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仲良し4人


9:00

ーーピピピッ


目覚まし時計の音が部屋に響く。



「‥‥‥‥夢、か」



私は目覚まし時計を止め、起き上がる。何とも目覚めの悪い、懐かしい夢を見た。

あれから10年が経ち、私達は15歳になった。



「昨日、これ読んだからだろうな」



枕元に置いていたノートに手を伸ばす。

‥‥‥‥これは桜の日記。あの頃、桜に何があったのかを知るための唯一のもの。


そう言えば、とカレンダーに目を向けた。

訳もなしにこのノートを引っ張り出してきたのではない。8月31日の今日は桜の命に、ち…‥‥‥



「あっ!!」



私は急いで支度を始めた。


[カレンダー]

8月31日

桜 命日

墓参り9:30 公園集合


















「ーーごめん、遅くなった!」



急いで支度をしたとはいえ、結局着いたのは9:45。9:00に起き、10分で支度して20分でここに着くはずだった……のだが、昨日の夜 服の用意を忘れていて時間がかかってしまった。



「……遅すぎだ。全く、15分の遅刻って‥‥」



はぁ‥‥。と大袈裟なため息をつく海里(かいり)



「ほんとごめんって」

「大体お前はいつもいつも‥‥‥‥15歳になったんだから、もうそろそろしっかりとしろよな」

「まぁ、雪だからしょうがないよ」



苦笑しながら海里をなだめているのは秋斗(あきと)



「ねぇ、秋斗?今さらっと私のこと、馬鹿にしたよね??」

「んー? 気のせいじゃない? それより、早く行こうよ。桜が待ってる」



遅れたお前が言うのかと、海里の小言を横に私たちは歩き出した。

そしてお花と線香を買い、いつもの場所へと向かう。












「ーー桜、久しぶり」



あの日から毎年、3人でお墓参りに来ている。



「暑かったろ? ほら、水だぞ」



秋斗はバケツに汲んできた水を、ひしゃくでかける。乾いていた墓石が、徐々に深い色と艶を取り戻していく。



「‥‥何か、お前が言うと犬に言ってるみたいだな」

「失礼な!!」

「私も思った。みたい、って言うか犬なんでしょ?」

「雪まで!?」



私たち4人は家も近く、同じ保育園だったため仲が良かった。途中で海里が引っ越して少し離れてしまったが、それでも毎日のように遊んでいた。

……あの日も…


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