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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
冒険への足掛かり
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冒険者ギルド

 次に向かったのは冒険者ギルドだ。

 いよいよと言った感じがする。



 冒険者ギルドも大通り沿いにあった。主要な店や施設は大通り沿いにあるのが普通なんだろう。

 3階建ての立派な建物だった。

 入口には冒険者風の人が出たり入ったりしている。結構冒険者っているんだな。

 大きな国の主要な街だからかもしれないけど。


 入口に突っ立ってても仕方ないので中に入ることにする。

 扉のない入口をくぐると正面にはカウンター、横には酒場の様な光景が広がっている。

 1階は1つの大きな空間だけの様で人が結構いたが、動き回るのが大変だと言うほどでもない。広さは昔通った小学校の教室3つ分くらいだろうか。


 カウンターで話をする人や壁際にあるボードを眺めている人、後はテーブルや、カウンターに座って酒をあおる人がいた。



「とりあえず登録に向かおうかの。」



 ブランがそう言って率先して前を歩いてくれた。

 そして空いている1つのカウンターの前まで進んだ。



「こんにちは、本日はどのようなご用件でしょうか?」



 カウンターに立っていた20代前半くらいの受付の女の子が元気に挨拶してくれた。



「冒険者の登録に来たんじゃ。

 わしは冒険者だがギルドカードを無くしたので再発行になるのかの。」



 ブランが説明してくれた。



「かしこまりました、まずは登録ですね。え~っと、御2人分ですね。御2人で金貨1枚です。」



 そう言われたので金貨1枚を袋から出して渡す。



「ありがとうございます。登録の詳しい説明は必要ですか?」



 受付の女性がニッコリとして聞いてきた。



「そうですね、お手数ですが1から全て教えて頂いてもよろしいですか?」



 俺はかしこまってそう言った。

 ブランに聞いたら教えてくれるかもしれないけど覚えていないこととかあるかも知れないし。教えてくれるんだったら聞いておいた方がいいだろう。



「かしこまりました。まず冒険者の登録をいたします。

 登録もこのギルドカードに血を1滴垂らして頂くだけです。」



 そう言って女性は俺達に免許証くらいのカードを渡してきた。



「そこの印のところに血を付けてください。

 あっ、ちなみに称号に犯罪を犯した様な称号があった場合登録は出来ませんが?」



「それは問題ありません。」



 俺は苦笑しながら答えた。

 犯罪者はギルド登録が出来ないんだ、当たり前か。そう言えば俺って1回盗賊の称号取ったよな。ってことはスキルで消してなかったらギルドの登録は出来なかったのか。消しといてよかった。しかし冒険者ギルドに登録している者はそれが証明になって街に入れたり、国境を越えたりできるみたいだし当然だよな。



 俺とガイはナイフを取り出して親指を切り付け、少し出た血をカードの印のところにつけて女性に手渡した。



「ありがとうございます、少々お待ちください。」



 女性はそう言って俺達が渡したカードを持って移動した。カウンターの奥に大きな水晶の様な物が置いてあった。

 女性はその水晶に近づいて何かしていたようだ。しばらくして俺たちの前に戻ってきた。



「登録が完了しました。裏面に記載があるお名前、LV、スキル、称号に間違いがないか確認して下さい。」



 そう言ってカードを渡された。

 裏を向けると女性が言ったようにカードの裏面には俺の名前やLV、スキルと称号が書かれていた。


 事前にブランにギルドへの登録がどんなものになるかは聞いていたので今は【偽装(イミテーション)】のスキルでステータスだけ変更している。

 このカードも魔法具の様だが、城の伝説級の魔法具を(あざむけ)けたスキルだけあってカードには偽装したスキルと称号が並んでいた。

 このスキルがあれば犯罪者でもギルドに入れるんじゃないかと思ったけどわざわざ入らなくてもスキルを使ったらいくらでもその場で何とかなるんだろうなと思った。



 一応俺は


スキル:

気配察知 LV.2

剣術 LV.2

体術 LV.1


称号:ルーキー 勘が鋭い



 ってことにしてある。

 ブランに聞いて偽装するにはどんなのがいいか確認した。

 生まれた時には気配察知を持っていたことにして、レベルが1の為剣術、体術をそれぞれ下位に設定したらいいという事でこうした。

 初めて冒険者になる人物の良くあるステータスにした。


 HPなどの記載はないんだなと思って聞いてみると、記載してもあまり意味がないとのこと。いくら値が高かろうと強いスキルには歯が立たなかったりする為とのこと。

 この世界はやっぱりスキルありきなんだな。



「間違っていません。」



 俺とガイはカードを確認にしたうえで女性に答えた。



「それでは表面をご覧ください。」



 そう言われカードをひっくり返す。



「表面にはギルドランクとパーティ名、後は請け負っている依頼が表示されます。」



 カードにはFと言う字だけがあった。



「パーティ名とクエストはまだ請け負ってらっしゃらないので表示はありません。」



 女性が説明してくれる。



「ギルドのランクは下から上にF、E、D、C、B、A、Sとなっています。

 ある程度のクエストをこなして頂いて成果が認められたら上のランクに上がります。

 依頼は自分が属するランクの1つ上のランクのものまでしか受けることはできません。後Cランクから上のランクにはランクの昇進試験があります。

 個人で受ける場合とパーティで受ける場合には試験の内容が変わったりします。」


「と言うと?」


「例えばCランクからBランクに上がる場合、個人であればCランクの魔獣を1人で討伐して頂くという試験になります。パーティーの場合はBランクの魔獣をパーティ全員で討伐してもらいます。

 パーティの人数やパーティ内のランクが違う場合で討伐する魔獣が変わります。ただ魔獣は他のモンスターなんかと違いあまり数がいませんのでその時々で依頼が変更になります。」


「ランクが違うと何か差があるんですか?」


「えぇ、Fランクであれば1か月間に1つ依頼をこなさなければギルドカードは使えなくなります。

 Eランクであれば3か月などのカードの有効期限が伸びていきます。

 もしカードの有効期限が切れた場合は料金を頂き再度発行することになります。お金もかかりますし、再発行するまで身元を保証するものがなくなります。」


「なるほど。」


「後は高ランクになれば色々と優遇処置があります。普通の人では入れないところへの入場や会うことが出来ない様な人への謁見。街や村によっては宿の料金、道具購入時などに割引もあるみたいです。

 高ランクの冒険者が街にいてくれると何かあった場合に対処してくれるからだと思いますが。」



「依頼はあちら側の壁のボードに貼り付けられた紙に書いています。ご自身にあった依頼を選んでカウンターまでお持ちください。

 こちらで確認後、依頼遂行をお願いすることになります。」



 女性はそう言って壁に掛かったボードを差した。その前には何かの冒険者がが依頼の紙を見ている様だ。

2016/10/15 内容一部訂正。

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