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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
冒険への足掛かり
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第2戦

 まだ依頼を1つこなしただけだ。後少なくともまだ2戦残ってる。


 怪我もないし、肉体的に疲れたりもしてない。精神的には疲れたがこのまま後のモンスター討伐を続けた方がいいだろう。


 そこでもう1度索敵をしようかと思ったけどMPがあまりなかったことを思い出した。確かスキルの中にMPを回復できるスキルがあったはずだ。


 そう思って頭の中でスキルを検索する。直ぐに発見。さっそくそのスキルに付け替えてみる。


 つけたスキルは【MP高速回復 LV.10】と【魔素吸収 LV.10】だった。


 【MP高速回復 LV.10】のスキルは読んで字のごとくMPをかなりのスピードで回復してくれるスキルだ。使ってしまったMPは身体を休ませたり、何もしなければ自動的に回復していく。その回復速度をスキルレベルに比例して底上げしてくれる。


 【魔素吸収 LV.10】は説明文では周りの魔素を吸収して自分のMPにするとあった。


 城にいる時に一応魔法の勉強とかもしていた。その時に魔素についての知識も得ている。


 この世界には魔素と呼ばれる目に見えないエネルギーが存在する。魔法はその魔素を使って使用している技術らしい。

 人の体の中にも魔素は存在して、それを体の中で動かし、放出して外界の魔素に作用して魔法としての現象を起こしているとのこと。

 その時にMPを動力として使っている。

 魔素の動かし方=魔力操作が上手ければそれだけ起こす現象の威力が高くなったり、範囲が広くなったり、正確になったりする。

 大きな現象を起こそうとすると大きな動力が必要になる為大きな魔法を使う為には多くのMPを消費することになる。


 だから魔素は魔法や、普通では考えられない現象を起こすスキルには必ず使われている。

 一番の素になるものだ。

 普通に周りにもある魔素を身体に取り込んでMPへ変換するスキルなんだろう。



 2つのスキルを付けて俺は周りの魔素を吸い込むイメージをして大きく深呼吸した。それから【鑑定眼(アナライズ・アイ)】を使ってみると俺のMPは全快していた。

 毎度のことながら色々とぶっ飛んでるな、俺。これだったら俺はMPが枯渇することがほぼないんだろう。30秒もかからずに回復できるんだから。



 さてとっとと次に進みますか。

 俺はまたスキルを付け替えて索敵を行った。


 先程と同じ様にすぐに見つけ、俺達は移動を開始した。今度は後の2人も素直に付いてきてくれた。



---------------------


 またしばらく森を進むと声が聞こえてきた。

声と言うよりは鳴き声に近い。


 足音を殺し進む。

気配を感じ腰の高さ位の木の後ろにしゃがんで隠れる。

 葉っぱの間から覗くと子鬼の様な姿をした3匹のモンスターが見えた。


 あれがゴブリンか。

3匹は木の実でも探しているのかしゃがんで何やらゴソゴソとしていた。

 もうステータスの確認はいいか。

 正直負ける気はない。後は人型のモンスターを倒すことに精神的に負けないことだろう。

 ステータスとか見て名前とか子煩悩とか称号を見たら余計に倒しにくくなりそうだ。



「今回も俺だけでちょっと行ってくる。」


 2人にそう告げると頷いた。2人の顔には不安の色はなかった。


 目を閉じてスキルを付け替えて集中する。

今回はさっきの戦闘スキルで補助スキルを抜いてみるか。



 ふっーと大きく息を吐いてから木の陰から一気にゴブリン達の元へ駆け出した。


 おおよその距離は20m、レベルアップした為か俺の走るスピードは森に来た時とは比べ物にならないくらい早くなっていた。


 剣を抜き、走りながらゴブリンに近づき剣を一閃する。下を向いていたゴブリンの頭が体から離れ落ちる。

 首を一息の元に切り落とす、そうイメージしながら剣を振るった。イメージ通りに身体が動いてくれ、満足いく結果が訪れる。


 切り落とした首が地面に落ちる前に俺は動く。踏み込んで顔をこちらに向けた2匹目を袈裟懸けに斬る。そこからもう一歩踏み出し身体を返して下から上へ切り上げるような斬撃で最後の1匹の首を狙う。

手ごたえを感じると、最後に斬り付けたゴブリンの頭が飛んでいた。

 その時に最初に斬ったゴブリンの首が地面に落ちた。


 その場から後ろに下がって大きく息を吐く。

 今回はイメージ通りに戦えた。

 レベルが上がったことで俺の筋力が上がって力やスピードが出るようになったおかげだろう。

 剣をブンッと振って剣に付いた血を払い飛ばす。今回は返り血も付いていない。血が噴き出す前に範囲外に退避していた。



 足音が聞こえて振り向いてみるとガイとブランが俺の方へ歩いてきていた。2人は驚いて声も出ない様だ。

 驚いた表情のまま俺と倒れているゴブリン達を何度も見ていた。


 俺も正直こんなに上手く戦えるとは思ってなかった。でもスキルも最高レベルでステータスも高かったらこれくらいは出来るもんだろう。



「ゴブリンの持って帰る部位は角だったっけ?」



「あぁ、そうですな。何もしてないんでわしがやりますぞ。」



「お願いする。ちょっとだけ一息つきたい。」



 俺が言葉をかけると思い出したかのようにブランが答えてくれた。ブランに任せよう。まだ顔を見て角を剥ぎ取るのはちょっと辛い。



 【鑑定眼(アナライズ・アイ)】で確認したらレベルが2だけ上がっていた。やっぱり【成長速度アップ LV.10】は意味があったんだろう。

 これから戦う際は一応付けておくか。



「終わったぞ。」



 そう言ったブランの手はブル・ボアの牙よりも一回り小さいゴブリンの角が3つあった。ゴブリンの死骸はどうしようか。

 食用ではないしそのままにしておくと別のモンスターが着そうだが。


 そんなことを思っているとブランが土魔法を使って穴を掘ってその中にゴブリンの死体を放り込んだ。その後また土魔法を使って穴を埋めた。なるほどそんな使い方もあるのか。

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