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召喚された世界はスキルがものをいう  作者: 雷
冒険への足掛かり
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スキルの使い方

 それから俺はまた【偽装イミテーション】を使って宿に来た時と同じ姿になった。そして2人を連れて食堂へ向かった。



 食堂についてから部屋の鍵を見せると店員は店の奥に入っていった。多分晩飯選ぶとかはなくはみんな同じものが出てくるんだろう。

 料理が来るまで周りを見渡すと俺たち以外の客も結構いた。


 殆どが冒険者風のカッコをしていた。自分の傍らに武器を置いて皮鎧を着てるやつもいた。

 時間はまだ日が落ちて直ぐ位だったが酒を飲んでいる者もいるみたいだ。ガヤガヤと色んなところから話し声が聞こえ笑いも上がる。



「お待ちどう様。」



 そう言って給仕のおばさんが俺たちのテーブルに料理を並べた。



「熱いうちに食べちゃって。」



 そう言って笑顔で店の奥まに帰っていった。

 今俺の顔は凶悪な顔つきをしてるはずがだそんなことは気にならない様だ。酒場も兼ねているみたいだから俺みたいな外見のやつもよく来るのかもしれない。

俺以外でも厳つい外見をしたのが他のテーブルでも何人かいるしな。



 さてと冷めない内に頂こうと俺は目の前に並んだ料理に手を付けた。

 晩飯のメインは何かの肉の入ったシチューっぽいものだった。それにパンとサラダみたいに野菜が盛られた皿が付いていた。

 元いた世界では好き嫌いもなかった。

城にいた時に出された食事も不味いとは思わなかった。ただ薄味だったから物足りない気がしたけど。

 こっちの世界では香辛料などはあまりないのかもしれない。素材そのものの味で食べたりすることが多いみたいだった。


 スプーンでシチューをすくって口に運ぶ。野菜と肉の味が口に広がる。結構美味い。

 ふとブランを見ると泣いていた。



「どうした?何か嫌なことあった?」



 俺は慌てて聞いた。



「いや、またこうして自分の手で飯が食えるようになるとは思わなかったんじゃ。」



 ブランは涙を拭いながら答える。

 なんでも奴隷商のところでは両手が使えないから、床の上に置かれた食べ物を獣の様に直接口にしていたらしい。

 それを聞いて俺は居た堪れない気持ちになった。



「おねぇさん、この店で一番高くて美味いもん持ってきて。」



 そしてそうさっきのおばさん給仕に大声で伝えた。

しばらくするとでっかいステーキみたいな料理が出てきて俺達3人は腹いっぱい晩飯を満喫した。



---------------------



「ふぅ、腹いっぱいだ。」



 俺たちは晩飯を済ませ、部屋に戻ってきてベットに座って人心地ついた。



「そう言えば結構金を使ってるようなんじゃが大丈夫なのかの?」



 ブランが少し心配そうな様子で聞いてきた。



「あぁ、まだ結構持ってるよ。2人の装備も買うくらいはあるし。まだ暫く何もしなくても暮らしていけるくらいは持ってる。

 城から出る時に餞別代りに結構な金を国王から貰ったんだ。」



 俺がそういうとブランは安心した表情を浮かべた。



 実際の所、金は結構持っている。

ただ城を出る時に貰った金貨なんてとっくに使い切ってるけどね。



 実は俺は城で暮らしていた時に、夜間城の金庫室に忍び混んだりしていた。

 当然【八百万のスキル(アルティメットスキル)】を有効活用してだ。


 忍び込むために俺は


隠密サイレントシーカー


隠匿インビジブル


解錠術キーマスター


と言ったスキルをつけて夜の城の中を調べた。


 そして金庫室の在り処を見付けた。

見張りがいたが【支援魔法】のスキルをつけて【眠り(スリーピング)】の魔法を使って眠らせて中に入った。


 それから【倉庫持ち(アイテムボックス)】へ金貨をせっせと入れて行った。

その後は何事もなかったように部屋に帰って朝を迎えた。


 当然朝になって金庫室が破られて中の金貨が大量になくなったと城中で大騒ぎになった。しかし俺は知らん顔していた。

 念の為と調べられたが部屋や俺の持ち物から金貨は出なかったし、俺にそんなこと出来る訳もないと思われてたので直ぐに容疑者からは外された。

 賊が入ったってことになったみたいだけど。


 まぁなんていうか俺が真の勇者になる為でお金を借りただけなのだ。

先行投資だよ。


 と自分を納得させたがそんな簡単な話でもなかった。

 いつの間にか俺の称号の中に盗賊の項目があった。



 いや~、あの時は焦ったね。あながち間違いでもないんだけど。

 しかしこんな称号あってもデメリットしかない気がしたのでどうにかならないか考えた。


 するとあるスキルを見付けた【称号剥奪(ネームイレイサー)】と言うスキルだ。


 何でそんなピンポイントなスキルがあるのかと思ったけが使われることが結構あるらしい。

