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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
【商業国家 エルバドス】編
159/237

ドワーフの町 ザール2

「さてと、どこから行こうか?」



 俺はみんなに言った。

 俺達はザールの町まで戻ってきた。バロンさんに挨拶をしてからそのままクレタの町を出たんだ。宿も先に引き払っていたし、挨拶だけ済ませれば問題ないと思っていた。

 ただギルドの中にはガイとブランの弟子になった人もいた。流石に何も言わずに去る事も出来ないので皆に伝えていた。師弟契約を破棄したい場合は言って欲しいと伝えたが、誰一人師弟契約を解除したい者はいなかった。後の事はバロンさんにお願いした。

 それから町を出た。面倒だったので【水の駆け馬(サモン・アクアホース)】で人数分水の馬を作って飛ばして戻ってきた。あっという間だったな。時速何キロぐらい出てたんだろうか。


 そしてザールに戻ってきてどうしようかと思って皆に聞いた訳だ。

 行くところと言えばキュクロさんの所かブランの弟さんの所か、もしくは冒険者ギルドだろうか。でも冒険者ギルドは別に行かなくても平気か。



「ゾランの所へは後でもよろしいでしょう。その前にキュクロ様に色々と尋ねた方がよろしいんじゃないですかの?」



 ブランがそう言った。ブランがいいなら先にキュクロさんの所へ行こうか。



「わかった、そうしようか。色々と聞きたいことがあるし、時間がかかりそうだ。教えてくれるかは別だけどな。」



 俺はそう言ってキュクロさんの家の方へ向かって歩き出した。



 町の中を歩いていると依然と雰囲気が変わっていた。

 町に入る時にも感じていたが活気が違う。通りにも人の姿がいっぱいいた。商人や冒険者もだな。

 鉱山に入れるようになって町の産業が元通りになったんだろう。これが本当のザールの町の姿だったんだろう。

 しかし俺達が進んでいくところは町外れ、少しずつ人の姿も少なくなっていった。

 キュクロさんもあんまりお客さんとか取らないんだろうな。神ってことがバレるかもしれないもんな。

 キュクロさんの家に前に到着したが人の気配はなかった。どうやって生計を立ててるんだろう?神だから何も食べなくて平気とか?でもクレタの迷宮から報酬を作った分のお金とかもらってるんだっけ。



「キュクロさんいますか?」



 俺は扉を開けてそう聞いた。



「おぅ、戻ってきたか。」



 キュクロさんはそう言って奥の階段から上がってきた。



「えぇ、ちゃんと全ての階層を攻略してきましたよ。」


「あぁ、知ってるさ。誰があの迷宮を作ったと思ってる。」


「そうでしたね。神様ですもんね。」


「まぁいい、とりあえず話でも聞こうじゃないか。」



 キュクロさんはそう言ってテーブル近くのイスに座った。

 俺達も勝手に家の中に入らせてもらい、イスに座っていく。



「とりあえず色々と伺いたいことがあるんですけどよろしいですか?」


「あぁ、言える範囲で答えてやるよ。」



 じゃあまずはスリーサイズを・・・。なんてボケはしないぞ。いや、俺の場合はボケじゃないな、かなり本気になる。



「報酬の惚れ薬なんですが・・・。」


「ダイゴ様、いきなりそれなんですか?」


「えっ?当たり前だろ。あんな危険なものを俺は持っているんだ。ちゃんと詳しいことを聞いておかないと不安でしょうがないだろう?」



 俺の質問にアリアが噛みついた。

 だって不安と期待でいっぱいなんだから。



「あぁ、あれか。報酬で何にしようかと思ってた時に、たまたま恋愛の神と会う事があったんで取りあえお願いしてみたんだ。だったら簡単に作ってくれてな。」


「えぇ、その効果というか詳しい内容を知りたい訳ですよ。どれぐらいの量を飲ませればどれぐらい効果が続くかとか。」


「どうだったか。確か量によって効果が変わる感じだったはずだ。1滴なら1日、1口で1年、1本丸々で一生だったかな。

 あぁ、だた心から好きになるって言っても個人差って言うか、そう言うのがあるらしいぞ。好きって言うのも色々あるみたいだからな。愛してるか、ただ好きなのか。そればっかりは使ってみないと分からないはずだ。だから恋愛となるかは別物らしいぞ。」


「なん・・だって・・・。」


「ショックを受け過ぎじゃありませんか?」



 アリアの声が遠くで聞こえる。そりゃまぁそうかもしれないけど恋愛にならないかもしれないなんて。まぁ家族や親友でも好きと言えば好きという感情があるという事だし、飲ませてみても子供みたいに思われて愛情を持たれるってこともあるのか。

