初めての魔法
気づいたら3週間近く放ったらかしてしまいました!!
申し訳ございません!!!!
ここからまた投稿頑張ります!
それでは本編です!どーぞ!
「ヴォルフとユーキさん、ただいま戻りました〜!!」
魔導書を購入した僕たちは、その後夕方の市場を見ながら帰路に着き、騎士団の宿舎へ帰り着いた。
ヴォルフさんの声に通路にいた騎士団の人達が反応し、廊下ですれ違いざまに「おかえりー」とか「楽しかったか〜?」とか声を掛けてくれたので楽しかった、と笑顔で答えて、食堂へと向かう。ちなみに見た目の違いに関しても結構驚く人もいたけど、シェルクの名前を出したらものすごく納得していた。それほど凄いスタイリストだったのかなぁ……?
食堂に入った僕たちがご飯のプレート(本日のメニューはパンとコーンポタージュっぽい色のスープ)を取り、席に座ると隣にアインズさんがプレートを持ちながら現れて
「隣り……いいか?」
と聞いてきた。別段断る理由も無いし、と思い、どうぞ、とだけ言って僕はご飯を食べ始めた。ヴォルフさんはなんか固まってるようだけどなんなのだろうか……?パンもスープも美味しいなぁ。
「ヴォルフ、街めぐりはどうだった?」
「はい!治安は全く!異常なしでした!」
「いや、そうではなくてな……?ユウキの事だ」
「あぁ!それなんですけど……」
パンとスープに夢中になっていた僕は、隣りと向かい側の会話なんて全然聞いてなかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「と、いうことで!これから魔術の使い方……とか戦い方について訓練しますよ!」
ご飯を食べ終わった僕はヴォルフさんのその言葉にえ!?戦うの!?なんで!?と言いながらアインズさんに担ぎ上げられて訓練所に連行されている。どうやら、さっきの時に僕が魔導書を購入した事を話したらしく、是非とも魔法を見たい!と言う話になったらしい。んで、その話を聞いてなかった僕は、部屋に戻ろうとしたから、担ぎ上げられた、と。
訓練所、と言っても中庭のような吹き抜けの場所、に到着したアインズさんはすごく優しく僕を降ろし、その間にヴォルフさんが的の用意をしている。
「すまない、こちらとしても君の力を知っておきたい部分があってな。大丈夫、魔導書に書いてある文字を読めば魔法は発動できる……やってもらえるかい?」
アインズさんは少し申し訳無さそうにお願いしてくる。この世界の魔法は魔導書を読むだけで発動ってだいぶヤバいのでは……?お手軽過ぎない……?そんな事を考えていると、ヴォルフさんの方も準備が終わったようだ。
「的の準備、オッケーでーす!!いつでもどーぞ!!!!」
うん、いつもより声が大きい。アインズさんに後ろから見られながら、魔導書を開く。すると、お店の時と同じように足元に魔法陣が浮かび、輝きを放つ。
「魔導書を開いただけでコレだとは……」
(どの魔法を使うかな……?なんか良さそうなの……)
なんか驚いてるアインズさんを尻目に、魔導書のページをパラパラと捲りながら、的を射貫くのにちょうど良さそうな魔法を探す。空を飛ぶ魔法、滑走する魔法、床を凍らせる魔法、色々な魔法に目を通して探していくと、ちょうど良さそうな攻撃魔法を見つけた。これにしよう。僕は的をしっかり見る。これで外したら大変だ。
「行きます!《氷の矢》!!」
右手を的に向けながら、そう唱えると、手の先……伸ばせば届きそうな辺りに冷気が集まり、矢の形を形成した。そして矢筈の部分に小さい魔法陣が浮かぶ。けどなんで発射されないんだろうか……?そう思い、ページを読み返すが特に何も書いていなく、首を傾げていると、アインズさんが
「ユウキ!発射のコマンドを唱えるんだ!なんでもいい!撃つ事を考えて唱えればそれがコマンドになる!」
と言ってくれた。
どうやら魔法が発動しただけで発射するには別で唱える必要があるらしい。
「なるほど……!いっけぇ!《シュート》!!うっひゃぁあ!?」
発射コマンドを唱えた瞬間、ものすごい速度で矢が放たれ、冷たい衝撃がコチラにも襲いかかり、吹き飛ばされる。しかし、アインズさんがいつの間にか近寄っており支えてくれたおかげで事なきを得た。
「あ、アインズさん……ありがとうございます……」
「いや、構わない……矢はどうなった?」
そう言われて、僕も的の方を見る。そこには、氷の柱が出来上がっており、中には的が柄の部分が折れてる以外無傷の状態で残っていた。どうやら、発射の反動でズレたみたい……。
「的には当たらなかったようだが……すごい威力だな。他にはどんな魔法が?」
アインズさんが的を見つつ、僕に質問してくる。僕も魔導書を開きながら答える。……あれ?さっきより魔法陣の光が弱くなってる気がする。
「えっと……他だと……《粒子の羽根》」
そう唱えると僕の周りに光の粒が漂い、輪のようになる。
「えっと、《飛ぶよ》?…………おぉぉぉ」
コマンドを唱えると僕の身体は宙に浮かび始める。体勢が崩れないように気をつけながら、宙を飛び訓練所を1周して降りた。と同時に目の前が霞んできた……そういえばなんか頭もぼんやりするような……
「…キ…ん!ユー……さ……!」
「いか…………切……医……室……」
ヴォルフさんとアインズさんの声が遠ざかっていくのを感じながら、僕の意識はそっと深い所に落ちていくのだった……。
というわけで今回はここまで!
今週間に合えばもう1話投稿します!
感想、評価、お待ちしております!