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あの日の出来事


「ママ!! 桜がっ‥‥桜が倒れた!!」

「‥‥えっ!?」



お母さんは慌てて飛び出し、公園へと向かった。



「‥‥‥‥‥‥あっ、待って!!」



固まっていた体を動かし、私も後に続いた。



「桜ちゃん!!!」



お母さんは直ぐに救急車を呼び、病院へと運んだ。













「軽い日射病ですね。それと栄養失調かと」

「えいよう‥‥しっちょう??」

「はい。一応、点滴をしておきました。それと‥‥‥‥」



お母さんが病室に戻ってきた。先程まで、病院の先生に呼び出されていたのだ。



「どうかしたの??」



明らかに顔色が悪い。



「‥‥う、ううん。何でもないよ。桜ちゃん、2、3日もすればよくなるって」

「ほんと?? 良かった!!」



お母さんは桜に近づいた。そして倒れ込むように抱きつき、泣きながら謝った。



「ごめんね‥‥ごめんね」



何度も、何度も。













「ふぁ〜〜」



保育園のお昼寝の時間になった頃、桜のお母さんは病室に現れた。



「桜!?!?」

「‥‥大丈夫ですよ。2、3日もすれば良くなるそうです」



私のお母さんが説明した。



「そうですか‥‥ご迷惑をおかけしました」

「少し、宜しいですか?」


お母さんたちは、廊下へと出ていった。お母さんの顔は、今までにないほど怖く、悲しそうだった。

この日から、お母さんは毎日どこかへ出かけるようになった。















「ー8月31日 23:39 春野桜ちゃんの死亡を確認しました」













「‥‥っぐ、な゛んで? ‥‥何で桜が死ななきゃいけないの!?」

「もっと遊びたかったよーー!!!」



お葬式の日、私と秋斗は大泣きした。



「……お前らうるさいぞ。いい加減にしろ」



海里は、皆の前で一滴も涙を流さなかった。‥‥‥‥けど、隠れ泣いていたのを知っている。もしかしたら、私達よりも泣いていたのかもしれない。

桜は心臓麻痺で死んだらしい。

泣いている私たちの所へ、桜のお母さんがやってきた。



「これ、貰ってくれないかしら?」



そう言って一冊のノートが差し出された。中を見ると、それは日記だった。5歳にしてはとても綺麗な字だ。私は日記をめくっていった。


そこにはーーー


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