ーPurologueー
「秋斗みーつけた!」
私は草むらの中に隠れていた秋斗を見つけて叫んだ。
「くそ~。ここなら大丈夫だと思ったのになぁ」
「私を誰だと思っているのだい?」
本気で悔しがっている秋斗へ、私は腰に手を当てドヤ顔をしてやった。
いつもの公園で、いつものメンバーと いつものようにかくれんぼをしている。目の前で悔しがっている秋斗は隠れるのが1番の下手くそ。ドジっ子の桜にも見つけられるほど酷いのだ。
そこまで回想すると、私はすぐに真面目な顔に戻した。
「残るは強敵、海里だけか……」
見つけられた余韻に浸っている時間はない。1番の強敵を早速見つけに行こうと1歩を踏み出した瞬間、
バタンーー
後ろから何が倒れる音がした。勢いよく振り替えると、そこには桜が倒れている。
「ーーっ‼」
私は頭が真っ白になり、その場に立ち尽くす。パニックで、ただ倒れた桜の背中を見ることしか出来ずにいると、海里が何処からか現れ桜の頭を膝にのせた。そして私に怒鳴る。
「早く!! 母さん呼んでこい!」
海里の言葉にハッと我に返り、急いで自宅へと走った。
(桜……待っててね!)
ーーそれから2週間後、桜は死んだ。