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 やっぱり、かなり顔がいい。


 いままで見たどのライオンの獣人よりも綺麗だ。


 リオナの目は、意外にも金色だった。満月がそのままはまったかのように綺麗な金色がアイレを映す。


 長いまつげがせわしなく動くのを見て、アイレはにたりと悪い笑みを浮かべた。


「あ、そう。そういう態度。いいけど、別に」


 本来なら、もっと丁重に運んでやるつもりだった。けれど、この王様は自分で言ったことすらお忘れのようだ。


「その“首”をくれるって言ったの、覚えてるよなあ? つまり、俺があんたをどう扱おうが、俺の自由ってこと」


「はっ!?」


 リオナがやや慌てたように声を出したが、もう聞く耳など持たない。アイレはひょいと風の足場から飛び降りた。


 いきおいよく風が身体を撫でる。この感覚が堪らなく好きだ。


 大笑いしながら風を感じるアイレの顔に、リオナの髪がバサバサと掛かる。


 そのせいで顔は見えないが、リオナの手は明らかにアイレの服をしっかと握っていた。


 地面にぶつかる直前で、アイレは予め用意しておいた魔法陣にエレメントを吹き込んだ。五芒星の魔法陣が地面で光り、風の反作用で身体が浮く。


 アイレは満足げに笑いながらリオナを見下ろした。


「到着ぅ。風の心地はどうでした、王様?」


 リオナは無表情だけれど、明らかに顔が強張っていた。


 耳が髪の毛に隠れるんじゃないかと思うほどに寝そべって、それからしっぽがぶわっと広がっている。


 アイレは今日一番の笑い声をあげた。

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