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第7話:神の試練

ミストベアとの戦いから数日後。

東出昌大は、村外れの川辺で魚の干物を作っていた。

太陽の下、静かな時間が流れる――その時、頭上に眩い光が降り注いだ。


「……また来たか」


光の中から、あの異世界の神の声が響く。


「よくやったな。村を守ったその力、やはり面白い」

「だが……お前にまだ見せていない世界がある」


空気が震え、川面に映る景色が歪む。

そこには、雪と氷に閉ざされた広大な大地――そして、吹雪の中で蠢く巨大な影が映し出された。



神の言葉


「北の氷原に棲む“白影狼王はくえいろうおう”を狩れ」

「奴はこの世界で最も俊敏で、最も警戒心が強い。お前がそれを仕留められるなら……本物の猟師として、この異世界で名を刻めるだろう」


東出は少し間を置き、焚き火に干物を掛け直す。


「……吹雪の中で狼狩りか。こりゃ、体力勝負だな」


神は笑う。


「装備は自分で整えろ。試練に必要な物資は、この村やお前が築いた縁から手に入れろ。それも試練の一部だ」


光が消え、再び川辺に静けさが戻る。

だが、東出の胸の内は静かではなかった。



新たな旅の準備


夜、焚き火を囲んで村の猟師たちに話すと、皆が口々にアドバイスや装備品を差し出してくれた。

熊の毛皮で作った防寒着、氷原で効く香辛料、そして長距離狩猟用の携帯食料。

東出は一つ一つ受け取り、深く頭を下げた。


「戻ってきたら、またこの焚き火で飲もう」


夜空の下、星が一層輝きを増していた。

次なる狩場は、氷と狼の王国――そこに、東出は足を踏み入れる。

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