そんな1人はどう映るの?
掲載日:2010/10/04
超短いです。
声を発しません。「僕」が思う事だけです。
冷えた肉まんをほおばる。僕は小さくため息をついた。
白い息があたかも肉まんからの湯気のように見える。
透き通る朝の空は痛いくらいに空気をはりつめる。
十字路に差し掛かり太陽の光が空気に触れる。
柔らかな日差しは僕のはりつめていた心にさえ触れた。
君を想った。
なんで気付かなかったんだ。こんなに君を好きなこと。
もっともっと愛せばよかった。
色んな所へ行って、色んなことをして。
どうして君がいなくなってからの方が君を好きになるんだろう。
新しいものを見たくなる。だけどそれはすぐに古くなる。
新しいって1度きりなんだ。だからもったいぶりたくなるんだ。
だから楽しみはあとにとっておきたくなるんだ。
振り返れば君がいそうで。
隣を見れば君が笑ってそうで。
何度も首は君を求めるけど上手に見つけられない。
鼓動が忘れた「ときめき」はたぶん瞳が君を映さないと思いだせない。
電車の乾いた音が鳴り響く。静寂は終わりを告げる。
今君は何を思うの?その首は、その瞳は・・・?




