とか悩んだこともあった。
「そんな時に友達が俺に言ったんだよ。
自分のやりたいようにやったらいいって。
人生嫌なことも楽しいことも沢山あるけど、それは他人が決めることじゃない。
嫌なことがあったってそれが自分のやりたいことの為だったら、へこたれず乗り越えられる。
やりたいことをやりたいようにしたら前に進んでいける。
って言われたんだ。そう言われた瞬間に心にその言葉がストンと入ってきたんだ。
俺の人生は俺が決めるんだ。嫌なことがあってもそれは他人が与えたものではなく自分がそう思ったからだ。楽しいことがあれば自分が求めたから得ることが出来たんだ。そう思うことにしよう。
そう思ったら心がすっきりした。
他人の迷惑気にせずあれこれ構わず好き勝手にしようとまでは思ってないけどね。でも考えたら2人は俺のやりたいことに勝手に付き合わせちゃってるけど。」
「いや、わしのやりたいことは主について行くことじゃ。」
ブランが穏やかな顔をしてそう言ってくれた。
「俺も今は旅に出て世界を見てみたい。それがやりたいことだ。」
ガイが立ち止まって真剣に目をして俺に言った。
「それに興味があるしな。」
「何に?」
「お前がどんな人生を歩んでいくかだ。」
ガイの言葉にドキッとする。
告白?告白ですか?そんな、心の準備できてませんよ。
「そうじゃな、主といると色々驚かせられる事ばかりじゃわい。まだまだ世界にはわしらの知らんことがいっぱいあるんじゃな。それを見れると思うんじゃと心が躍るわい。」
ブランまで少年の様なキラキラとした目で言ってくるなんてな。
モテ期か?何かフラグ立てれたのか?
「明日からが一層楽しみじゃのう。とっとと宿に帰って寝て冒険の準備しますかの。」
ブランの言葉にガイは頷き俺を置いて宿への道を歩き出した。
まぁあ、そうだよね。特にイベント発生しないよね。まだまだ序盤だもんね。もっとフラグ回収しないとイベントまで辿り着けないよね。ゲームみたいに、いきなりデレることないよね。わかってる、分かってるさ。乗り越えた先にゴールがあると信じ2人の後をついて行った。