 いや、しかし恋愛にならないとも限らない訳だ。そうなってくると使ってみる価値はあるのか?いや、しかしな。



「ブツブツ仰ってますが、それはお1人の時にお願いできませんか?」


「あぁ、すまない。今度ゆっくり考えるよ。神レスティアの言葉よりも驚いてしまって・・・。」


「そこまでですか!?」


「取り乱してすいません。」



 アリアに言われて何とか正気に戻る。



「そう言えばなんか急に50階層の敵が強かったんですけど。」



 俺は気になったことについて質問してみた。



「あぁ、あれか。あいつは俺が作った奴だからな。50階層という節目にあったのを作ったんだ。

 あいつが強く感じるのは当たり前だ。入ってきたやつらの情報を読み取って、そいつらより少し強くなる様にしてたからな。

 だからどんな奴が入って来ても強さはそいつの少し上になるんだ。お前たちが強いと感じたのはそう作ったからだってことだな。」


「そうだったんですね、なんでいきなり50階層でここまで強い敵が出るのかって焦りましたよ。」


「それぐらいの敵を倒さないと試練にならないしな。」


「後は【白虎(びゃっこ)】や【玄武(げんぶ)】なんかの幻獣なんですが。この世界にも四神がいるんですね。」


「お前の世界では神だったんだろ。この世界でもだがな。」


「えっ?【白虎(びゃっこ)】なんかは幻獣じゃないんですか?」


「俺があの迷宮の為に幻獣として作ったんだ。元々の【白虎(びゃっこ)】達は神だ。流石に神を4柱あの迷宮に閉じ込める訳にもいかないだろ。

 【白虎(びゃっこ)】達はこの世界のどこかに普通に神としている。

 だからお前たちが倒したのは偽物だ。本物はもっと強いぞ。」


「そうだったんですね。【青龍(せいりゅう)】は務めを果たした、とあの迷宮から去るような事をおっしゃってましたけど。」


「そうだな、もう必要ないだろう。お前たちが手に入れたものは2つとは作れないし。今更別のものを報酬として配置しようと思わないしな。」


「しかし2つの試練があったってことじゃないですか?キュクロさんと【青龍(せいりゅう)】との。」


「そうなるかもな。まぁ物が物だからな仕方ない。そう易々と渡す訳にはいかない代物だからな。」



 そうなのか?何か引っかかるんだけどな。



「そう言えば迷宮の中で起こったことは知ってるんですか?」


「当たり前だ。全て逐一わかる。」


「じゃあ俺が偽の神を作ったことも?」


「あぁ、知ってる。【青龍(せいりゅう)】をあそこまで追い込むとはな。流石に驚いた。」


「キュクロさんはどう思いますか?あれはやっぱり封印しないといけない様な物でしょうか?」


「さぁな。【青龍(せいりゅう)】が言っただろ前例がないってな。人が神を作るか、お前の世界ではあったんじゃないのか?」


「そういう考え方は確かにありました。人が信仰して神が生まれるって。」


「じゃあ、そういう事なんじゃないか?お前は別の世界から来たんだから。」


「それでいいんですかね?」


「何度も言うがそれは誰にも分らないんじゃないか?神ですらもな。レスティアも何も言わなかったのなら別にいいんじゃないか?」


「あっさりしてるんですね。」


「そうだな。まぁある意味お前が神を作ったのであれば問題ないんじゃないか?お前も何となくわかってるだろ、神という存在について。」



 キュクロさんにそう言われ気付く。そう言えばこの世界の神はもしかしたらシステムの一部の様な存在かも知れない。もし俺が神を作った所でそのシステムの一部に取り込まれるだけか。そうなったらそうなったで俺の元から離れていくだろう。

 しかしシステムから外れた神を作れるとなったら・・・、いやそこまで考えるのは止めておいた方がいいだろう。とてもヤバい感じがする。今のままの戦力として考えるのであれば、このままの方がいいんだろう。



「神と言えば以前に知恵の神の話をされていましたよね?」


「あぁ、したな。」


「神レスティアに知識の神を尋ねる様に言われました。知恵の神と知識の神って同じ神ですか?」


「その事か。同じと言われれば同じかもしれないし、違うと言えば違うんだ。」


「なぞなぞか何かですか?」


「いや、単純にそう言う存在と言った方がいいか。その2つをそれぞれの神が持つが、その神は同一の存在だってことだ。単に知識があっても物事を知ってるだけ、知恵があっても知らないことは何もできない。だから2つで1つの存在。それが知恵と知識の神だ。

 説明が難しいから会いに行くならその時にわかるだろう。」


「わかりました。その時に確認することにします。

 じゃあやっぱりスラグスルにいらっしゃるんですね。」


「そうだな。あそこにいるはずだ。」


「俺達はそこへ行こうと思ってるんですが、その前に装備を整えたいんです。武器の作り方を教えてもらえますか?」


「あぁ、いいぞ。ちゃんと俺の試練にも合格したしな。そこのブランってドワーフに教えればいいのか?」


「えぇ、お願いします。」


「武器の作り方は教えていくとするが、先にお前たちがどういう武器が欲しいかを考える必要があるな。」


「そう言えば、その人にあった武器を一から作るんでしたっけ。」


「そういう事だ。どういう武器が欲しいかって人のよるだろう。先に決まらないと作りようがない。」


「まずはそれからですね。」


「あぁ、後は材料もだな。作りたい物によっては必要になる材料も変わってくるだろう。俺は揃えたりはしないからな。」


「どんな武器でも作れるんですか?」


「お前なぁ、俺を誰だと思ってる。鍛冶の神だぞ。」


「例えばこの世界にない様な物でもですか?」


「ふんっ、当たり前だろ。ただしそうだなぁ、どういう代物かわかるような図面の様な物があれば出来るだろうな。実際に作るのはブランになる訳だし、教えはするが作れるかどうかは別件だな。」


