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エピローグ

 常夏の海の空は、雲一つない晴天だ。

 そしてここに男子と女子の駆け引きの戦いが幕を開こうとしていた。



「ついに夏休みが来ましたぜ? 親分」

「鳩子、アンタ何よそのキャラ?」

「いいの、いいの。せっかく目の前には砂浜と海が広がってるんだから、テンション上げてかないとね」

「それはわかるけど……」

「もー、ネズミちゃんは固いなぁ」

「別にそうでもないでしょ?」

「えー」

「何よ? その反応?」

「別に」

「……目であたしに何か訴えてない?」

「あれ? ネズミちゃんの目にはそう見えるの? 鳩子ちゃんは普通にしてるだけなんだけど。まっ、こんなことは一先ず置いといて、本題はこれからだよ」

「急に真剣な顔つきになって何よ?」

「そりゃあ、真剣にもなるでしょうが。だって、やっとWVAも終わって夏休みに入りました。つまり、皆が学校から家に帰宅します。そしたら、学校がある時みたいに、奴との時間も減っちゃうわけだ」

「奴って?」

「はぁー、ネズミちゃん、何自分は分かりませんみたいな顔で首を傾げないでよ。さっきまでの流れ的に分かるでしょ? 普通」

「なっ、わかんないわよ!!」

「かぁーっ、ネズミちゃんそれないよ? なさすぎだよ? だから自覚症状が薄い人は嫌なのよ。鳩子ちゃんは」

「自覚症状って……?」

「あー、はいはい。もう面倒なので説明はぶきまーす」

「ちょっと、はぶかないでよ!?」

「いいの、いいの。ここでネズミちゃんが気づかないんだったら、鳩子ちゃんが奴との素敵な一夏の思い出を刻みつけるから。そして今まさにその思い出の一ページが開かれてるんだなぁ。ちょっと、水着を着ないといけないのがネックだけど」

「ああ、胸が…………ってちょっと、いきなり人を叩かないでよ」

「ふんっ。貧乳族を哀れんだ罰です」

「貧乳族って、何よ?」

「別にぃ~。言っておくけど、けっこうこれに入ってるメンバー多いんだからね?」

「メンバーって、何かの活動でもしてるの? その、貧乳族って」

「ん? それは勿論。貧乳族にとって今回のみたいな海水浴イベントは、なかなか苦痛を強いられるからね。特に、今回のこれには憎たらしいことに、海外組もいるから豊乳も多いし」

「仕方ないでしょ。他の国の人だって、せっかく来たんだから観光とか遊びたいっていう気持ちになるんじゃない? ほら、そう敵を見る目で向こうを睨まない」

「けっ。あたしたち貧乳族が、自分たちのツルペタな胸をカモフラージュしてくれる水着を選出するのに、必死だったというのに。呑気にビキニなんて着やがって……」

「……貧乳族の活動って、もしかして水着選出?」

「当然。水着という項目をクリアしない限り、貧乳族は海やプール何かに出たくありません」

「あっそう」

「フッフフ。でも今回は鳩子ちゃんも気合いをいれて水着を選んだし……覚悟しな、豊乳共」

「何で、あたしを指さしてくるのよ?」

「えっ、だってネズミちゃんは二重の敵だし」

「二重?」

「そっ。よしよし、あっちのテント張りも終わったみたいだし、鳩子ちゃんは、戻ろーっと」




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