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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
冒険への足掛かり
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城を出た理由

「そう言えば俺のスキルを使えば称号にある【奴隷】って項目消すことが出来るけどどうする?」



 スキルの事を考えていて思いついたから聞いてみた。



「わしは主に付き従うの者ですので、称号にあっても問題ないですじゃ。」



 ブランが言う問題ないっていうのはなんか引っかかる気がする。

 俺の事を慕ってくれてるとは思うんだけど。



「俺も・・・今はそっちのが都合がいいのから問題ない。」



 ガイが答える。

 都合がいい?う~ん、何かあるんだろうな。

 まぁ元近衛兵団の団長が奴隷になって、また奴隷じゃなくなってるって何か問題があるのかもしれないな。


 と言うかホントに何があったんだろうか。



 正直あの城で何があってもおかしくはない気がするけど。

 城でのことを少し思い出した。


 あそこでは俺がこの国で勇者をやろうと思わなかったことがあったんだ。




 俺は召喚されて直ぐに【偽装(イミテーション)】を使った。

 実はそれ以外にも【読心(マインドリーディング)】のスキルをつけて発動していた。


 【読心(マインドリーディング)】名前そのままのスキルで。人の心が読めるようになるスキルだった。召喚後どうな状況になるか分からなかったから一応使っておいたんだ。

 一応心を読まれないように妨害したりするスキルもあるみたいだけど、レアなスキルだし持っている者は誰もいなかった。


 おかげで全員の心の声が駄々漏れだった。

 しかしこのスキルは使ってると心が折れそうになるな。どんだけ人って本音と建て前を使い分けてるんだって思った。



 そしてスキルを使って分かったことだが、あの国王は俺たちの事とを道具としてしかみていなかった。



「勇者が3人も手に入った。これで他の国よりも優位に立てる。」



 国王が最初に思っていたのがこれだった。


 まぁ国王が国の事を思って悪いことはないんだろうが手前都合で勝手に呼んでおいて将棋の駒の様にしか見ていない考えが胸糞悪かった。



 特に俺が勇者ではないと分かった時はひどかった。



「なに?!勇者ではないだと、この役立たずは何なのだ?」



とか、俺が元の世界に帰りたいと言った時には



「なに寝言をほざいておるのだこのクズは、自分の立場を弁えたらどうだ。」



 なんてことを思っていた。



 それに対して周りにいた者達も似たり寄ったりの考えだった。



 勇者の召喚に失敗したと思ったローブのおっさん達は心の中で酷く罵り合ったり、俺の事も偉く酷いこと言っていた。



 勇者の2人も最初の内は同情してたが段々と愚痴を言っていた。



「もう1人が可愛い女の子だったらよかったのに。」

「使える仲間が呼ばれなかったのはこいつのせいじゃないのか?」


なんて。



 そんなことを聞いて俺はこの国で勇者になろうなんてこれっぽっちも思わなかった。



 唯一ハインツさんは俺に対して不満や蔑みの感情は持っていなかった。だから何とか一月乗り越えることが出来たんだ。



 城の中にいる人間の心の声も色々聞いたけどはかりごととか結構あるみたいだったしな。

 近衛兵団の団長なんて肩書狙ってる人物も多いだろうし何かされたんだろう。




「そうか、また気が変わったり、必要になったら言ってくれ。」



 無理強いをすることもないと思って俺はスルーした。




「明日も朝から動こうと思うからちょっと早いがもう寝ようか。」



 俺がそういうと2人は頷き返してくれた。しかし寝るにしてもベットは2つしかない。

 そして俺達は3人。



「じゃあ、わしは床で寝ます。」



 ブランがそう言って床に寝転ぼうとする。



「いやいやいや、そんな扱いはしたくないから、やめてくれ。」



 俺は慌てて止めに入った。



「わしは頑丈だから床で寝ても全く問題ないですじゃ。」


「すまんけど、俺が嫌だ。一人だけ床で寝かすなんてしたくない。」



 ブランは問題ないと言うが気が引けるし。



「ちょっと狭いけど一つのベットで寝たらどうかな?俺とか平気だし。」



 そうこれも俺の計画の一つだ。

 一緒のベットに寝て寝惚けたふりして抱き着いたり作戦。



「えぇ~と、俺って兄弟とかいっぱいいて一つのベットで2人とか3人とかで寝たこともあるから全然問題ないし。」



 嘘です。一人っ子です。



「だから俺は構わないよ、一緒のベットに寝るの。」



「しかしのう。」



 ブランは俺の提案に納得しない様だった。



「じゃあこっちのベットで俺とブランで寝ることにする。」



 そこにガイが割り込んできた。



「えっ?」



 俺は驚いて声を上げた。



「いやいや、御二人とも良い体格をなされているので窮屈かと思われますぞよ。

 私はどんな狭いところでも寝れる様なスキルを持ってるので全く何も問題ないのですよ。」



 俺はしどともどろになりながら食い下がる。



「なんか話し方がおかしいんだが?それにそんなスキル聞いたこともないな。ここの宿代を出して貰ってるんだからゆっくり休めばいい。」



「そうじゃなわしらも窮屈なのには慣れてるし、すまんがお邪魔させてもらう。」



 ガイとブランは2人でそう話してとっととベットに潜り込んだ。



 ちょ、どういうことだこれは。



「「おやすみなさい。」」



 2人の声がしてさっさと寝てしまったようだ。

 仕方なく俺もベットに横になる。



 そして物凄い勢いでフラグを立てたり、主人公体質になれるようなスキルを検索するのであった。

 当然そんなものはなかったけど。

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