第24話:森の深淵にて
キングエイプ討伐の祝宴が終わり、夜が明けた。
焚き火の残り火に灰が舞い、東出はタバコをくわえながら、まだ奥へ続くジャングルの影を見つめていた。
「……この森、まだ何か隠してるな」
村の猟師たちも、誰一人として踏み入ったことのない領域があるという。
「黒樹の迷宮」――そう呼ばれる場所だ。
そこは太陽が一切届かず、光苔だけが幽かに地を照らすという。
黒樹の迷宮
東出たちは進み、やがて森の空気が変わった。
湿気は増し、木々は黒々と絡み合い、まるで異界そのもの。
風が止み、聞こえるのは心臓の鼓動と自分の足音だけだった。
そして――見つけた。
地面に巨大な石板が埋まっている。
その中央には、神の印に似た螺旋の紋様。
触れた瞬間、石板が淡い光を放ち、低い振動が森全体に響き渡った。
神の声
天空から雷鳴のような声が落ちる。
『東出昌大よ……汝、森の王を討ち果たした。だがその果てに待つは、さらなる深淵。
黒樹の迷宮を抜けし者のみ、新たなる“界”へ辿り着くであろう』
猟師たちは恐怖で後ずさり、東出はただ一人、煙を吐きながら石板を見下ろす。
「……やっぱり、置いてきぼりにはしてくれねぇのか」
煙の先に見えるのは、次なる試練――未知の領域。
余韻
祝宴の余韻から一転、再び胸をざわつかせる新たな冒険の兆し。
“森編”の幕は下り、物語はより深淵へと足を踏み入れることになった。




