日記の暗号 qr:w
『8月10日(火)天気:はれ
るすばんしてたら、れんがきた。
さきちゃんもきた。ロンくんもきた。
ころちゃんもきた。
qr:w
18月11日(水)天気:くもり
「いざ、なのくにへ」
くーちゃんが、たくちゃん、に
「しってるの?」
qr:w 』
文もおかしく、しかも必ず文末に“qr:w”と書いてあるのだ。
何かのメッセージなのかな??
「なぁ、桜が死んだのって本当に病死なのか??」
海里が言った。
「心臓麻痺なんでしょ?? そうなんじゃない??」
「でも、3年間一緒にいて“体が悪い”なんていってなかっただろ?」
私の返答が納得いかないようで、不満気に言う。
「大人は平気で嘘がつけるんだから‥‥」
海里が今までにないほど、怖い顔で呟いたのを聞きのがなさなかった。
何かあったの? と思ったけど、聞くのはやめた。
「それは俺も思ってた。そんなに体が悪いなら、俺らと毎日遊べないでしょ。だから桜の母さんが言ってたことは、ちょっと信用できない‥‥というか、信用してない」
秋斗も、いつになく真剣な顔で言う。
それにあの時のお母さんも‥‥‥‥
葬式の日、お母さんは桜のお母さんと言い争いをしていた。お母さんが、あんなにも感情的になっているのを初めて目の当たりにしたため、よく覚えている。
「あなたは何て事をしたの!?!?」
「さぁ、何のことかしら」
「っ!! 桜ちゃんに何をしたの!?」
「あら、私が何かしたという証拠はあるのかしら?」
少し離れたところから、先に桜のお母さんが戻ってきた。そして、私たちに気がつくと側へとやってきた。
「これ、貰ってくれないかしら?」
そう言って桜の日記を差し出してきたのだった。
お母さんは絶対に何かを知っている。そして、桜のお母さんによって桜は死んだ。
よし、帰ったらお母さんに聞いてみよう。