05 異世界での日記
今回は情報まとめの回です。
これで一区切り、といったところになります。
今後の書き方でルーシア視点にするか、今までの書き方でいくか迷っています。
気楽に書けるルーシア視点と思いきや、色々と難しい点もあって…。
暫くは今までどおり書きつつ、時折ルーシア視点が入るような感じで調整していこうかとも思っています。どちらかに統一した方が見やすい、読みやすいなどありましたらご一報をお願いいたします。
夜も深まってきた頃、ルーシアは一人、宿屋の部屋で机に向かい何かを書いていた。
彼女が異世界にきてから、もうそろそろ一ヶ月が経とうとしている。
一ヶ月を経過したから、という訳でもないが、現状整理なども含めて一度文章で、日記という形で書いて残しておきたいとルーシアは思ったのだった。
これはその記載記録である。
~ここに着てから25日目~
長いようで早かった約一ヶ月。
色々思い立ったこともあって日記をつけ始めました。
まず今までのまとめを思い出しながら書いていこうと思いますよ。
地球で戦っていたのに、何故か異世界に来てしまった私。
そして着て早々、王様らしき人物を殺してしまったみたいな感じ。
逃げるようにっていうか、逃げた結果、この雪の国に到着。
とりあえず生活費やら旅費を稼ごうと冒険者になってみる。
最初の依頼でそっぴー発見。
(私が見つけたソラノコのこと。ソラノコでぴーぴー鳴くからソッピー)
物凄く珍しい上に捕獲例が今のところないという話から色々問題があったけど、なんとか私が飼うことで落ち着きました。
その後は今日まで、そっぴー関連の面倒ごとを解決しつつ、簡単な依頼をこなしてきたよ。
気が付けば、冒険者ランクが結構上がりました。
戦闘ランク B
冒険ランク C
魔術ランク F
総合ランク D
登録は一応、魔術師のくせになんで魔術ランクがFなんだ?ということで細かいことを追求してくる人が多いので嫌になります。私はあくまで「一応」の魔術師なんですよ!かといって真面目に能力についてお話することも出来ませんし…。あぁ面倒臭いです。
とにかく!もうこの町、いやこの国では戦闘ランクはBから上げられない、というお話でした。B以上に上がるために必要な強さをもつモンスターがこの辺りでは滅多に出ない、というのが原因のようです。
そろそろお金もそこそこ溜まってきたことですし、この国をでて本格的に活動をしたほうがいいのかもしれないです。
そうそう今更ながらにこの世界の国とかを聞いたので、忘れないうちに書いておきましょう。
今、私がいるのが「雪と氷の国 ソリュート」。
最初に私が王様を殺してしまったのが「武と鉄の国 ガルガ」。
その2つの国に隣接した中立国「森と湖の国 ヴェリエール」。
ソリュートの更に奥深くの辺境国家「暗闇と冥府の国 デルガデルフ」。
ソリュートからヴェリエールを挟んで反対側に、超大国「清浄と永遠の聖都 ファルナ」。
ガルガの隣、ガルガと敵対関係にある「魔法と力の帝国 アレテステト」。
アレテステトの向こう側には「火と煙の国 バステト」。
その更に奥には「山と風の国 レミーリア」。
この世界ではこの8国が今の歴史的に影響が大きい国とされているみたいです。
他にも小さい国がいくつかあるんですけど、割愛しておきますね。
これら国家の力関係は一応保たれているものの、軍事力としては
ファルナ>>アレテステト≧デルガデルフ≧ガルガ>>>バステト>ソリュート≧レミーリア>>>>ヴェリエール という感じになっている、というお話でした。
とりあえずガルガには行けないです。
あれから、王が病で急死したという報がまわってきました。明らかな隠蔽ですね(苦笑)。まぁ私のせいだからなんとも言えないですけど…。なんというかごめんなさい。
ここからガルガ以外で行くとすれば、ヴァリエールかデルガデルフ。
景色がとても綺麗で環境が良い、そして平和なのがヴァリエールですが、情報を効率よく手に入れるためには冒険者ランクを上げておいたほうが色々融通が利くこともあって、あまり高ランクの依頼が入らないヴァリエールは一旦後回し。疲れたら骨休めに行くとしましょう。
一方、デルガデルフは未だにモンスターの大群と日常的に戦いを繰り広げて、その領土を狭めたり広めたりしている国家だそうです。戦いの影響か荒地が多く、景観はよろしくない。モンスターを倒して一旗挙げようとするならず者崩れや脳筋(笑)が多いらしく、治安もよろしくない。一言で言うと「傭兵国家」みたいな側面が強いらしく、他の国に戦争用の人員を送ることもあるとかないとか。
モンスターとの戦いが日常的にあることや、モンスターの強さのランクも数段高いこの国では戦闘ランクを上げるのには格好の場所のようで、更に領土の半分以上はまだモンスターの管轄地域ということで未発見の遺跡なんかもあったりでかなり危険はありますけど冒険ランクも上げやすいようです。
ちょっと殺伐としてそうなところは嫌といえば嫌なんですけど、私の実利的な要望は満たしているし、比較的近いですし、行ってみることにします。
モンスターの強さが段違い、というのは気になるところです。でも私の能力なら少なくとも大きな問題はないと思ってますし。物理的な面でのみ、ですけど。
そうそう魔術と能力の関係なんですけどね。
やっぱり相互の関係性は全くなさそうです。当たり前の話ですけど。
魔術はこの世界にある魔力の元、<レーン>を使って様々な現象を引き起こします。
実際にはレーンを直接変換するようなことではなく、レーンを精霊に捧げることで、火を出したり、水や風を操ったりしてもらう、という感じみたいです。
私の場合、世界に直接干渉するものらしい(受け売りなので詳しいことはしりません)です。
消費するようなものは体力とか精神力だけですし、実際にその場に光があってもなくても関係なく、創り出していくものです。
なので、全く別物。
そして懸念点だった魔術と能力がぶつかった場合です。
たまたま魔術を使うモンスターに出会ったときに試してみたところ、結構厄介ということがわかりました。
まず防御に関してですけど、私自身に傷はつきませんでした。まぁ元々銃弾やら砲弾やらレーザーやら…を普通に防いできましたし…。なんか女の子っぽい文章じゃないです。しょうがないですけど。
能力の身体強化は普通に機能していますから、魔術が相手でも問題ないみたいですが、能力の障壁による防御はダメでした。具体的には、光の障壁を出して防ごうとしても素通りです。どちらにしても大きな問題にはならないんですけど…癖で壁をだしちゃいそうですね。気をつけないと。
攻撃に関しては大きな問題なし。
ただ、何故か魔術の防御障壁でこちらの能力の攻撃をガードできるっぽい、というのはどういうことなんだろう…。こっちのはすり抜けるのに…。
ガードできるっぽい、というのは、撃ったフォトン・レイが一瞬何かに阻まれるような、はじかれるような挙動をみせたが、すぐにそれを打ち破って突破したのが見えたから、というところから推測した結果です。
相手の魔力が弱かったからすぐ突破出来たのだと思いますけど、相手の魔力が強かったらどの程度まで防げるんだろう?試してみないとわからないのでちょっと怖いですね~。
ふわぁぁ、そろそろ眠くなってきました。
明日からデルガデルフに行く準備をしないといけませんし、そっぴーの観察日記もつけないといけないですから、もう寝ることにします。
そういえば若干どうでも良くなってきた部分はありますけど。
帰れるのかな…地球に…。
更新がだいぶ遅れましたが、本編の読み直しや、もう一人の書き手との連絡、リアル事情など色々重なりました。
次話からは国を渡ってのお話になります。