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第44話(最終話):異世界の果てに、東出置いてきた

狩人の歩み


山での静かな猟師暮らしから始まり――

海でのレヴィアタン狩り、森のキングエイプ討伐、黒樹の迷宮の試練、そして深淵界での神喰らい。


東出昌大の旅は、常に狩りと食卓に彩られていた。

タバコをくゆらせ、酒を煽り、焚き火の前で「……うまい」と呟くその姿。

それこそが、異世界に刻まれた彼の生き様だった。


神なき世界


神を喰らったことで、異世界の秩序は変わった。

もはや誰かに支配されることも、供物を強いられることもない。

村人も猟師も、恐怖から解放された。

東出は彼らの英雄として語られるが――当人にとってはただの“腹を満たす日常”にすぎなかった。


狩人の晩餐


ある日のこと。

東出は村の外れの焚き火で、仕留めた獲物を鍋に煮込んでいた。

酒を一口。タバコを吹かし、炎を見つめる。

やがて椀を手に取り、静かに味わう。


少しの沈黙のあと、笑みを浮かべて呟いた。


「……うまい!」


その声に誰かが拍手をするわけでも、神が喜ぶわけでもない。

ただ、狩人として生き抜いた証が、焚き火の炎に揺れていた。


そして――


異世界の神は確かに東出を「果て」に置いてきた。

だが彼は決して取り残されることはなかった。

煙と酒と肴と共に、彼自身が“世界の果て”を切り拓いていったのだから。


【完】


『異世界の果てに、東出置いてきた』

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