貴族や王族などが何か不祥事を起こした時に、称号にある【貴族】や【王族】とかを消すのに使われるんだって。

 なるほどと思って実際に使ってみた。するとどうでしょう、俺の盗賊の称号はきれいさっぱり無くなった。


 ホントにスキルってなんでも出来るんだな。



 ただ称号は消したり、勝手についたり割と何とかなるに対して、スキルは人のスキルを消したり、盗ったりっていうのは出来ないらしい。

 そこまで出来たら俺が会った神と変わらないしな。


 俺の【八百万のスキル(アルティメットスキル)】も人のスキルを書き換えたり、入れ替えたりは出来ない。あくまで自分専用のスキルなんだ。


 後説明しておくが万能と思われる【八百万のスキル(アルティメットスキル)】にもデメリットがある。


 まずスキルの入れ替えは多少のタイムラグがある。

 俺が頭の中で該当のスキルを選んで付け替えるんだが、その時のシステムは以前神にスキルを貰った時の様な感じで行う。

頭の中のパソコン画面にズラッと単語が並んでいるところからカーソルで選ぶ感じだ。検索したりや、お気に入りに入れておくみたいなことが出来るのがありがたい。それでも一瞬でって訳にもいかない。

戦ってる最中とかはそれに気を取られて怪我を負う、なんて可能性があるかも知れない。


 後は一度に使えるスキル数にも限界がある。

八百万のスキル(アルティメットスキル)】以外に9個の空きのスロット様なものがありそこにスキルを登録して使っている感じなのだ。だから同時に9つまでのスキルしか同時に使うことが出来ない。

 他の人間はスキルは覚えただけ増えていくみたいだ。

 9つ以上スキルを使おうと思うと何かのスキルが上書きされて使えなくなる。

 だから剣も槍も弓も使えて、多種多様な魔法を駆使し無詠唱で回復も出来るみたいなことは出来ない。

 他の人は修練を積めば出来るようになる可能性はあるがどんだけ修練積まないといけないのか。

 俺もレベルが上がったらスロットが増えたりするのかもしれないけどそれはまたこれから検証していく。

 それ以外にもちょっとした希望がある。



 今の俺のスキルの中に【世界順応】スキルはない。だが言葉は通じているし、読み書きだってできる。

 俺は思いついたことがあって城にいる間に実験をしてみたんだ。


 それは

「もしスキルを使っている間に得た知識や技術は、スキルを付け替えてなくしてからも使えるのか?」

 と言うものだった。


 いろんなスキルを使えるようになって言葉が通じるようになる【世界順応】のスキルで一枠を使ってしまってるのがもったいない気がした。


 この世界の人も生まれて直ぐ話せるようになったわけでもなく生きていく内に言葉などを学んだり習ったりしたんだろう。

 だからスキルじゃなくて勉強すれば習得できるんじゃないかと思った。

 ただ一月の間に言語をマスターするにはかなりの労力が必要だろう。



 そこで俺は【完全記憶パーフェクトメモリー】と言うスキルを使った。

 名前の通り一度見た、聞いたことを完璧に記憶するってスキルだ。それを使って言葉の勉強をした。

 一度見て、聞いただけで忘れることはないんだから少しの時間で【世界順応】のスキルを外していても会話や、読み書きできるようになった。


 そしてここからが重要だ。

 その状態で【完全記憶パーフェクトメモリー】のスキルを外してみた。

 今見てたり聞いたりしたものを完璧に記憶していくのは無理だろう。しかし覚えたものに関してはどうか?脳に記憶として刻み付けたはずだ。

 実験は成功で普通に会話や読み書きができた。


 そうして自分の推論が実験をしてみて正しかったことを実証した。



 推論が実証されたことでさらにそれを発展して考えた。


「スキルを付けて訓練したり勉強して技術を身に付ければ、スキルを外していてもそれは使える。」


 そんな考えに至った。


 例えば剣術LV.10をつけて剣を持って戦い体に戦い方を身に付ければ、剣術スキルを外した後も同じように剣を扱えたりすることが出来るんじゃないか?

 回復魔術や魔術操作のスキルを付けて詠唱や、どうやって魔法を使うかを理解したらスキルを外しても魔法を使えるんじゃないか?


 そう思ったんだ。

 出来る可能性は高いと思う、これから試していこうと思う。


 スキルを持ったからその技術を得たのか、技術を得たからそのスキルが付いたのか。

 卵が先か、ニワトリが先か。

 この世界はでスキルを付け替えたりしたことはないだろうから分からないだろう。


 スキルを持ってなくてもスキルを使える。そんなことになるかもしれない。



 今でもどんなレアなスキルや、高レベルのスキルであっても使えるんだから俺のスキルは物凄くチートだろうけど、さらに上にいけるかもと思うと今から楽しみだ。

ちょこちょこと修正しながら書いていってるので次に見たとき書き方変わってる可能性もあります。

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