表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/44

第42話:神喰らう狩人

世界を裂く戦場


深淵界はもはや戦場そのものだった。

神の四腕が振るう「刃」「炎」「雷」「闇」が天地を切り裂き、空と大地が逆転し、存在そのものが崩壊していく。


東出昌大は酒を一口あおり、タバコをくわえたまま立っていた。

全身に傷を負いながらも、その目はまだ狩人の光を失っていない。


「……最後の肴だ。腹いっぱい食わせてもらうぜ」


全力の一撃


万能狩猟道具を槍に変え、さらに深淵の調理炉を融合させる。

槍は灼熱と雷鳴をまとい、刃先は星のように輝いた。


神が咆哮し、四つの力を同時に解き放つ。

世界が砕けるその瞬間――東出は前へ。


「いただきますッ!!」


渾身の突きが、神の胸部に宿る“核”へと吸い込まれる。

焚き火の炎のような力が槍を走り、雷鳴がそれを突き動かした。


神の崩壊


轟音。

光。

そして静寂。


神の巨体は裂け、空に浮かぶ瞳と翼が霧散していく。

最後に残ったのは小さな火種のような光――神の魂そのもの。


その光は東出の前に落ち、焚き火の種火のようにゆらゆらと燃えていた。


狩人の晩餐


東出は深くタバコを吸い込み、焚き火を起こす。

残された神の核を鉄鍋に落とし、調理炉の火でゆっくりと炙る。

肉でも魚でもない、不思議な香り。

だが、芳ばしい匂いが広がり、まるで世界そのものが「食卓」と化していく。


酒を注ぎ、一口、二口。

そして、調理した神の欠片を口に運ぶ。


数秒の沈黙――。


「……うまい!」


それはこれまでで最も重く、最も深い一言だった。


決着


神の声がかすかに響いた。


『……汝こそ、狩人にして饗宴の王。

我を喰らい、汝は新たなる神とならん……』


だが東出は首を振り、酒を煽った。


「神になる気なんざねぇよ。

俺はただ――旨い肴を探す狩人だ」


焚き火の炎が深淵界を包み込み、やがて光に溶けていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