第43話:狩人の座 ― 新たなる秩序
世界の変容
神を喰らった瞬間、深淵界の赤黒い空はひび割れ、光が流れ込んだ。
大地の脈動は静まり、狂気じみた景色がゆっくりと形を変える。
闇に覆われていた世界が、焚き火のような温もりを帯びて蘇っていく。
それは「神を喰らった者」によって、秩序が再編される証だった。
神なき世界
神の声はもう響かない。
代わりに、大地のざわめきや風の音が、不思議と穏やかに聞こえる。
異形のモンスターたちも姿を潜め、恐怖に支配されていた深淵界は、ようやく静寂を取り戻した。
東出昌大は焚き火を起こし、タバコをくわえて煙を吐いた。
酒を煽りながら、ぼそりと呟く。
「……神がいなくても、腹は減る。
世界も俺も、結局はそんなもんだ」
新たな秩序
深淵界の残骸から、奇妙な光が集まり、**「狩人の座」**と呼ぶべき玉座のような石が形成される。
そこに座れば新たな神として君臨できるのだろう。
だが東出は腰を下ろさず、鉄鍋を置いて肉を煮込んだ。
「俺は神じゃなくていい。ただ、肴と酒があればな」
狩人の余韻
煮込んだ肉を一口。
時間を置き、焚き火を見つめて――
「……うまい!」
その声は、もはや誰に聞かせるでもなく、深淵の空そのものに響いた。
世界は神を失い、新たな秩序を模索していく。
だが狩人は変わらない。
ただ獲物を狩り、肴を作り、煙と酒を楽しむ。
次なる一歩
焚き火の炎が静かに燃える。
深淵界に生まれた新しい光は、まだ見ぬ大地や海へと続いていた。
東出昌大は立ち上がり、万能狩猟道具を肩に担ぐ。
「さて……次の肴を探しに行くか」
狩人の旅は、終わりを知らない。




