魔導書との出会い
お待たせ致しました!
たくさんのページビューありがとうございます!
頑張って書いていきます!!
よろしくお願いします!
服を買い終わった僕とヴォルフは、街で有名なカフェでお茶をしている。紅茶はとてもいい香りであり、また紅茶に添えられていたスコーンも甘すぎず、ジャムを乗せると更に美味しくなる逸品だった。
「美味しい!紅茶にめちゃくちゃ合う!」
「そいつは良かった!姉ちゃんに聞いておいた甲斐があった!」
「え!シェルクさんに聞いてたの!?いつの間に!」
驚いているとヴォルフはスコーンを口にめいっぱい詰め込んだまま、フガフガ喋っている。何言ってるんだ、この人は……?疑問に思って首を傾げていると、周囲から視線を感じるようになる。周囲を見回すと男の人達からだいぶ見られている。
「……ねぇ、ヴォルフ?なんか僕見られてない?」
そう聞くとヴォルフはそっぽを向き、頭を搔く。え、ホントなに?
「あー……(多分可愛いからだろうなぁ)気のせいじゃないか?」
ヴォルフは、なんか、途中考え込んでいたように見えたけど、気のせいなのかな〜?
そう考えていると、ヴォルフがヨシっと言って立ち上がる。
「それじゃあ、腹もいっぱいになったし、次行くか!!」
そう言って店を出ようと動き出す。なんか足早じゃない!?なんで!?なんて驚いている場合ではない。このままだと置いてかれる!僕も焦りながらヴォルフを追いかけて店を出た。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「次は武具屋です!……と言いたい所ですけど、ステータスとか適正とかもあると思うので、お隣りの魔法書店に行きましょうか。」
そう言いながら、武具屋を通り過ぎて、魔法書店と書いてあるお店に入る。中は普通に本屋さんのようでたくさんの魔導書が本棚に納められている。
「魔導書って魔法が書いてある、あの魔導書ですか?」
「そっちの世界でもそんな認識なんですね、その認識で間違ってないです。強いて言うなら、売っているのは途中までしかページが埋まってない魔導書がメインですね」
ヴォルフが言うには、魔術師が後世に自身の魔法を残すために書き出した物でギルドを通して魔法書店に卸されるらしい。人によっては、同じものを何冊も作成するため、複数存在していたりもするらしい。
それを別の魔術師が購入して新たに魔法を書き足して、更に複製したものをギルドに買い取ってもらい……といったループで流通されているとの事だった。
他にも、永久的に記録として残る魔導書とは別に使い捨てではあるが様々な種類のあるスクロールという1枚の紙になっているアイテムもあるらしい。
「なんというか……すごいね。書き出して、複製して、買い取ってもらってって……」
マジで大変すぎない?魔法を書き出すって……この世界の魔術師って文豪なのかも……
そんな事思いながら、お店の中を物色していると、本棚にある1冊の本に目がいった。その魔導書は空色の装丁を施されており、手に取ると少しひんやりと冷たく感じた。本を開くといきなり足元に魔法陣が浮かび輝いた。
「わぁぁぁぁ!?ユーキさん!?なんですかコレェ!!」
「むしろこっちが聞きたいよ!?この魔導書開いただけ……まさかコレェ!?……それならっ」
近くにいたヴォルフと一緒に驚いていたが、手にある魔導書が原因ならばと思って本を閉じたら、光は治まり魔法陣も消えた。すると、お店のカウンターにいた優しげな顔のお婆さんがこちらに来て、魔導書と僕を交互に見てにっこりとしながら口を開いた。
「あらまぁ、魔導書を開いただけであんなになるなんて……余程相性が良いのかしらねぇ。」
そんな事を言いながら、本棚の方を見回していた。どうやら、先程の騒ぎで店内に異常が無かったか確認しているらしい。
にしても、魔導書にも相性なんてあるんだ。それで相性が良いと、あんなふうになる、と。それ持ち主になってくれって魔導書のアピールなのでは?それを断るのもなぁ……
「ねぇ、ヴォルフくん。」
「あ、はいっ!」
「この魔導書、買います。」
「はい!……って、えええええええええ!?」
店の中にヴォルフの絶叫が響き渡るが、僕の意思は変わらない。お婆さんはニコニコしながら、魔導書を渡す為の準備をしてくれている。
この時、僕は魔術師(見習い)へとなったのだった。
魔導書との出会いがこれである。
魔導書開いただけで魔法陣浮かぶのは、本当に特殊状況です。またこの世界では魔術師以外も魔法は使えます、が魔術師の方がより高度の魔法を使える、という感じです。