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疑問の解決
昨日から考えているが、日記のことは何も分からなかった。
「ん〜〜〜〜」
「どうした?」
私が唸っていると、秋斗と海里が来た。
「あっ! 昨日ね‥‥」
2人に昨日の事を話した。
「‥‥なるほど」
「確定じゃん」
「その証拠がこの日記の文、か‥‥」
そんな事を話していると
キーンコーンカーンコーン
「はーい、授業を始めます」
先生が入ってきた。
2人はさっさと席へと戻る。
国語か‥‥‥‥眠くならないといいなぁ。
「はい、今日の前振りはコレです」
国語の先生はいつも“前振り”というものを行う。授業とは関係のない話題から入り、最終的には授業内容へと繋げるのだ。ここだけは国語の最大の楽しみであると言えるだろう。
先生が黒板に貼った紙を見る。
『はじめまして。ろこうと言います。ウィンクが得意で……ん? 誰か笑った?』
「さぁ、分かるかな? 知ってる人は黙ってて……」
先生が言い終わる前に、1人が声を出す。
「あ、これ知ってる! 文の始めの文字だけ読むやつでしょ?」
「「「!?」」」
秋斗と海里が私を見る。私は急いで日記を取り出した。
「こんなのって‥‥‥‥っ」
授業中、私は静かに泣いた。