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第10話:狩猟台所日記(新章突入前)

白影狼王の討伐から数日。

村の広場には大きな焚き火が焚かれ、その周りに東出昌大がこれまで仕留めた獲物が並んでいた。

氷原から持ち帰った狼王の毛皮は干し台に掛けられ、雪解けの光を受けて白く輝いている。


「さて……せっかくだ。全部まとめて食ってやる」



一品目:猪王の赤ワイン煮込み


荒野の猪王の背肉を厚切りにし、氷原の香草と異世界ワインでじっくり煮込む。

肉はほろほろに崩れ、脂の甘みがスープに溶け出す。

村人たちは湯気と香りだけで腹を鳴らした。



二品目:銀棘魚の酢締めと炭火焼き


毒棘を外し、片身は酢と柑橘果汁で締め、香草を添えて爽やかに仕上げる。

もう片身は塩を振り、炎属性石板で皮目を香ばしく焼き上げる。

同じ魚でも味わいがまるで違い、村人たちが驚きの声を上げる。



三品目:スカイディアのロースト


背ロースを塊のまま香草と塩で包み、遠火でじっくりロースト。

空を飛ぶ鹿特有の甘い脂が肉汁となって滴り、炎の香りと共に広がる。



四品目:ミストベアのシチュー


脂の多い肩肉を小さく切り、根菜と香辛料を加えて長時間煮込む。

冬の夜に飲めば、身体の芯まで温まる濃厚な一皿になる。



五品目:白影狼王のステーキ


筋を丁寧に取り除き、赤身肉を厚めにカット。

表面を高火力で焼き固め、中はレアで仕上げる。

噛むほどに旨味が広がり、静かな余韻が残る。



東出は全ての料理を長いテーブルに並べ、まずは神への供物として一部を捧げる。

光が降り、皿がいくつか消えた。

残った皿を囲み、村人たちは笑顔で杯を交わす。


「命をいただく。それが一番のご馳走だ」



この宴の終わり、空から再び光が降り、神の声が響く。


「氷原を制したお前に、次は海と森を見せよう」


光の中に映し出されたのは、果てしない群青の海と、生命あふれる深緑のジャングル――

そしてその奥に潜む、さらなる“頂”の影だった。

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