「わかりました。

 今思いつくのは、ガイとかは刀とかの方がいいと思うんだけどな。」


「刀か?」


「えっと、あの迷宮にいた鬼が持っていたの。片刃の剣なんだけど、斬るってことに特化してるというか。」


「ほぉ、そう言えばそんな得物を奴は使っていたな。」


「そういうのを伝えて作れるようになったりするんですか?俺自身は刀の作り方とかは知らないんですけど。」


「あぁ、刀なら打ち方はわかるぞ。教えることも可能だろう。」


「わかりました。こうして思いついたことを伝えていきますね。それで必要になる物なんかを教えてください。

 それと武器に魔石を組み込みたいんですが、後、ホントに魔石を作れるようになってもいいんですか?」


「あの報酬か?構わないんじゃないか。あの事を知っても実際に魔石を作れるなんてお前たちぐらいしかしないだろう。お前たちが管理すれば問題ない。

 魔石を組み込むことは出来るだろうが、何か考えがあるのか?」


「そうですね、思いついたことがあります。先に装置を完成させて魔石を作れるようにならないといけませんね。」


「そうだな、やることがいっぱいだな。」


「えぇ。ともかく1つずつ片付けていくことにします。」



-----------------



 キュクロさんに話を聞いてから俺達はゾランさんの所に挨拶にいった。

 しかし店が大盛況であまり話は出来なかった。

 とりあえず宿を取ってそこで落ち着くことにした。やることは山積みだ。

 新しく得た力がどんなものか、どれぐらい使えるものかそれが分からない。まずはどういうことが出来るかを試していかないとな。

 俺はとりあえずそこから取り掛かった。


 【八百万のスキル(アルティメットスキル)】バージョン2。名前とか変えた方がいいんだろうか。でもスキル欄は名前そのままだしな。

 新しく力を貰ってから頭の中での【八百万のスキル(アルティメットスキル)】の機能が変わったと言えばいいだろうか。

 スキルを貰った当初から俺の使い易いようにとパソコンの様な画面が頭の中にあり、それを操作してスキルを使えるようにして貰っている。その画面に新しい項目が追加されていた。

 「合成」と言った項目だな。

 いくつかのスキルを選んでフォルダーみたいなのに入れて合成ボタンを押すと、新しいスキルが出来上がる。そしてそれに名前を付けて完成。名前は自分でつけるしかないみたいだ。

 合成するスキルはいくつでもいいみたいだ。今までは【索敵(レーダ―)】みたいな俺自身が複数のスキルを複合して使って新しいスキルの様にしていた。ただその場合は俺の一度に使えるスキルは9個までだ。だから9個までのスキルを組み合わせて使うしかなかった。一応ずっと使っていたスキルは身に付いてくるから自然とそれ以上のスキルも複合させられるようにはなっていた。ただ初めて使うスキルやあまり使わないスキルは別だ。身に付くことはないので一々セットしないと使えなかった。

 それがこれからはいくつものスキルを合成して1つのスキルにすることが出来る。数に縛られることがないってことだ。

 色々出来る可能性が増えすぎてどんなスキルを作っていいかわからない。

 そこで俺は今停滞していた魔石作成の装置作りに役立ちそうなスキルを作ることにした。

 必要になった材料はドワーフの町に戻ってきたからか全て揃った。後はどうやって作るかってことなんだ。

 そこで俺は考え付いたスキルを作ってみた。

 【玩具箱(トイボックス)】と名付けたスキルだ。


 【倉庫持ち(アイテムボックス)】の中を【分割(ディビジョン)】で分割して部屋の様なものを作る様にして、そこに創作系なんかのスキルと、【錬金術(アルケミー)】や思いつく色んなスキルを突っ込むような形でスキルを合成した。そして出来たがったスキルだ。


 【倉庫持ち(アイテムボックス)】に入れた材料をそのスキルの中で自動的に作り上げるってことなんだけど、今までも【倉庫持ち(アイテムボックス)】の中で少しくらいは物を作ったりすることが出来た。投げ槍を改造したりとかな。でもそこまで複雑な事は出来なかった。しかしこのスキルは俺が分かってさえいれば材料を突っ込めば簡単に魔法具なんかも作れるようになった。これを使ったら武器とかも簡単に作れるんじゃないかと思ってしまった。でもまぁ作り方が分かる物だけだしな。

 魔石を作る装置は簡単に出来上がった。これで魔石を簡単に作れるようになったわけだ。

 でもその魔石でも思いついたこともあるから実験してみないといけないか。

お読み頂きありがとうございます。

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