聡明生徒会長 5
だけど、ちょっと腹を蹴られただけでこんなに苦しいのに、
それを何発も受けるなんて・・・
「も、森本さん!」
「飛島さん・・・」
「大丈夫です、から。私は・・・・・・あぁっ!」
乾いた音が響いた。
伊達先輩が、飛島さんをビンタしたんだ。
「・・・うるせぇな」
飛島さんの頬が赤く染まっていく。
だめだ、やっぱり・・・
飛島さんを酷い目に合わせるわけにはいかない。
「飛島さんに手を出さないでください!」
「・・・あ?」
「ぼ、僕が変わりに、受けますから」
その瞬間、伊達先輩の下品な高笑いが聞こえた。
「はははは、さすが副会長サマだな。もうお前に用はねぇよ」
「きゃっ」
約束どおり、伊達先輩は飛島さんを解放してくれた。
突き飛ばされ、よろける飛島さん。
「も、森本さん・・・」
「飛島さん、すみませんが、生徒会室に戻っていてもらえますか?」
「でも・・・」
じっと飛島さんの目を見つめる。
お願いだ。生徒会室に戻って、そして、
このことを会長と武山さんに伝えて!
思いが伝わったのか、飛島さんは
頷いて部屋を出ようとする。
・・・が、2人の男に遮られた。
「――え」
その男たちは、飛島さんの腕や肩に手を回して、
動きを封じる。
この人たち、軽音部の方たちだ。
「は、放してください!」
「飛島さん!・・・伊達先輩、約束が違うじゃないですか」
「違わねぇよ」
「う・・・っ」
僕は、伊達先輩によって地面へと押し付けられる。
抗っても、強い力に敵わない。
「俺は、手を出さないって言ったろ?俺は」
「なっ・・・ひ、卑怯です!」
「賢いって言えよ。それより俺は・・・お前を好きにしていいんだよな」
バリッと音がして、一気に涼しくなる胸元。
シャツのボタンがいくつか吹っ飛ぶ。
「へぇ、結構いい体してんじゃん。乳首もいい色」
「・・・・・・な、なに?」
暴行するのに、シャツの前を開ける意味がわからない。
混乱する僕の上に、伊達先輩が圧し掛かってきた。
そして、囁く。
「俺、バージンも好きだけど。チェリーボーイも好きなんだ」
「・・・・・・は?」
「だから・・・お前を犯してやるって言ってんの」
お、犯す?
僕を?
そこでようやく、僕は伊達先輩の意図がわかった。
飛島さんの身代わりって、殴る蹴るの暴行を受けるという意味ではなく、
性的な暴行を受けるという意味だったんだ。
・・・嫌だ!
そんなの嫌だ。怖い。
「っ、や、やめ・・・」
「大丈夫だって。俺、うまいから。男女合わせて100人以上とヤってるし」
そう言って、伊達先輩は
僕のベルトに手をかけた。