聡明生徒会長 6
「森本さん!」
飛島さんの悲しそうな声が聞こえる。
顔を上げると、伊達先輩に頬を叩かれる。
「・・・っ」
「よそ見すんなって。お、意外とボクサー派なんだな」
この状況をなんとかしなきゃ、僕は伊達先輩に・・・
頬に痛みを感じながら、必死に考える。
助かる方法を。
飛島さんを助ける方法を。
「なー伊達」
「なんだよ」
「この女、抑えてるだけじゃつまんねーんだけど」
飛島さんを抑えているうちの一人が、そんなことを言いだす。
伊達先輩は、下品に笑いながら応えた。
「じゃあ俺が終わるまで、弄っとけよ」
「よっしゃ!」
伊達先輩の言葉に満足したその人は、
一気に飛島さんのブラウスを引っ張る。
「きゃあああ」
飛島さんの悲鳴とともに、
ブラウスの前がはだけた。
「へへ、伊達のおかげでタナボタだな」
「い、いや・・・やめて」
「飛島さん!・・・っ、く」
今すぐ助けに行きたいのに、
伊達先輩に押し倒されて、動けない。
腕も足も、力を入れているのにちっとも動かない。
このまま、飛島さんも僕も・・・
脳裏に武山さんの、会長の顔が浮かぶ。
『臣。伊達の言うこと、信じてるのか?』
『伊達の今までの行動から考えて、それだけで済むと思えない』
お二人は忠告してくださっていた。
なのにそれを無視したのは・・・僕だ。
このまま強姦されても、しかたがないんじゃないか。
当然の報いだ。
「・・・ようやく大人しくなったな。安心しろ、依存するくらい気持ちよくしてやっから」
ベルトを外す音が聞こえる。
そして、僕の下着に手がかかる。
僕は観念して、目を閉じた。
申し訳ありません。
武山さん。
・・・会長。
そのとき、
トントン、とノックの音がした。
その場にいただれもが息を呑む。
誰か・・・来た?
「た、助け――んう!」
真っ先に叫ぼうとした飛島さん。
だけど口を塞がれてしまう。
そしてもう一度、
ノックの音が響いた。