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聡明生徒会長 12

あれ・・・


頭の中に、靄がかかっている。

僕はいったい、何をしているんだろう。


呆けた頭で考えても、答えが出ない。


確か、会長と・・・



「・・・臣ちゃん」


僕にだけしか聞こえないような優しい声が、

すぐ近くで聞こえた。


呼びかけに応えようとするより早く、

頬に柔らかいものが触れる。


右の頬に、左の頬に、

そして・・・唇に。


すごく柔らかくて、心地よくて、

もっとしてほしくなる。


もっと・・・


僕の願いが通じたのか、

再び、それが頬に触れる。



そして、強く抱きしめられた。






「・・・よかった。無事で・・・本当によかった」







それはうってかわって、

切ない声だった。


気がつくと、身体が小刻みに震えている。


いや、違う。

この震えは、僕じゃない。



今度は僕から抱きしめようと思ったけど、

頭の靄がどんどん濃くなっていく。


抗えない。


僕はそのまま、

再び身体の力を抜いた。











そういえば、さっきと同じ声を

聞いた気がする。



そう、あれは、

嵐の中買い物に行ったときだった。



『臣ちゃん!』



学校の門の前で動けなくなった僕を、

会長が迎えに来てくれた。


あのときの必死な声と、同じ。



いつも明るくて優しい会長の、

真剣な・・・声だ。

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