冒険前の勉強会
ギルドから出て俺達が向かったのは飯屋だった。
時間も時間だし昼飯を食ってから街の外に出た方がいいだろうってことで飯を食いながら依頼についての話をしようという事になった。
「今回討伐するブル・ボア、ゴブリン、スミス・スパイダーってどういうやつなの?」
運ばれてきた料理を食いながら俺はブランに聞いてみた。
今日の俺の昼飯はパンに何かの肉を焼いたのと野菜を挟んだサンドイッチみたいなのを選んで食っている。肉がなかなかジューシーで美味い。
しかしこの世界は米はないのか主食はパンだ。実際にはあるのかもしれないがブランに聞いてみたが米みたいなのを食べたことはないと言っていた。
白米が食べたい。昔はよくおにぎりが似合うって言われてたな。あれ?これって褒め言葉か?
「ブル・ボアは今主が食ってるのじゃ。」
ブランはそう言って俺の昼食のサンドイッチを差した。俺が食べてるのってブル・ボアの肉なんだ。
「見た目は毛がモサモサっとしておてって、4本足でこうダダダっって走ってくる奴じゃ。」
うん、何言ってるかよくわからん。
実物を知らない人間にどういうものかを伝えるって難しいよね。
俺が犬みたいな獣、猫みたいな獣とか言っても2人には分からないだろうし。姿形は出会った時に教えてもらった方がいいか。
「そいつと戦う時にはどういうとこに注意したらいいの?」
俺は戦う時の注意点を聞くことにした。
「単純なやつじゃから見付けた敵に真正面から突進してくる。
しかし硬い頭と牙を持っておるのでぶつかると吹っ飛ばされたり、牙で刺されたりするんじゃ。
じゃから岩とか木を盾にして戦ったり、突進を避けてから切り付けるとかかの。」
なるほど、猪みたいなモンスターかな。
「じゃあゴブリンは?」
「ゴブリンは小さな子供みたいな姿で頭に角が生えておる。
道具が使えるくらいの知識は持っておって剣やら弓やらを持ってたりするの。
そこまで強くないから正面切って戦ってもそれなりの腕があるなら余裕で勝てるじゃろう。
ただ大体群れでおるじゃろうけどな。
たまに1匹で果物取ったりしておるからそれを狙えば1匹だけ狩ることは出来るかもしれん。」
ゴブリンはファンタジー物によるありそうな感じそのままなんだな。
「スミス・スパイダーは頭と腹と尻がポンポンポンとあって腹から足が8本出てる感じじゃ。
顎が発達しておるので噛みつかれると大怪我するに繋がる。
後獲物を見付けて尻から糸を出して動けなくしたりもするのう。」
う~ん、蜘蛛みたいなモンスターかな?昆虫?
こっちの世界では種類わけとかどうなってるか分からないから何とも言えないが。まぁ何となくわかったと言えばわかったかな。
後は実際に見付けてからにしよう。
昼食も食い終わったしそろそろ出掛けますか。
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ご飯屋を出て大通りを真っすぐ進むと門が見えてきた。
そして門の横には街をぐるっと囲んだ壁も見える。
街の周囲には石の壁が張り巡らされている。
それはモンスターが街に入ってこない為のものだ。壁の高さは5mぐらいはあるだろうか。
そして壁の所々には門が設置されていて門番が常駐している。大きな街とかになると入る時に身元を確認される。犯罪者を街に入れない為にそうしているとのこと。
俺達は街から出る為の門に並んだ。街から出る時は大した確認はされない。
大きな荷物を持っていなかったりしたら門番に挨拶だけして通るくらいだ。荷物が大きかったりする場合は一応中を確認されるらしい、誘拐された人が隠されたりしている場合があるからだと。
逆に街に入る時が面倒かもしれない。
ギルドカードを持っていれば、それを見せて確認が取れればすんなり入れる。
持ってない人はそれなりに身元の取れている人に一筆書いてもらったものを持参するか、入る街の知り合いを頼って身元証人になってもらうか。それも無理なら一時金を預けた上で、街中で悪いことはしないなどの誓約を結ぶ方法を取るしかないらしい。そこまでして街に入ろうとする人はいないらしい。
街を出る時に入口を見たらかなり長い列が出来ていた。ギルドカードを持っていない人はそれなりに確認が掛かって入れるようになるまでには大分時間がかかるんだろう。みんな疲れた顔して並んでいた。
ご愁傷さまですとその列を横目で見ながら俺達は街を離れた。
ここまで書いて思ったこと。
あれ?このまま書いてても暫くはダイゴイベント起きなくね?
すまない、イベント起きるまでまだまだ健全なようだ。




