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第30話:深淵界への扉

扉の開放


黒樹の迷宮で手に入れた「深淵の鍵」を携え、東出は神の声に導かれるまま、迷宮の最奥に現れた巨大な石門の前に立っていた。

門はまるで生きているかのように脈動し、周囲の空気すら吸い込むような圧を放っている。


タバコに火をつけた東出は、一服しながら深呼吸。

そして黒い結晶の鍵を門の中央にはめ込んだ。


轟音とともに、門は開く。

中から吹き出す風は、冷たさと共に、潮と血と腐敗が混ざったような異様な匂いを運んでくる。


深淵界の光景


門の先に広がっていたのは――この世界とは隔絶された、異質な世界だった。


海のようにうねる暗黒の大地


空には月とも太陽ともつかぬ赤黒い球体


巨木の根が空中にまでのび、そこから滴り落ちる光のしずく


そして遠方で蠢く、巨獣とも地形とも判別できない“動く影”


そこはまさしく、“異世界の果て”のさらに向こう。

深淵界――神ですら試練の場と呼ぶ領域。


神の声


頭に再び声が響く。


『汝、ここに足を踏み入れたか。

深淵界は、存在の根源が試される地。

狩るべきは肉ではなく――魂そのもの。

汝がこの地を越える時、真の“狩人”と成ろう』


東出は苦笑しながら酒瓶を取り出し、ぐいっとあおった。


「……魂まで肴にするのか。こりゃ骨のある獲物だな」


焚き火を起こす場所もない暗黒の地。

だが彼は迷わず、狩猟道具を槍に変え、第一歩を踏み出した。


新章突入


こうして東出昌大は、新たなる試練の大地―― 深淵界 へと足を踏み入れる。

そこには未知のモンスター、異形の文明の残骸、そして魂を揺さぶる試練が待ち構えていた。


異世界の神が笑う。

東出がここでも“獲物”を狩り抜く姿を見たいがために――。

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